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絡まり合う生命第12章前編:記号論のよりみち

奥野克巳の『絡まり合う生命:人間を超えた人類学』の第4部「ライフ」第12章考える森 p254-290
がエドゥアルド・コーンの記号論をやさしく書いているので、予習として読む。この章は、もともと「『森は考える』を考える」として現代思想誌などで発表されたものだ。

・思考の脱植民地化のために
パース記号過程「何かが誰かにとって何かを表すこと」

記号あるいは表意体とは、ある人にとって、ある観点もしくはある能力においてなんらかの代わりをするものである。記号はだれかに話しかける、つまりその人の心の中に、等値的な記号、あるいはさらに発展した記号を作り出す。
パース1986:2

>誰かとは人間に限らない
ウーリーモンキー= ヤシの木が倒れる音/“記号”に危険を感じて飛び退くことで生きながらえる。
ウーリーモンキー= “記号”を解釈し「思考」していた生命
ウーリーモンキー= 「生命」=“記号”過程の産物あるいは結果
ウーリーモンキー= 精神を持つ「自己」=人間と同じ

・不在
パースの記号論=イコン/インデックス/象徴(シンボル)
イコン= 類似に基づく記号=カメレオンの擬態
インデックス= 指標的な記号=風にたなびく旗
象徴= 対象に恣意的に結びつけられる規約的な記号=指輪が結婚の合意

コーンの記号論=全て「不在」“ない”に関わっている=イコン/インデックス/象徴(シンボル)
不在= 構成的不在を含む在
不在= 何もない不在の空間がフラスコを形作る。
不在= スポークの空洞が車輪を有用なものにしている。
不在= 穴がドーナツを作り出している。
イコン= 差異に気づかれることが“ない”
= 差異に気づかないという不在
インデックス= いまだ存在してい“ない”ものについての予言
= いまだ存在しない不在の未来の予告
象徴= 規約に基づく記号(違う違うそうじゃ“ない”)
= 発話された語の意味は、発話において不在になっているものによって生み出される

ディーコンの記号論

子供が言葉を書けるようになると、マークのアイコニック解釈に代わって、画像や音声と一定の規則で対応するインデクシカルな解釈で書くようになり、ついにはシンボリックな意味解釈をする。
ディーコン1999:69
これは、アイコニック・レファレンスに依存してインデクシカル・レファレンスがあり、インデクシカル・レファレンスに依存してシンボリックレファレンスがあるという階層である。
ディーコン1999:70

コーンの記号論を奥野がまとめる

差異に気がつかないという「不在」よって(イコン性)、未来の「不在」に向けて(インデックス性)、ほかの多くの「不在」の関係によって(象徴性)、記号過程は作動する。そのプロセスの中に、思考が現れ、自己が生み出される。それが、諸自己の生態学の主要胴体である。「生ある自己(living self)」とは、精神を持ち、思考する存在者のことであり、それは人間と人外とを問わずあらゆる有機体を含んでる。
奥野2022:261

疲れたから、今日の朝活はここまで
2022/06/14 8:39

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