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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
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#構造主義

アクターネットワーク理論を意味分節理論で読む 〜記述の可能性を発生させる非同非異の媒介子

ここ数年、井筒俊彦氏の著作を日常的に読んでいるためか、近頃ではなんでも意味分節理論として読める。アクターネットワーク理論もまた意味分節理論として読める。 * 「として読む」などというと、なにやら曲解、誤解、誤読、事実のねじ曲げ、捏造、偽造、詐欺などなど、要するにマナー違反やルール違反、犯罪スレスレのことをしているというふうに捉えられることがある。確かに、その通りの場合もあるし、そうでもない場合も稀にある。 として読む ー正しい読みと正しくない読み「として読む」が妙な感じ

感覚的経験的区別の間に過度な分離と結合の往復を引き起こして、マンダラ状の四項関係を描く -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(73_『神話論理3 食卓作法の起源』-24,M444 天体の妻たち)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第73回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第四部「お手本のような少女たち」の「IIヤマアラシの教え」を読みます。 これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 はじめにレヴィ=ストロース氏の「神話の論理」を、空海が『吽字義』に記しているような二重の四項関係(八項関係)のマンダラ状のものとして、いや、マンダラ状のパタ

【*】深層の「心」をチューニングして、コトバ(意味)のはじまりと共鳴する -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(64_『神話論理3 食卓作法の起源』-15)

(本記事は無料で最後まで立ち読みできます) クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第64回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第三部「カヌーに乗った月と太陽の旅」を読みます。 これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の試みは、レヴィ=ストロース氏による『神話論理』を、レヴィ=ストロース氏がはっきりと明示して書かれていないことまで好き勝手に

¥610

太陽のカヌーにのる -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(63_『神話論理3 食卓作法の起源』-14,M405 太陽のカヌー)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第63回目です。今回から『神話論理3 食卓作法の起源』の第三部「カヌーに乗った月と太陽の旅」を読みます。 * ここしばらく中沢新一氏の『精神の考古学』を取り上げてきましたが、『神話論理』の方も黙々と読んでいるのであります。 『神話論理』を読む。これまでの記事は下記にてまとめて読むことができますが、これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 神話論理ー経験的区別を概念の道

¥398

執着の源である”言語”を「心の解放」のために転用する -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(3)

中沢新一氏の『精神の考古学』を引き続き読む。 『精神の考古学』 第五部「跳躍(トゥガル)」の冒頭、中沢氏は師匠から授けられた言葉を紹介する。 ベスコープというのは映画のことである。映画を見るのはとても楽しい体験である。感情を喚起され、いろいろなことを考えさせられる貴重な機会である。 中沢氏がネパールでチベット人の先生のもとで取り組んだ修行にも、「光の運動をみる」ヨーガが含まれている。このヨーガで光が見えることと映画を見ることとは、視覚が動くという点ではよく似た体験である

鶴の恩返し?!「神話」から神話の外へ -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(62_『神話論理3 食卓作法の起源』-13)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第62回目です。これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 鶴の恩返しの八項関係一年生になったばかりの下の子が、学校で「鶴の恩返し」のお話しを聞いてきたという。 そして次のように尋ねてきた。 ん? わたしに聞くと、ちょっと、話、長くなるよ? どうして見ちゃいけないというのか? どうして見られたら逃げるのか? こ

神話の「構造」はダイナミックで生成的である -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(61_『神話論理3 食卓作法の起源』-12)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第61回目です。これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 ちょうど中沢新一氏によるレヴィ=ストロース論『構造の奥』を読んでいるところ、ということで、今回の『神話論理』精読は、「構造」にフォーカスしてみよう。 神話の論理をどのようにモデル化するかこれを書いているわたしがレヴィ=ストロースを読み、わたしなりの読みの補助

中沢新一著『構造の奥』を読む・・・構造主義と仏教/二元論の超克/二辺を離れる

(本記事は無料で全文立ち読みできます) 中沢新一氏の2024年の新著『構造の奥 レヴィ=ストロース論』を読む。 ところで。 しばらく前からちょうど同じ中沢氏の『精神の考古学』を読んでいる途中であった。 さらにこの2年ほど取り組んでいるレヴィ=ストロース氏の『神話論理』を深層意味論で読むのも途中である。 あれこれ途中でありますが、ぜんぶ同じところに向かって、というか、向かっているわけではなくすでに着いているというか、最初から居るというか。 ようは同じ話なのであります。

¥510

「三枚のお札」と「かぐや姫」は同じ話?! -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(58_『神話論理3 食卓作法の起源』-9)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第58回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 まさかそんな「三枚のお札」と「かぐや姫」は"同じ話"である。 まさか、そんなはずないだろう! またいい加減なことを書いている! と憤慨される向きもあるだろうが、ところがまさか、神話論理という観点からすれば、この二つは「同じ」なのである。 もちろん、かぐ

マニ教の創世神話を深層意味論で読む

「深層意味論で読む」シリーズの第三弾! 今回は青木健氏の2010年の著書『マニ教』を深層意味論で読みます。 「マニ教と言えば二元論」と、たしか中学生の頃に丸暗記したような記憶があるが、一体、何と何がどう関係して二元なのかは不明なままであった。そして「あれから40年」いや30年くらいを経て、この『マニ教』を手に取ったのである。 マニ教は西暦3世紀の西アジアで生まれた宗教である。キリスト教の文献ではキリスト教会の敵役として登場することが多い。 マニ教の開祖の名はマーニー・ハ

猿かに合戦で月を生成する深層の”心” -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(57_『神話論理3 食卓作法の起源』-8)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第57回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 分離すべきところを結合し、結合すべきところを分離することと、親族構造の起源 前回の記事の最後にレヴィ=ストロース氏の友人であるジャック・ラカンの『精神分析の四基本概念』に記された一節を紹介した。 陰/陽、火/水、寒/暖、男/女といった”経験的で感覚的な区

カエルの跳躍で、観念のもつれをほどく -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(55_『神話論理3 食卓作法の起源』-6)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第55回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 観念はどのように相互作用するかグレゴリー・ベイトソンが『精神の生態学へ』の冒頭に書いている、ひとつの問い。 「観念はどのように相互作用するのか」 この問いは、もう何年も、わたしを捕らえて離さない。 観念がどのように相互作用するか。 これは切実な大問題だと

籠と縄 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(54_『神話論理3 食卓作法の起源』-5,M374aヒキガエル)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第54回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 すでにある実体を組み合わせるのではなく『神話論理3 食卓作法の起源』の冒頭、レヴィ=ストロース氏は次のように、同書の主題を示している。 空間的な対立と、時間的な対立。 今回はこの違いについて考えてみよう。 まず『神話論理3 食卓作法の起源』の60ページ

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超感覚的世界を感覚するための器官としての言語の神話論理モード -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(53_『神話論理3 食卓作法の起源』-4,M364転がる頭)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第53回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 経験的区別を概念の道具にして 抽象的観念を抽出レヴィ=ストロース氏は『神話論理』の第一冊目『神話論理1 生のものと火を通したもの』の冒頭で次のように書いている。 『神話論理』を読んでいるうちに迷子になってしまったら、この冒頭の一節に立ち戻るといい。 *

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