エンジニアのキャリアの一つのテンプレを考えてみる(後編)
休日午後、スタバにてMacでnoteの記事を書く、というパワーワードをこれでもかと盛り込んだかのような情景でこちらの記事を書いております。
そんなわけで今回は前回書いた記事の続き。前回記事はこちらから参照いただけると幸いです。
前回の振り返りと今回の前振り
前回ご紹介した内容は「エンジニアのキャリアって、こんなふうなステップで行くと面白いかもね」というものを自分なりにご紹介する内容でした。一応それだけ振り返るとこちらですね。
1.どこかの自社サービスに飛び込んで、自分の役割・機能をもらう
2.もらった役割を拡大させる過程でいろんな経験をする
3.「自分の名刺になるようなサービス」にまででっかくする
4.その信頼と経験をもとに、横展開でやりたいことをやる
で、今回はこれを実現するためにはいったいどんな環境を作ったら(選んだら)ええんや、ということを考える内容です。そんで色々と考えたのですが、どうやらこの中で一番自分だけの力で難しいのって
「1.どこかの自社サービスに飛び込んで、自分の役割・機能をもらう」
ですね、やはり。というのも、一度任されたら大変だろうと難しかろうとどうにかジタバタして乗り越えればよいのですが、そもそもスタートラインに立てる幸運ってあるよな、と。なので、今回はその部分の実現に焦点をあてたお話。
個人的に重要だと思うポイント4つ
今回もとりあえずまず結論述べてみるところから。なんかあげてみたら存外いい感じにカテゴリわけというか、観点が別れていたようです。
・(市場)伸びてる市場
・(サービス領域)外資が手を出しづらい業界専門領域
・(会社状況)事業投資に人とお金を使える
・(組織風土)お世話になるマネージャーがそういう経験を積んでいる
開発組織を作る側としてはこの辺を心がけるし、エンジニアキャリアを積み始めるならここらへんを狙いに行く、という感じにおそらくなるのでしょう。あと個人的には、すごい外的要因ぽく書いてますが、「存外自分の身の回りからだけでも相当変えられると思うぜ」というのは是非お伝えしたいところです。
(市場)伸びてる市場
「自分の役割・機能をもらう」ためにベース重要なのは「組織が拡大していること」だと思っています。そのためには「サービスが伸びてる」必要があって、さらにその前提としては「市場が伸びてる」のが手っ取り早し。他社に対して独自の優位性をもってシェアを大いにまくっているというケースもありますが、手っ取り早さの問題です。
ただまああげては見たものの、WEB・ITの市場自体が全体的にぐんぐん伸びてるので、大枠その前提に立ってれば大枠は外さないだろうなと。このあと普通だったら「どのスキルセットが伸びるか」みたいな話もあるのかと思いますが、今回は前提が「サービスを伸ばすにあたって必要なことはだいたいやる」というスタンスなので、そこは余り意識しない方向で。
敷いてあげるとするなら「○○Tech」と呼ばれるクロステック領域はわかりやすく伸びてますね、はい。めちゃめちゃ理想を言えば、言われる手前位からジョインするのが美味しいのかと思いますが、見極め難しかったりするので流れに乗る感じで個人的にはいいのかと思っています。
(サービス領域)外資が手を出しづらい業界専門領域
これはけっこう独自の見解ですが「せっかく育てたサービスがあっさり外資のサービスに飲み込まれちゃうともったいないよね」というところから来ています。というのも、「一生懸命メール配信ツール作ってたのに、一瞬にして某外資のMAツールにその市場を持ってかれました」とか、全然有り得る話なんですよね。
外資は金と人にものを言わせて「すべての業界に」「圧倒的なスピード」商品展開を武器に攻めてくる(そういうイメージ)ので、正直数名規模の開発チームとか、自分だけが役割を担ってる状況だと太刀打ちするのは相当きつい、まして新人が役割を任されてチャレンジしているところで真っ向勝負など狂気の沙汰です。
しかし一方で、どの業界にも「○○業界に特化したCRM」みたいなところに切り込んで独自の観点でPDCAを回し続け、結果自国の領土を守り抜いている武将(サービスのこと)も数多く見ます。ちょっとガラパゴスに見えるけど、その実業界背景知識を元に作られたサービスは、クライアントからの信頼も厚く、相当な規模までスケールしている事例がどこにでもあります。
(会社状況)事業投資に人とお金を使える
少し言い換えると「新人に新サービスを任せる」という投資活動が出来る経営状況にあるか、ということになりますかね。さらにもう少しその前提で言うと、「新サービス構築」という投資活動ができるか、というのもあります。
「じゃあそれってどういう状況?」という話になるわけですが、シンプルにお金必要だと思います。現状キャッシュがあるか、もしくはキャッシュが定期で入ってくる仕組みがあるか、ちょっとした外的環境の変化(わかりやすいのは不況)でグラつかないか。
やっぱりこの辺でビジネスモデルがすごく効いてきます。少額サブスクリプションによって相当数のユーザーを抱えてる会社ってホント強い。ちょっとした不況でユーザー数がちょっとくらい減ってもビクともしなかったりします。(コロナで見た)
(組織風土)お世話になる人がそんな経験を積んでる
最後に、これは組織というかお世話になるマネージャーの見極めもめちゃくちゃ大事なやつ。自分が仕事を振ってもらうその人が、同じように「新人だけど無茶振りチャレンジさせられた経験」をした人かどうか、です。
やはり人間背中を見て育つと言うか、自分がされた教育を下にしてしまいがちというか、「崖から突き落とされて這い上がる教育をされた人」はやっぱり「部下を崖から突き落として教育」します(個人的には良い意味で言っています)。「新人だけどやらせてみっか」というのをやってくれる可能性が高いわけです。
じゃあそういう人をどうやって見つけたらよいかと言うと、これは結構簡単で「新人のときにどんな無茶振りされましたか」みたいな直球の質問で大体わかります。ポイントは「ゲラゲラ笑いながら」大変だったエピソードを話す人かどうか、にあります。
笑いながら話すってことは、その人にとってその無茶振りはすでに乗り越えた過去の出来事であり、「大変だったけど後悔はしてない」という状態にあるわけで、だからこそその教育を自分の下の世代に自信を持って行えるという寸法です。
そんな素晴らしい居場所、あるの?
個人的な見解をツラツラ述べてみたわけですが、あるんですかね、こんな素晴らしい居場所。
個人的には、ある人にはどこにでもあるし、ない人にはきっとどこにもないんだと思います。
一応日本には法人というものは100万以上あるわけだし、「業界」にしたって「金融」だの「不動産」だの「人材」だのまとめるにはあまりにも枠が大きすぎて、実際にはまだ見ぬ未開拓の市場なんてのは死ぬほどありそうです。
まあお金があるかどうかはさすがに事実でわかるかと思いますが、その組織のマネージャーがチャレンジしてきた人かどうかなんて話は、そこら中の飲み屋で武勇伝として枚挙に暇がありません。
結局、今いるところがその条件に当てはまっているのかどうかすら、当の本人が気づけていないということもめちゃくちゃありそうです。そんなふうに考えている私ですので、「エンジニアのキャリアのテンプレ」を考えてみての記事は、こちらで締めたいと思います。
まずは手元の仕事、面白くして名刺にならないか、考えてみたら
ホントは弊社のCMでも最後にしようと思ったんですけどね、らしい感じに落としました。
おわり。
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