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啓蒙漫画の危険


 皆さん、こんにちは。どんな思想でもいいけど、ウソは良くない。木賃ふくよし(芸名)です。
 さて。本日はTwitterで、妙ちくりんな漫画を読んでしまったので、それに関する話をココにまとめてみた。

 なお、この漫画が拡散されるのはワタクシの意に反するので、リンクは張らない。
 内容を簡単に説明すると、要するに今度適応されるインボイス制度が、全オタクの敵である。という内容の漫画だ。

 ここで先に申し上げておくが、ワタクシは誰がどんな思想や趣味であろうと、どんな政党を支持しようと、それは全く問題にしていない。そこは明確にしておこう。

 で。漫画の中ではインボイスが導入されると、クリエイターの収入が1割も減らされるらしいのである。
 ハッキリ言うが、コレは有り得ない。事実に反するので、その辺から訂正したい。コレも念のために言うが、ワタクシは24年ほど自営業をやっていた。なので、消費税に関する知識は最低限ある。

 で。かなり簡略化して言うが、個人事業主などで、年商1000万円以下は、消費税の納税を免除されていた。
 これが、インボイス制度導入によって、課税対象となるのである。インボイス制度そのものについての説明は主旨から外れるので割愛させてもらう。

 わかりやすく言えば、従来の年商1000万円以下も、納税対象となるケースがある事は事実である。

 ところがこの漫画、いきなり年商と年収を間違えているのだ。



 (´・Д・)」 年商と年収を間違えてる時点で、話が全部がおかしくなる。

 インボイス制度への賛否は、各自が自分で調べるなりして、好きに判断すればいいが、この漫画の内容は経理や税金システムを間違って紹介しているのである。

(´・Д・)」 この漫画の内容だと、漫画家や小説家、アニメーター、雑誌記者、グッズ製作者などが取り上げられているが、会社に所属して給料を受け取っている人間には関係のない話だ。
 あくまで年商1000万以下の事業主である。逆に言うと、大きな会社からでも、フリーランスとして報酬を受け取る場合は個人事業主扱いだ。

 で。これまで年商1000万以下の事業主は、消費税を納めていない。(なお、事業者としての話で、普通に商品を買う時には払ってる)

 なので例えば、同人誌の作家なら、今後は商品に「商品代」+「消費税」を乗せるだけで、10%が確保される。つまり、事業主の年収が減る訳ではない。以上終わり。

 (´・Д・)」 ほら。10%下がらない。


 無論、タバコ屋のように、値上がりでタバコを辞める人がいるから売上が下がるケースは想定される。つまり、ファンとして、商品代が10%上がるから反対とか、商品代が高くなって消費が冷え込むから反対ってのなら、間違いではない。

 下がるとするなら、そもそも1000万円以下の事業者が、これまで「消費税を取ってた」って事になる。要するに消費税なしで売ってたのに、消費税を上乗せしてた事になるのだ。
 だとすると、それは適切な言葉が見当たらないが、価格詐称なんだよな。

 ただ、これが単純に詐称かと言うとそうではない。ギリギリ年商1000万に達するかどうかわからないケースがあるため、消費税を乗せてたけど、1000万に満たなかったら、それは御目溢しの対象なのである。ややこしい。

 まぁ、この場合は「商品代」+「見込み消費税分」+「消費税」にすれば解決なんだけどね。


 ワタクシゃ自分がそうだったし、どっちかと言うとクリエイターや個人事業主側を応援したいが、詐称と言えば詐称である。前述のような払うつもりで上乗せしたのに、払わなくてよくなったケースなどを除き、税金を払ってないのに、税金を払ってるかのような価格を上乗せしたらダメだろうし、もう一回乗せるのも不誠実な気がする、って話で。
 現行の税法に反対かどうかは別の話として、現行法が正しいと思わないから払わないってのは違うと思うし。

 もっとも、フリーランスで1つの仕事を100万で請け負ってた人が、10%の値上げを実行するとなると、依頼者が激減したり、払い渋ったりして食いっぱぐれる可能性などはある。こーゆーのは深刻だと思う。

 また、相手が消費税を取れない零細である事を見越し、消費税込みで依頼するなんてややこしいケースもある。
 この場合、、、ううむ。主旨からズレてきた。話を戻そう。

 まあ、メリットとデメリットが、色んな形で存在する事はちゃんと説明すべきである。

 そんでもって、この漫画はやたらと消費税が悪で不公平って主張をしてくるのだが、これも色々と問題である。
 消費税を払うのが好きー♪ って人はそう多くないと思うが、いったい何年消費税を続けてると思ってるんだ? 本当にそれほどの悪法ならとっくに変更されてる。
 それに、消費税は、少なくとも、平等なのである。

 金持ちも貧乏人も等しく10%(軽減税率や免税対象などを除く)なので、平等だ。
 むしろ、何を買っても消費税がついて回る消費税の方が、高級な物をたくさん買う金持ちから多く税金を取れるシステムなのである。

