記述することが、対象をそれとして生み出し、可視化する ー読書メモ:内田隆三著『柳田国男と事件の記録』
内田隆三氏の『国土論』を読み直している。恩師にそのことを伝えたところ、内田隆三氏といえば、『柳田国男と事件の記録』は必読であると教えていただいた。そういうわけで早速Amazon経由で入手を試みた。
この本は、柳田国男がその著書『山の人生』の冒頭「山に埋もれたる人生あること」で行ったある事件についての「記述」を、その記述するということが、いかなることであるのかを問う。
「山に埋もれたる人生あること」。この一節を含む『山の人生』は青空文庫にも収録されているし、国会図書館デ