【HPAC 2006⇒2020 ②】
兵庫芸術文化センター管弦楽団(HPAC)の2シーズン目は、
2007年4月から2008年8月。
◎第9回定期演奏会
チャイコフスキー : 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー : ロココ風の主題による変奏曲
チャイコフスキー : 交響曲第5番
2007.4.6(金)
1階最前列でかぶりついて聴いたのは、14年のうちでこのときだけである。
緊張、した。。
べつに、オーケストラのメンバーから見られているわけでもない
と思いつつ、も。
交響曲第5番は、
バーンスタインの、このCDで“予習”をした。
曲もさることながら、ジャケットが好きだった。
燃える夕日のような。
そして、読めるわけもないミニチュアスコア(総譜)も買ったりして。
第4楽章の冒頭、弦楽器が奏でる音が本当に好きだった。
これからの人生で、何度チャイコフスキーの5番を聴くかわからないが、
いつもこの箇所で感動できる心を持っていたいと思う。
◎第10回定期演奏会
ピンチャー : オシリスに向かって
サン=サーンス : ヴァイオリン協奏曲第3番
ベルリオーズ : 幻想交響曲
初めての、幻想交響曲。
このホールができて間もない頃、
(・ボレロと)
・協奏交響曲
・幻想交響曲
というプログラムをやっていて、
5文字の曲名が二つ並ぶ、そのカッコよさに惚れていた。
そのとき、聴けなかっただけに、
「幻想交響曲」の響きに、
とてもワクワクしたことを覚えている。
たしか1階席の真ん中で聴いた、
その光景が今でも、目に浮かぶ。
◎第11回定期演奏会
ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第3番
シベリウス : 交響曲第2番
2007.9.7(金)
金曜日が夜公演だった時代。
昼間の公演が多い兵庫県立芸術文化センターであるが、
夜のホワイエは、ほんとうに美しい。
ラフマニノフの3番の協奏曲は、
とても音符の数が多いのだという。
当時はそこまで知る由もなかったけれど、熱い演奏だった。
シベリウスの2番。
交響曲をあれこれ聴くようになって、
わりと早いうちに好きになった曲だった。
オルガンのような響き。
シベリウスがイタリアで書きはじめたという交響曲を、
まだ行ったこともない、
フィンランドやイタリアの山々を思い浮かべながら、
そして祖父のことを思い浮かべながら、聴いた。
◎第16回定期演奏会
フォーレ : レクイエム
フランセ : 木管楽器のための四重協奏曲
ラヴェル : 「ダフニスとクロエ」組曲 第2番
2008.4.11(金)
急に半年もあいだが空いたのは、
大学受験があったからである。
受験が一段落し、
というか、予期せぬ浪人生活に入り、
とまどいの中にあった春。
ひさびさに聴いた演奏会。
フォーレのレクイエムの美しさ。
5年後にロンドンの教会でこの曲を聴くことになるとは、
このとき知る由もない。
もちろん、12年後の定期演奏会で聴くことも。
HPACメンバーがソリストを務めた四重協奏曲。
この5文字曲名もいい…
「ダフニスとクロエ」の“全員の踊り”が、
帰り道ずっと、頭の中を流れていた春の夜。