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ゆっくり茶番劇で考える権利
皆さん、こんにちは。
ゆっくり
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てな訳で、木賃ふくよし(芸名)です。
さて。ゆっくり茶番劇の騒動がひと段落ついたようで、そろそろ話題にしてもいい気がしてきました。ィャ、時事ネタが嫌いなので、あんまり取り上げたくはなかったんですが。ええ。
まず、概要から説明すると、ネット上で、動画作成のフォーマットとして人気のコンテンツ「ゆっくり茶番劇」と言うものがあった。
多くの人がネタとして使用するため、半ばパブリック・ドメインと化している状態である。
※ パブリック・ドメイン。著作物や発明について、著作権などの知的財産権が発生しておらず、誰でも利用できる状態を示す。
わかりやすい例で言うと、クラシック曲などの多くは著作者の死後70年が経過しているため、誰でも自由に使って良い。ただし、著作隣接権と言うものがあり、曲がパブリック・ドメインであっても、CDを制作した会社や、演奏者に権利があったりする。
そして、この「ゆっくり茶番劇」が、知らないうちに「商標登録」されてしまっていたのだ。
それも、原作者に該当するであろう人物や、その発展に貢献したであろう会社とは何の関係もないと見られる第三者が権利を有する事となったのである。
もう、この辺について詳しくは、自分で勝手に調べてくれ。今回の本題はそこじゃないんで。
今回の件を、ゆっくり茶番劇に興味がない人にわかりやすく説明しよう。まあ、実を言うとワタクシもゆっくり茶番劇に興味はないんですが。ええ。
※ ゆっくり解説とかゆっくり実況はそれなりに観た事あるけど、ゆっくり茶番劇はその存在さえ知らなかった。
さて。TVやネットで誰しもが一度は見た事があるであろう、
熱盛
このフレーズやロゴはネットで多くの人のオモチャと化している。ある日、コレが商標登録され、勝手に使った人が利用料金を請求されちゃう。そーゆー事態が起きたのである。
(´°Д°)」 迂闊に熱盛って
言ったらお金を取られる!?
しかし、この「熱盛」に関しては、テレビ朝日「報道ステーション」のスポーツコーナーが出典である。
コレに関して、テレビ朝日が商標を登録、権利を主張するのは当然なのだ。
が、今回は様相が違う。
テレビ朝日でも、発案者でも、ロゴを作った人でも、声を当てた人でも、ってかそもそも何の関係もない人が、
(´・∀・)」 商標登録されてないので、権利を獲得しましたぁー!
ってコトなのである。そりゃ揉めるわな。
しかも、担当者がスポーツにもネットにも疎かったため、登録申請を受理してしまったのである。
※ 何でもかんでも登録できる訳ではない。誰でも使う「一般名詞」などは当然の事ながら受理されない。
ちなみに、「熱盛」はそう言った事がないように、2017年に商標登録され、公式グッズが販売されるようになった。
使用に関しては、自らが「熱盛」を銘打ったグッズを制作・販売などしない限りは許容されている模様。
しかし、この「ゆっくり茶番劇」は、一個人が権利を有してしまったのである。
これを引鉄とし、界隈が荒れに荒れ、原作者や関係者が動き、登録は破棄され、「ゆっくり茶番劇」が今後、悪用されないよう、大手が権利を獲得し、その公共性を保証した。これにて一件落着という訳である。
ただまあ、この手の事件は今回に始まった事ではない。20年ほど前から、同様の「のまネコ騒動」や「ギコ猫騒動」はあった。そーゆー輩は後を絶たないのである。
ここで問題となるのが、登録者が犯罪者かどうか、という事だ。
ワタクシはこの登録者を擁護する気は一切ないが、それでもハッキリと言う。
登録は犯罪ではない。
単に制度を悪用しただけである。残念ながら法は完璧ではなく、その抜け目を利用する人間は必ず出てくるのだ。大いにモラルを問われる部分はあるだろうが、犯罪ではないと断言できる。昨今、話題となっている転売ヤーと同じ。褒められた行為ではないが、犯罪ではない。
例えば、まったく「ゆっくり茶番劇」の存在を知らない人間が、偶然にもゆっくり茶番劇と言う名前を思いつき、その名前を登録申請、受理された。
この場合、先に申請をした方が権利を有するのが法なのである。基本的に、権利者を守るための法なので、残念ながら、「ちゃんと申請してなかった方が悪い」のが法なのだ。
まぁ今回は明確に原作者と言える人間がおり、その公共性が認められ、権利者が取り下げを行なったため、事なきを得たが、法的には何ら犯罪を犯した訳ではない。
平たく言えば、「ライブドアのフジテレビ買収騒動」や「村上ファンドの阪神買収騒動」と形は似ている。
「鍵を掛けてなかったら、泥棒に入られた」と言うと、泥棒は犯罪だが、
花見の場所取りに朝一番に来たものの、御座も敷かず、無人の状態にしておいて、
(´°Д°)」 取った場所を奪われた!
