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2024年11月2日(土) 米国経済ニュース



1. 米国株市場の動向(11月1日)


市場の主要指標

・ニューヨークダウ   前日比+0.69%上昇。非農業部門雇用者数が予想を下回ったにもかかわらず、堅調に推移。雇用統計の数値が悪化しても市場には大きな影響がなかった。
・S&P500   +0.41%。特にハイテク関連のグロース株が市場を牽引し、安定的な上昇を記録。
・NASDAQ   +0.80%の上昇。大型テクノロジー企業が買われ、指数を押し上げる結果となった。
・ラッセル2000   +0.55%。小型株も安定した動きを見せ、リスクオフの動きは限定的だった。

他の市場指標

・原油価格   1バレルあたり69.5ドル。供給制約がやや緩和され、エネルギー価格の安定を示唆。
・金価格   2744ドル。インフレリスクや不安定な市場環境に対するヘッジとしての需要が続く。
・ドル円   一時152円を割り込むも、最終的に153円台で推移。米国の利下げ期待が円買いを促進し、円高要因として働いた。
・ビットコイン   69,000ドルに達し、デジタル資産としての強い需要を反映。株式市場のリスク回避の資金流入も影響。

米国債利回り

・10年債利回り 4.387%。インフレの懸念と利上げ期待が引き続き圧力をかけ、長期金利が上昇。
・2年債利回り 4.212%。短期債の利回りも高く、景気後退懸念が一層強まっている。

2. 10月の雇用統計


・非農業部門雇用者数   前月比1.2万人の増加。予想の10万人増に対して大幅に下回り、経済に対する不安材料。特に、ハリケーンとストライキが製造業を中心に大きく影響を与えた。
・失業率   予想通りの4.1%。景気後退の影響は限定的と見られるが、雇用の増加ペースは鈍化。
・平均時給
  ・前月比+0.4%(予想0.3%)
  ・前年比+4.0%(予想通り)。賃金上昇がインフレ圧力を高める可能性もある。

業種別雇用変動

・増加した分野
  ・医療関連   +5.7万人増加。需要が高く、堅調に推移。
  ・政府関連   +4万人の増加。公共サービスに対する需要が拡大。
  ・小売   +1万人増加。年末のホリデーシーズンを見据えた需要増。
・減少した分野
  ・製造業   -4.6万人減。ボーイングのストライキの影響で従業員3.3万人が一時的に減少。
  ・レジャー・ホスピタリティ   -4千人減。悪天候が観光・サービス業に影響。
  ・輸送・倉庫業   -4千人減。供給制約と需要減少が背景に。

労働参加率

・全体の労働参加率   62.6%。コロナショックで低下後、徐々に回復しているが、依然として低水準。
・女性労働参加率   57.3%。2015年の水準を上回り、女性の就業意欲が向上。
・男性労働参加率   コロナ以降も回復が鈍く、移民の受け入れによる労働力補填が課題とされる。不法移民増加による社会問題も懸念されている。

3. ISM製造業景気指数(10月)


・予想値   47.6
・結果値  46.5。予想を下回り、製造業は7ヶ月連続で縮小傾向にある。
・仕入れ価格指数   54.8(前月比+6.5ポイント増加)。供給制約による価格上昇がインフレ圧力に。
・新規受注と雇用   共に縮小領域にあり、需要の弱さが見られる。製造業の停滞が景気回復の足かせとなっている。

4. 主要企業の動向と決算内容


Amazon
・決算発表   +6%の株価上昇。第4四半期のガイダンスも好調で、営業利益見通しが市場予想を上回った。
・利益率改善の要因
 ・需要が加速。
 ・サーバーの対応年数変更。
 ・コスト管理の改善。
・AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)   +19%成長。生成AIに積極的に投資し、GoogleやMicrosoft、Metaと並びAI分野での競争を強化。

Apple
・株価 -1.3%下落。中国市場での売上が予想を下回り、サービス部門の成長も期待に届かず。
・第3四半期売上 予想158億ドルに対し、実際は150.3億ドル。中国市場の低迷が影響。

半導体関連
・NVIDIA   +約2%。AI需要に支えられ、堅調な成長を続けている。
・AMD   決算ミス後に下落が続く。
・インテル 決算発表後に一時上昇も、上げ幅は縮小。

エネルギー関連
・シェブロン   +2.8%上昇。予想を上回る生産量、売上高により市場からの支持を獲得。

グロース株の状況
・グロース株がバリュー株を上回り、特に大型テック企業が買われる傾向が強まっている。

5. 利下げ見通し


・11月7日   25ベーシスポイントの利下げが98%の確率で織り込まれている。
・12月18日   もう1回の利下げが予測され、織り込み率は81.4%。雇用統計の弱い結果を受けて、利下げの流れが市場で一層強まっている。

6. 大統領選挙の情勢


・世論調査   トランプ氏がリードしており、激戦州7州中5州で優勢。
・賭けサイト   トランプ氏が60.8%、ハリス氏が38%。トランプ氏が優位に立つ傾向が強まっている。
・トランプメディア株   9月から10月にかけて急上昇したが、現在はやや調整局面にある。
・選挙後の景気見通し   選挙が終了すれば経済活動が再開し、1〜2月頃に景気加速が期待される。

7. サマータイム終了に伴う市場オープン時間の変更


・11月5日(日)米国でサマータイムが終了。これにより、日本時間での米国株市場の開場時間が22時30分から23時30分に変更され、閉場は6時になります。

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