 公平や平等を履き違えてる人は多いが、全員が10%ってのは、残念ながら金持ち優遇ではない。



 それに、ワタクシゃ貧乏だが、金持ちになりたいとは思ってるから、金持ちは損をすればいいんだ! なんて卑しい考えは持ちたくない。
 何故なら、誰かを損させて成り立つシステムは破綻を起こしやすく、損した奴がしゃぶりつくされたら、次のターゲットに集るだけだからだ。

 ここで税制について自説を述べるつもりはないが、冷静に考えて欲しい。

 毎月の生活費が100万の金持ちは消費税額10%で10万。
 10万円でホソボソ暮らしてる人の消費税額10%で1万。



 平等に同じ10%で、金持ちからは、より多く税金を取れる。そしてその税金は公共や福祉に回される。貧困層への支援にもなる。
 システムとしては悪くないはずだ。

 無論、月収10万の人間に1万円は厳しい金額だ。今の自分がそーゆー生活を送ってるから知ってる。
 確かに、人としての最低限な生活を送るのに、10%の消費税は厳しいとも。
 つまり、極貧層と金持ちにはあんまり優しくないのが消費税。
 逆に言えば、そこそこ貧乏から、そこそこ裕福までの大多数の中間層にとっては最も安全な税制と言える。

 それに、

 ワタクシゃむしろ、働く気力を削ぐ「所得税」が敵だと思うぜ。


 結局、毎日のように顔を突き合わせて、毎度支払ってる消費税が「身近」だから「敵」認識させやすいって事に過ぎない。
 それより、頑張って働いて稼いだ金額を削り取る「所得税」が労働者の心を萎えさせる。

 結局は金を回してナンボなので、社会制度的に、ガッポリ稼いだように思わせて、消費させる方が正しいと思うけどな。個人的には。

 それから、給付金的なシステムで還元しようって謳う人も多いが、金は動かすだけで目減りする。
 だったら最初から目減りしないように、吸い上げて返す無駄な工程を減らすべきだと思うんだがね。

 無論、これには金と人を動かして、雇用や需要を増やす意味合いもあるから無駄のすべてを否定してる訳ではない。


 おっと、またも話が大きく逸れてしまった。話を元に戻そう。

 それで、ちょいと、その漫画の作者のアカウントを見たんだが、何かどうにもキナ臭い。

 別にTwitter開始時期やフォロワーの数が証拠だと言うつもりはない。




 だが当たり前に考えて、最近始めたアカウントで、フォロワーも少ない。爆発的拡散する可能性の低いアカウントである事は間違いない。
 で。漫画の内容は、非常に説明臭く、誤解したのか年収と年商を間違えている。消費税は悪と断じて、結論ありきの構成だ。


 つまり、ミスリードの可能性もある。


 しまい目には、政治批判(与党批判)と、何故か特定政治家へのリンクだ。


 別にワタクシゃ、日本やワタクシの暮らしがよくなるなら、誰が総理だって構やしない。最初に言った通り、誰がどんな思想でも自由だと思う。

 だが、オタクが票になるから、と新しい票田をミスリードで持って行こうと言うなら、少しばかり、やり口が気に入らない。


 何しろインボイス制度はもう決定している。しばらくは変えられない。本当に問題なら、法案の時点で反対しとけって話だ。
 そして、何故か不思議と選挙が近い。ふむ?

 (´・∀・)」 なぁ~んか
 臭うんだよなぁ~?



 まあ、この辺は、ミステリーやスパイ小説が大好きなワタクシの、ゲスな勘繰りだと笑ってくれていい。
 ワタクシは陰謀論者は大嫌いだが、陰謀論は好きなんだ。
 そして陰謀ってのは、世界を操作なんかしてない。できないからだ。だから、ちょっとした印象を操作するんだ。

 (´・Д・)」 さて。長くなったけど、ワタクシゃクリエイターは応援したい。インボイスはどっちでもいい。消費税自体には賛成だ。だが、そんな事はどうでもいい。

 皆さんが、ワタクシやこの漫画をどう思おうと、ワタクシは一切、それを咎めない。
 ただ、わざとなのか、誤解なのか、年商と年収を間違えている。それは大きな差だ。

 簡単に言うと、家賃光熱費10万円、人件費・原材料費50万、事業主の利益30万だとするなら、90万円×12ヶ月で、年商は1,000万越えだ。
 普通に従業員が2~3人いたら、まず超える金額。
 しかし、事業主の年収は360万だ。ここから10%が引かれる。手取り320万円。
 雑な例で申し訳ないが、年商と年収と手取りがコレだけ違う。この説明が間違っているだけで話が大きく変わる。
 飲食店なら家賃はもっと上がるだろうし、人手が必要な業種なら人件費は上がる。色んな業者があるから簡単には言えない。

 消費税やインボイス制度の何が良くて、何が悪いかは御自分で判断していただきたい。

 (´・Д・)」 あなたがどの政党を支持しようと、どの政策に反対しようと自由だ。
 だが、この漫画のような「間違い」を拡散する事は、どうか辞めていただきたい。
 ワタクシの願うところはそれだけだ。

 ※ この記事はすべて無料ですが、ワタクシはこの記事を書くことで食っていこうとしてる人間なので、投げ銭(¥100)をお願いします。
 なお、この先には大したことは書かれてません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。