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『せりふの構造』読書ノート5:本の読み方と中途で読みを止めること
本の読み方、どうしてますか?
保坂は、けっこうガチな読書会に参加しているので、読書内容の把握のスピードアップと正確性にちょっと悩んでます。
せりふの構造には、三つの試していることがあります。
・書き込み付きの古本を読む
前所有者の鉛筆線引きつきを読んでます。
・蛍光ペンで線を引く。
要約するには、これが自分に合っている気がする。
・蛍光ペンをもとに、読書ノートにまとめる
線引きとメモをわけることで、読書の波にのりやすくなった。
って書いておいて、なんなのですが、後半は読みにくい。
ぜんぜん、頭に入ってこない。
正直、保坂は写真と演劇の関係性を見たいので、ディアローグや沈黙の興味は薄いのです。
本の途中で申し訳ないですが、『せりふの構造』の読書ノートはこれで終わります。
これもまた、保坂の本の読み方です。
『せりふの構造』読書ノート5
第四章モノローグからディアローグへ
・「対話的なものは、・・・相互に人間が向かい合う態度である」ブーバー
・従って、この観点に立てば、モノローグのなかで用いられてる森羅万象への「呼びかけ」は、真にお対話的なものである。
・ブーバーが人の精神的態度のなかに見た本質を、われわれは言葉の実質のなかに求めていく。
1.ディアローグの意味的構造
・ムカジョフスキーによれば、「独白的な発話と異なり、対話的な発話においては、複数の、少なくとも二つの文脈が相互に浸透し合い、融けあう。」まず対話における意味論的統一は話題によって与えられる。しかし同一の話題を語りつつ、人々は立場を異にし、意見を異にする。一人ひとりの参加者がそれぞれの自分の文脈を持っているわけである。この文脈が対立的な場合には、「一人ひとりの言葉のやりとりのたびに、極めて鮮明な形で意味論的な方向転換がなされていることになる」つまりムカジョフスキーの考えているのは文脈の交替、言いかえれば立場の対照性の現象に他ならない。
・(クラマー)かれの見地に立てば、一つの話題の口火を切ることは、対話の場に、その話題に解決を与えなくてはならないという緊張を生み出し、この緊張が続くかぎり、対話はその解決への方向を辿ることになる。
2.会話と議論
・クラマーとムカジョフスキーの対話論は、それぞれ対話の内在的構造を論じつつ、一点において対立する概念を示していた。
・われわれはディアローグの基本類型として会話と議論の二つを示すことにしたい。会話とは、ムカジョフスキーが述べていたように、とりとめのないおしゃべりであり、議論とはクラマーの考えていたような対話、すなわち、ある問題の解決を求めて進むやりとりである。
・ムカジョフスキーの「会話」は「対話のパラグラフ」よりも大きなまとまりを指している
・「議論」とは「対話のパラグラフ」より大きなまとまりにおいて、一つの議題をめぐって展開していく対話である。
・この大きなまとまりとしてのディアローグは、現実の劇作品に即して見れば、劇構成の単位としての「場」と一致することが多い。
・議論と会話という対概念は、作品の構造と相関的なものであるから、戯曲の構造論の上で多くの論点の解明に資する理論的可能性をはらんでいる。
3.ディアローグとディアレクティーク
・対話とは、相互の利害の対立を乗り越えて、一つの和解点に到達するための方法に他ならない。このような対話(ディアローグ)の概念は、正反の対立を止揚して合をうる弁証法(ディアレクティーク)の概念とかわらない。
・演劇のディアローグはディアレクティークと無縁である。
・ディアローグが弁証法的綜合の可能性をもたないものであるならば、膠着した対立はどのようにして解決されるのか、が問題となろう。
・・・当事者間のディアローグによる和解の不可能性である。しかし、ディアローグが劇作の上で最も基本的な手法であることを考えれば、この事実は「和解を主題とする劇」を極めて困難な状況のなかに置くであろう。
>和解を主題とする劇=ブレヒト演劇?リアリズム演劇?
4.ディアローグと芸術的意図
・意味論的もしくは論理的な構造の上で、特に議論型のディアローグが現実の対話と異なり弁証法的綜合の可能性を持っていない。
<申し訳ないです。ここで赦してください。>
5.言葉と心の空間
6.言葉と空間の対応
7.現実としての言葉
第5章 沈黙とパロール
序 演劇と沈黙
1 図柄の反転
2 沈黙と間
3 身振りと言葉
4 劇場の沈黙と世界の沈黙
結論 言語芸術としての演劇
1 台詞の構造――自然と約束事
2 台詞の類型――状況のゲシュタルト性
2022/08/29 23:01