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[講習会レポート] ナラティヴ・アプローチと「場末のラーメン屋」の関係
2021年3月19〜20日 第9回 ナラティヴ・コロキウム@ZOOMに参加してきました。構成は、講義・ワークショップ・シンポジウムです。わたしは一部のみの参加でしたが、80名ほど集まっていました。
オンラインゆえ顔ぶれがよく分かりませんでしたが、質疑応答内容を聴くに、医療・心理畑の方が多そうな印象。
タイムテーブル
3月19日(金)19:30~21:30
白木孝二先生(Nagoya Connect & Share)
講習会「ダイアローグのその先」
3月20日(土)9:00~11:00
堀有伸先生(ほりメンタルクリニック)
竹田伸也先生(鳥取大学)
ワークショップ「 コミュニティと生きづらさ」
12:00~14:00
岸本寛史先生(静岡県立総合病院緩和医療科)
講習会「語り・夢・イメージ」
14:30~17:30
「ナラコロ的事例検討会」
見どころ
個人的な見どころは、ナラコロ的事例検討会。ケースの個人情報を含まない範囲で、振り返りたいと思います。
コメンテーターは医療・心理分野の方々から構成され、うち一人は、臨床心理士の信田さよ子氏。「われわれは医療ではない」という趣旨の発言を繰り返しされていたのが、印象的でした。
しかし、壁をつくりながら話すかのように思えた信田氏も含め、会場が唯一、共感で繋がった一コマがありました。それは、ナラティヴ・アプローチ実践の場は、「場末のラーメン屋」的だということです。
繁華街から離れ、ひっそりと開店しているイメージは、ナラティヴ・アプローチが医療等で少数派の立ち位置に有ることから、ピッタリでした。
そもそも、ナラティヴ・アプローチとは
“物語” で問題解決をはかるのが、ナラティヴ・アプローチの特徴です。
“語り手と聞き手が語りを通して相互に影響しあい、ストーリーが変わっていくことで、考え方や課題を変えていくという手法”
――LITALICOより
もともとは医療福祉領域から始まりましたが、今ではその意味合いを拡張しながら、ビジネス全般に広まってきています。
ただ、物語を基軸にしたアプローチには、盲点もあります。メタファー(暗喩)を積み重ねて世界をつくっていく行為は、独善に陥りやすいのです。
専門家同士の繋がりを
物語を扱う専門家達が罠にはまらないためには、意見交換が必要ではないかと思います。それは、新たな風が吹き込み、話者の物語が変容していくような場となるでしょう。
質疑応答の機会を頂き、回答してくださった方の誠実なぶっちゃけトークに笑いながら、そんなことを考えた会合でした。