働かずに食う飯は、美味いか否か

　皆さん、こんにちは。明日から無職、木賃ふくよし(芸名)です。
　さて。インターネットミームの１つに、「働かずに食う飯はうまいか？」ってネタがあります。

　いわゆるニートを揶揄する言葉な訳ですが、明日から無職なワタクシにとっては、他人事ではございません。
　安全に当事者です。しかも、ニートを名乗れるのは34歳まで。もはやニートを名乗れる歳をひとまわりも過ぎたワタクシには、痛すぎる言葉です。

　働かずに食う飯はうまいか？

　いや、

　それ以前に、食う飯があるのか？

　貯金なし、仕事なし、手に職なし。自営業は倒産しても失業保険さえない。まったく、自営業なんてやるもんじゃねえな。
　そんな訳で、言わせてもらう。

　飯は食えるってだけで
　ありがたいし、
　うまいんだよ。

　「ご飯を残すんじゃありません！ 世の中には食べたくても食べられない人が沢山いるのよ！？」とか言いますが、「仕事をサボるんじゃありません！ 世の中には働きたくても働けない人だって沢山いるのよ！？」とも言えるんですよ。

　ギブミー仕事。

　ごめん。嘘ついた。働きたいか働きたくないかで言えば、可能なら、ワタクシは働きたくない。うん。働かずに食えるなら、その方がいいや。

　そう。飯を食うのも、腹一杯で苦しいって時には食いたくないのが普通。
　やりがいのある仕事でさえ、体調を崩してる時でも働きたい訳じゃなかろう。

　つまりは、意識の問題なのだ。

　働かなきゃならない状態だと、仕事に嫌気もさすし、食い切れないのに食えと言われても食えない。
　仕事も家庭も健康も充実してるなら、そりゃ飯だってうまくなる。
　引退した富裕層は働いてないけど、飯はうまいだろう。
　これを読んでる人だって子供時代には働いてなかっただろうけど、飯はうまかったはず。
　そりゃ、働いてない事に負い目を感じてたら、飯も不味くなる。
　支払い額が気になって仕方ない状態なら、どんなうまい飯だろうと気もそぞろだろう。

　要するに、美味さと仕事に因果関係はあるけど、直接の関係はない。そりゃ気持ちの浮き沈みで味覚も変わるだろうよ。高級なレストランだから美味く感じる事も、安いからこそ美味いと感じる事もある。その逆の然り。

　しかし、そして、つまり、働かずに食う飯と、働いて食う飯に差などない。飯は飯。うまい飯はうまい。まずい飯はまずい。答えは実にシンプルだ。
　
　「働かずに食う飯はうまいか？」と似たような言葉に、

　「他人の金で食う飯はうまいか？」

　ってのがある。

　同じだ。他人の奢りに引け目を感じたり、奢り主に引け目を感じてるなら、そりゃ飯だって不味くなる。
　自分の財布の心配をせずに食えるとなると、そりゃ飯も美味くなる。

　嫌いな上司と同席しなきゃならない状態なら味もしないだろう。
　嫌いな上司の財布に、少しでもダメージを与えられると思えれば、まさにメシウマ状態。
　好きな相手と過ごせるなら、不味い飯だって楽しく変化する。
　好きすぎたら、何の味もしないかも知れない。

　要は、働いていようといまいと、自分の金だろうが他人の金だろうが、

　うまいと感じたらうまい。
　まずいと感じたらまずい。

　強いて言うなら、

　「働かずに〜」
　とか、
　「他人の金で〜」
　とか、
　言いだす奴が
　飯を不味くする。

　要は、金だけ出せ、顔出すな、口出すな、って事ですわ。

　※ そんな訳で、この記事は無料ですが、ワタクシ相手に「働かずに食う飯はうまいか？ 他人の金で食う飯はうまいか？」ってマウントを取りたい人は、投げ銭(¥100)とかサポートをお願いします。
　この先には特に何も書かれてません。