ボードゲーム制作の7ステップ解説。ヒアリングから納品まで
ボードゲームデザイナーのミヤザキです。
「ボードゲームをつくってほしい!」とお話をいただいて打ち合わせに入るたびに、僕のなかで「これ前にも話したな」と思うケースが増えてきました。それは全然わるいことではなくて、むしろどんなお客さまでもこのポイントが気になるんだなというのが分かってきたという感じです。
それがタイトルの「ボードゲーム制作のステップ」です。皆様、ボードゲームを作りたいという気持ちがあっても、それがどういうふうに作られていくのかがわからないと、「本当に頼んでも大丈夫なのか?」と考えられるようです。そりゃそうだろうなと思います。謎ですよね。
そこで本noteでは、僕らWAZA gamesが法人様から依頼を受けてボードゲーム制作を行うときのステップをお話したいと思います。ちょっと気になっていたんだけど、どんなものだかわからなくて声かけるのためらってた、という方に読んでもらえたらうれしいです。
テーマを決めるヒアリング
ボードゲーム制作は、いろんなお話を聞かせていただくヒアリングの時間から始まります。
なぜゲームをつくりたいのか、どんなゲームをつくりたいのか、メッセージはなんなのか…などなど。一緒に、ゲームの企画書をつくっていくイメージです。
中でも大事なのは、「なぜゲームをつくりたいのか」というポイントです。
「なにか一緒にやりたくて」と声をかけていただけるのは本当にうれしいのですが、「なぜ」がないと、楽しげでも結局長続きしない、というのが1年間の活動で得られた僕らの学びです。
もちろん、ヒアリング段階で「これ、ゲーム作らなくてもいいかもしれませんね」となれば、それはそれでOKです。
ゲーム概要の提案
ヒアリングが済んだら、こちら側で「それならこんなゲームがアリかもしれませんね」という提案を複数します。
この時点ではまだ詳しいルールやデザインはありません。ただ、どんなテーマのゲームなのか、どんな体験ができるのかといったコアな部分は分かるようにします。
その中に「これはいいね」というものがあれば、次のステップに進みます。「うーん…」とピンとくるものがなかったら、ヒアリングに戻ります。
プロトタイプ作成
概要をお知らせして、いいねとなる企画が決まったら、それをゲームに落とし込みます。ボードゲームデザイナーの腕の見せ所です。
出来上がったら、紙で手作りしたプロトタイプとルールブックをお持ちしますので、実際のゲームの動きを見てもらいます。この時点ではアラが多いと思います。あくまでゲームでの体験を理解してもらう段階だからです。
それでも、「どうやら良さそうだぞ」となったら、さらに精度をあげるステップに移ります。
テストプレイ
お見せしたプロトタイプをブラッシュアップします。カードの枚数や、数値があるゲームであればそのバランス調整などをして、実際のゲームを仕上げていきます。
できあがったら、できれば企画にまったく関係ない人に遊んでみてもらいます。ここまで来ていると担当の方と我々はもう共同制作者になっていますから、自分達でつくったゲームを冷静に見られていない可能性があるからです。
テストプレイでゲームが磨き上がったら、いよいよ本番のゲーム制作に入っていきます。
仕様の決定
テストプレイで決まったカードの枚数などに加えて、デザインのイメージなどをすり合わせていきます。
このあたりで、印刷代などの制作実費の予算もわかってくると思います。カードだけといったシンプルさであれば安く、オリジナルなコマをつくるなど豪華であるほど高くなっていきます。少なくとも、とてつもなく豪華なものを大量に作るなどでなければ、「1千万かかります!」みたいなことにはならないです。
デザイン(コンポーネント・ルールブック・パッケージ)
仕様が決まったら、ゲームの見た目をつくっていきます。ここでは特にやっていただくことはありませんが、できあがったもののチェックをお願いします。
ためしに印刷してみて、それで遊んでみたりもします。本番の印刷により近いテストプレイです。意外と、ここでルールのいいアイデアが出てきたりもしますので、その時はルールブックに反映していきます。
入稿~納品
デザインが仕上がったら、印刷所への入稿データを作成して、印刷をかけてもらいます。
本番印刷の前に、テスト印刷を挟むこともあります。仮に1000部刷って、あとから直したいところが見つかった!となると困るからです。テスト版で最終チェックです。
それが終わったら本印刷をかけて、納品です。
以上です。ありがとうございました。アナログなモノをつくるという性質上、お会いしての打ち合わせが多めかもしれません。ただ、会うときは遊ぶときなので、いつも楽しさあふれる時間になりますよ。
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読んでいただき、ありがとうございます!