と言うようなモノなのである。残念ながら、法的にはそう解釈せざるを得ない。
今回は、「この人が朝一番に確保してるのを見たよ!」と言ってくれる証言者が沢山いたので権利が戻ったという所だろう。
まあ、本件に関して原作者らが、登録者を民事で訴えて追撃を加える事は可能だろうが、それで勝訴したところで、存在するのは裁判の結果による勝者と敗者であり、犯罪者ではない。
こんな風に書くと、登録者を擁護してるのか! と憤る人は出てくるだろうが、ワタクシにそんなつもりはない。
実際、そんな事は絶対に有り得ないだろうが、前述のように「ゆっくり茶番劇」を知らない人が、偶然「ゆっくり茶番劇」というフレーズを思いつき、商標登録したら、周囲から「それは許されない!」と袋叩きにあった可能性がゼロではない、と言いたいだけである。いや、限りなくゼロに近いとは思うが。
※ ちなみに今回は違うだろうが、こーゆー事件は実在する。
わかりやすい話、無実であろうと、何万人もの人間が「コイツが犯人です!」と指を差し、口裏を合わせて状況証拠を作り、見てもいないのに「コイツが犯行に及ぶ所を見ました!」と口々に証言し、それで冤罪が作られる可能性を危惧しているだけである。
なお、今回の騒動を通じて、感じたのは危機感だけではない。むしろ、著作権や商標の未来を見た気がしている。
本来、著作権や商標は権利者を守るためのものである、と言う事に異論を挟む人間は少ないだろう。
だが、本来あるべき権利者が困窮していない前提で、権利者は利用者のためを思い、利益を独占せず、法や社会が権利者だけでなく、利用者のためにも動いて結果を出した、という点は、悲観するどころか喜ばしい出来事だと思う次第だ。
ちなみに、不二家で有名な桃果肉ジュースのネクターだが、実は「ネクター」の商標を有しているのは森永製菓だったりする。
(´・Д・)」 えっ? じゃあ、不二家ネクターが売れるたびに、森永製菓に金が入ってるの!?
と、お思いの方もいるだろうが、実は違う。
なんと、森永は業界発展のため、ネクターの商標運営を一般社団法人日本果汁協会に一任しており、ほぼパブリック・ドメインのような状態でネクターを名乗ることが出来るのだ。
※ ただし、ネクターを名乗るには果肉使用率などの一定基準を満たす必要がある。
しかも、森永製菓がネクターの商標を登録したのが1960年。60年以上前の話である。
正確に準パブリック・ドメイン化したのは何年かはわからないが、知的財産を共有するという理念が昔からあった、という事は明記しておきたい。
なお、情報ソースを確定する事は出来なかったが、森永がうっかりして、ネクターの商標期限を切らせてしまった事があるらしい。(商標の期限は10年)
これに気付いた料飲メーカーは多数いたらしいが、ネクターの商標を獲得するチャンスだったにも関わらず、
(´∀`) ネクターは
みんなのモノだからね!
と権利ゴロに走らなかったと言う。
いい話だね!
※ 情報ソースが確定出来てないのでデマかも知れんけど。
(´・Д・)」 ちなみに、森永がネクターを商標登録したのは1960年だが、商品はそれより後に発売している。
要するに、誰かに先を越されないよう、手だけは先に打っておく。商売も権利も商標も、社会とはそーゆーモノなのである。
例えば、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといえば日本を代表するRPGだが、パクリ商品防止のため、
ドラゴンファンタジーやファイナルクエスト
なんて名前も商標登録してあったりする。
その中で、ワタクシが相当感心したのは、
4017という登録商標だ。
コレはちなみに、とある有名会社の社名の盗用防止対策なのだが、おわかりになる諸兄はいるだろうか。
答えは、
ライオン株式会社である。
なんで? と思うかも知れないが、ライオンはアルファベットにすると、LIONだ。
コレだけではわかりにくいが、Lionと小文字を使い、上下を反転↕︎させると、
4017
の8セグになる。
L↕︎7 I↕︎ O↕︎0 n↕︎4
(´・Д・)」 知財で儲けたり、知財を守る人らは、やっぱり頭イイわ。
※ なお、この話もソースが確認できなかったので、デマの可能性はある。
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なお、この先にはスパイ小説好きであるワタクシによる、今回のゆっくり茶番劇の邪推が書かれている。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。