【緊急寄稿】ロシア・ウクライナ侵攻からの気づき(6)―戦争犯罪に向き合う世界の行方と日本の役割 (柳澤協二氏)
■戦争犯罪をめぐって
私はいま、ウクライナ戦争が始まって以来、最も落ち込んでいます。ロシア軍が撤退したキーウ(キエフ)近郊の街で、多数の民間人の殺害が明らかになったからです。
実に正視に耐えない情景です。東京大空襲や被爆後の広島の情景と重なってしまいます。なぜ人間が、同じ人間に対してこうも残虐になれるのか。戦争や弾圧による犠牲と、自然災害の犠牲の違いはそこにあるのだと思います。いかなる正義があろうとも、自らの正義を満足させるために数万人の命を顧みない人々に、あらためて憤