大人の読書感想文:定年前と定年後の働き方
毎度のごとく読書感想文です。
でも、最初に断っておきます。今回は本の内容には1mmも触れません。ほんとごめんなさい!(てか、石山先生!最初に謝っておきます!)
では、何を書くかというと「本の内容はどうすれば伝わるのだろうか?」という自分なりの仮説をつらつらと書いていこうと思います。
なので、本の概要は他のページに任せて、興味を持った人は御購入をお願いいたします♪
結論から書いちゃいますと、私が思う本の内容が伝わる第一要因は「エモさ」だと思ったんです。
なんだよ、エモさって、抽象度が高すぎだろ?と思った方いますよね?はい、私もなんだか抽象度が高すぎて自分自身が納得いってないのですが、この納得いってない感こそが、「エモさ」に通じると思うんです。
例えば、この本のタイトル「定年前と定年後の働き方」なんて、今年50歳になる自分には10年後を考えると、非常にグッと心に刺さるタイトルだし、なにより今年、ライン長から外れて、この先の社内での出世はないだろうな、、、なんて考えると、他人事ではいられません。
(そもそも、社内出世なんて関係ねぇ!と思っていたが、いざポストがなくなると、提案も通りにくいし、若手からの失望感にも繋がるし、色々と不都合なことがあるもんだな、、、と実感中です)
個人のことはさておき、このように「自分ごと」になっていると、文章って刺さってくるんですよね。でもこれ、人生のフェーズの話だけではなく、「文系・理系」みたいな流れでも変わってくると思うんです。
自分自身は、カテゴライズがあまり好きではないので、人類を文系と理系で区別はしたくないのですが、ここでは便宜的に物事をストーリー(時系列的な流れ)で理解する人を文系、物事をロジックや仕組みで理解する人を理系とします。
このように物事を定義してから話し始める事からも私は理系要素が強いんだろうな〜と思うのです。(現に技術士という理系の中ではトップクラスの資格も持ってますしね。えっへんwww)
そして、おそらく「人が増えても速くならない」の著者、倉貫さんなんかも理系だと思うんです。(勝手な思い込みかもしれませんが、、、すいません!)
そして、この本、非常に良いことが書いてあるし、これこそ色んな人、できれば経営層や経営企画室の人に読んでほしい!と思う内容なんです。
でもね、自分でも思うのですが、この本、なんとなく「自分には伝わるんだけど、他の人には伝わるんだろうか?」と感じたんです。
本の内容はそれほど紙の量が多いわけではなく、端的であり、比喩表現を使って、非常にわかりやすい。多分、これほどわかりやすくアジャイルの本質を書き切った本はないのではないか?と思うんです。
ただ、やはり、何かが足りない、、、そう、そこで私が感じたのは「エモさ」なんです。
逆に「エモさ」だけで、ロジカルさがあるようでなかったのが、こちらの「能力」の生きづらさをほぐす。(ほんと失礼な言い草で申し訳ありません!勅使河原さん!)
こちらの本はわかりやすいストーリー形式で、ロジカルなような文体で書いているが、心にズシンとくるのは、ダイ君のセリフだったり、マルちゃんの愛あるセリフだったりする。(このあたりは人によって共感ポイントは異なるとは思うが、、、)
コミカルに書いているようでいて、個人の感情に「すぅ〜」と入ってくるような内容なので、これはこれで「エモさ」が伝わってきます。
で、やはり、本というものは「誰に読んでもらうか?」と「誰が感想を言ってくれるか?」が非常に重要なんだろうな、、、と思うのです。
それによって、文体や表紙、そして、書き方も変わってくる。
石山先生の本は、組織の在りように悩むマネージャーや、今まさに定年を迎えようとしている人には、めっちゃ刺さる本だと思います。
そして、勅使河原さんの本は、組織にいながらその関係性に悩んでいる人に刺さる本でしょう。
問題は倉貫さんの本、彼は経営者に読んでほしいのだけれども、この文体で刺さるのはきっとエンジニア、もしくはエンジニアを抱える部門長。
そういう意味合いでいくと、絨毯爆撃のようにマスメディアを使って、「刺さる人にだけ刺されば良い」という昔のテレビコマーシャルも、あながち悪手ではないのではないか、、、なんて思ってきました。
どちらにせよ、本というものは、その著者だけでなく、さまざまな人が関与して生み出されるもので、そして、狙いとしているターゲット層に刺さるか、刺さらないかなんていうのは、やってみないとわからない。まさに博打のようなもんだんだろう、と勝手に思ってます。
だからこそ、私個人としては、本はたくさん読んだ方が良いし、合わなければ途中で読むのやめればいい。
数多くの本の中で、自分の「エモセンサー」に引っかかるものがあって、そのセンサーに引っかかった本をきちんと読み、アウトプットすることで、次の誰かの「エモセンサー」に引っかかるのではないか?と思うのです。
そして、この本は、同年代(50代前後)には絶対読んでほしいなぁ〜
「自分はまだまだ定年なんて考えてないよ」と思っても、想像以上に時の流れは早いのです。
なので、早めに色んな情報を入れて、自分の将来、組織の将来、若い人の将来を考えてほしいのです。
そういうことを考えさせる「エモさ」がこの本にはあります。