2024年11月9日(土) 米国経済ニュース
1. 株価指数の詳細動向
◆ニューヨークダウ
・終値:43,988ポイント、+0.59%の上昇
・昨日、ダウが史上初の44,000ポイントを突破。これは米国経済の堅調な成長と企業収益の強さを反映しています。
◆S&P 500
・終値:5,995.54ポイント
・一時6,000ポイントを超えたものの、引けにかけてやや売られました。これは心理的な節目としての6,000ポイントが意識され、一部の利益確定売りが発生したと考えられます。
◆NASDAQ
・終値:19,286ポイントで+0.9%の上昇
・主に大型テクノロジー株(例:アップル、マイクロソフトなど)が引き続き好調です。中小のハイテク企業にも資金が流入しており、幅広い銘柄が買われる展開が続いています。
◆ラッセル2000(中小型株指数)
・終値:+0.71%
・中小型株やバリュー株が物色され、特に従来割安と見なされていた銘柄に買いが集まっています。投資家はリスク分散の一環として、これまで出遅れていた銘柄に目を向けています。
2. コモディティ、為替、債券の動き
◆原油価格
・約70ドル/バレルで、+6.7%の上昇
・世界的な需要増加の見通しや一部産油国の減産報道を背景に、価格が上昇しています。今後のエネルギー供給や需給バランスの見通しが注視されています。
◆金(ゴールド)
・終値:1,692ドルで横ばい。
・株式市場の強さからリスク回避の動きが弱まり、金価格は大きな変動が見られませんでした。
◆ドル円為替
・152円50銭
・米国10年債利回りの上昇による影響で円安ドル高が進行しており、日米の金利差が拡大傾向です。今後、さらに155円を超える可能性も一部で指摘されています。
◆ビットコイン
・76,500ドルで推移
・デジタル資産への関心が再び高まり、機関投資家と個人投資家からの資金流入が続いています。
◆米国債利回り
・10年債利回り:4.2% 2年債利回り:4.5%
・短期金利が長期金利を上回る逆イールドが発生しており、経済の減速懸念が一部で強まっています。
3. 主な個別銘柄の動向
◆テスラ
・前日比+10% 時価総額が1兆ドルを再び突破
・テスラは自動運転技術や新型EVの発売に対する期待が高まっており、投資家の注目が集まっています。現在、テスラは380ドルを次の目標とし、引き続き強い買いが入っています。
◆パランティア
・好調な決算を背景に引き続き上昇
・政府向け及び企業向けのデータ解析ソフトウェア事業が順調で、成長の見通しが明るく、投資家からの支持を得ています。
◆セールスフォース
・ソフトウェア関連で安定した需要が続いており、前日からの下落を反発して上昇
◆イーライリリー
・決算発表後の一時的な下落を経て、本日は+4%の上昇
・投資家の買い戻しが見られ、医薬品業界の堅調な成長期待が再び強まっています。
◆アリスタネットワーク
・2025年の見通し引き下げが発表され一時下落。しかし、第3四半期の業績が好調であり、アナリストは依然強気です。
4. 経済指標と消費者心理
◆ミシガン大学消費者信頼監視数
・11月の数値:73(予想70.9)、4月以来の高水準
・米国の消費者は、インフレが収まりつつあることから、消費環境に安心感を抱いています。家計への見通しも改善し、2024年に向けた経済の先行きに対する楽観的な見方が広がっています。
◆1年先のインフレ期待
・2.6%(2021年以来の低水準)
・今後、消費者のインフレ懸念が緩和されつつあり、消費者支出の拡大が期待されています。長期的にはインフレが収まると考えられており、消費行動に積極性が見られています。
◆家計見通しの改善
・所得の増加見通しが高まり、ビジネス環境への信頼感が4年ぶりに高水準に到達
・景気回復への期待から、消費意欲が上向いている状況です。
5. 政治・政策動向
◆トランプ氏の政策
・関税や減税、移民政策など、次期政権の経済政策が注目されています。
・特に中国に対して60%、その他の国に対しても一律10%の関税が検討されており、物価への影響が警戒されています。これが実施されると、インフレ再燃の懸念が強まる可能性があります。
◆FOMC(連邦公開市場委員会)の利下げ見通し
・12月のFOMCでの利下げ予測が64.61%、据え置きが35.39%
・市場では、12月の利下げが予想されていますが、来年1月のFOMCでは96.9%の確率で利下げが実施される見込みです。トランプ政権の政策に注目が集まっており、FOMCの判断もこれに左右される可能性があります。
6. 今後の注目指標
◆11月13日(火) - 消費者物価指数(CPI)発表
・食品とエネルギーを除くコアCPIが前年比、前月比ともに予想通りであれば、インフレ鈍化の継続が確認され、市場に安心感を与えると予想されます。
◆11月14日(水) - 生産者物価指数(PPI)発表
・生産者レベルでのインフレ圧力が消費者価格に及ぼす影響が注視されています。
◆11月15日(木) - 小売売上高の発表
・個人消費の動向を反映する指標であり、安定した消費が確認されれば、米国経済の成長が続くと見られています。