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大人の読書感想文:仕掛学

自分でいうのもなんですが、私はいわゆる「古典」と呼ばれる本や「ベストセラー」みたいな本は最近は読んでいません。それらの内容はどこかのサイトで要約されていて、それを読めば十分かな~と思っちゃっているからです。(著者の皆様には大変申し訳ないです。汗)

そんな中、初版は2016年ですが、思わず楽天ブックスに出てきちゃったコレを買っちゃいました。しかも、電子書籍ではなく紙の本を!

概要はいつもの通りflierで見ることが出来ますので、よろしければ下記サイトを参考にしてください。


なんとなく、この「仕掛学」という言葉の響き、楽しいですよね。それを「行動経済学」なんて名前にしちゃうと、そこに怪しいお金の匂いや、「行動を促進する側」と「行動を促進される側」の不均一なパワーバランスを感じてしまいます。

その点、この「仕掛学」という間に抜けた響き(失礼!誉め言葉です)が最高に、ある種の緩さを醸し出してくれるので、すんなりと入ってきます。

この仕掛学、他の学問とは異なり、「定量化しにくい」という所も面白いところですね。なにせ計算通りを仕掛けを作ったとしても、人の心理は複雑怪奇なので、その通りに動くとは限らない。また、予測をしたくても「どんな仕掛けが受けるのか?」はやってみなければわからない。さらに何時まで仕掛けが飽きられないか?もわからない。。。

つまり、理学的アプローチ(計算で予測をし、推理する)ではなく、工学的アプローチ(実験を繰り返し、データを取る)ことでしか確認できない。という問題点がある。

しかも、学問としてまとめたところで、それを実社会に応用しようすると、そこでも工学的アプローチが必要になり、役に立つかどうかも「やってみなければわからない」という状況になる。

こんな毒にも薬にもならない学問が他にあるだろうか?
あ、でも、ディスっているわけではないのです。こういう視点を楽しむ余裕。それこそが仕掛学の本質じゃないのかな?と思うんです。

何かに追い立てられて仕組みを考えるよりも、今よりちょっと良い世界を実現するために、肩ひじ張らずに楽しめる学問、仕掛学はそんな「ゆる~いぬるま湯感」が素晴らしいな、と感じました。


個人的に「〇〇すべき」とか「〇〇であらねば」みたいな言い回しが嫌いなんですよね~。なんか義務感だったり、同調圧力だったり、そういう空気感です。

そんな自由度ばかりを高めたら、人類社会が成り立たず、北斗の拳の世紀末みたいな広がる!と反論する方もいるかも知れませんが、私はそのあたりを楽観視していています。

とはいえ、今回のコロナ禍のように急にルールが変わってしまう事もあります。例えば、感染症防止のために日常生活でマスクを着けてほしいが、個人の自由で付けない人も出てきてします。

私はこういう事態の解決策こそが「仕掛学」なのかな?と思ってます。

なんとなく、「マスクをしろ!」上から目線の命令口調だと反発したくなりますが、「マスク付けたらこんな面白い事があるよ」みたいな仕掛けがあると、喜んでそれに乗っていくと思います。

仕掛ける方も、仕掛けられる方も、なんとなくハッピーになれる方法、それが仕掛学の面白みだと思います。

みんながなんとなく、「楽しんで騙されちゃう」そんな世界観になったらストレスも減るかも知れませんね。

私も何か「仕掛」を考えてみようっと♪


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