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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
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2021年5月の記事一覧

粘菌は曼荼羅であり深層意識である ー安藤礼二著『熊楠 生命と霊性』を読む

このnoteは有料に設定していますが、最後まで立ち読みOK! 全文公開しています。 南方熊楠といえば、大英博物館で文献を読み漁ったり、粘菌を採集して観察したり、『ネイチャー』誌に寄稿したり、不思議な曼荼羅を描いてみたり、神社合祀反対運動を牽引したりと、大きく異なるいろいろなことに手を広げた人のように見える。 『ネイチャー』に掲載された熊楠の文章は、オンラインにもアーカイブされている。 曼荼羅というのは「南方曼荼羅」と呼ばれるもので、それについては下記の文献の中沢新一氏に

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クロード・レヴィ=ストロース著『神話論理』の奥深い世界 ー神話の発生メカニズム

(このnoteは有料に設定していますが、全文無料でお読み頂けます) ♪ クロード・レヴィ=ストロース氏の大著『神話論理』は時々手に取っては何度でも読み返したい一冊である。否、五冊である。 レヴィ=ストロース氏といえば、いわゆる構造主義の火付け役として有名である。レヴィ=ストロース氏は1908年に生まれ2009年に亡くなられている。1908年は明治四十一年、第二次桂内閣成立の年であり、愛新覚羅溥儀が清の「ラスト・エンペラー」宣統帝として即位した年でもある。この数年後191

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