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写真とポップアートへ:テレビジョンの想像力を補助線に
虚像培養芸術論を読み終わり、一気に書き上げてます。
いやー2021年上半期ベストの一冊でした。
1960-70に前衛芸術家≒現代アーティストは大衆芸術≒マスメディア≒いいねやバズりを目指します。
当時のマスメディアの王様が“テレビジョン”。
テレビの想像力が当時のアートシーンを支配してた、という本です。
その後、1970年大阪万博に幻滅した前衛芸術家は、マーシャル・マクルーハンに向かいます。
これを写真史に例えると、土門拳の社会主義的リアリズムから、コンポラ写真をこえて、VIVOと森山大道の写真をさようなら≒ディスカバージャパン、中平卓馬の植物図鑑と同時代な訳です。
見事に社会空気が一致していて面白いです。
この本で重要なキーとなる人が、「東野芳明」という時代を代表する美術評論家です。
東野氏は日本に“ポップアート”を積極的に紹介した人です。
著者の松井茂さんによると、東野氏は「ポップアートを、テレビジョンに対する美術界の応答である、とメディア論的に紹介した。」と指摘しています。
2021年、写真と現代アートが地続きになってますが、過去に写真とポップアートの出会いがあったというのは、保坂的に全くノーマークでした。
と言うことで、改めて椹木野衣「反アート入門」に続きます。
写真のぺらぺらさ、自分のぺらぺらさ、を見つめようと思い、虚像培養芸術論を読み始めましたが、そこに「テレビジョン」という広大な世界を見つけてしまいました。
自分のベースはマンガやアニメ、ゲームであるというアーティストステートメントに直結する世界です。
#Clubhouse をやってるモラトリアムな写真家と自分のことを考えていましたが、かなり勇気づけられてます。