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大人の読書感想文:デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー

DX関連の書籍って、内容を見ると「こんな未来が!」とか「こうあるべき!」みたいな「輝かしいToBe」のスナップショット的な内容が多いのですが、この本は違う!まさにジャーニー!DXの旅路、まさに地球の歩き方・DX版、です。

いつもの通り概要は書きません。まだFlierにはアップされていないようなので、IT Mediaの記事を参考にしてください。


さて、感想ですが、これはDXの本なのですが、DXが主題ではありません。わかりにくいのですが、DXの本質である「組織」の変容指南を書いているような書籍です。

なんでDXの本質が組織なのか?というと、私の理解では、DXのX、つまり変革の求めるものの多くが、昭和風日本型製造業からの脱却を目指しているからではないか?と思っています。

そう、現状の組織は、この昭和風日本型製造業に特化した組織になっているはずです。だって、そのビジネスモデルに特化していないと効率的な生産はできなはずですからね。まずは、ココから変化させなければ、その先の変革なんかできるはずはありません。

いうなれば、登山をするために登山用重装備をしていたのに、ゲームのルールが変わって、急にマラソンに参加することになりました。となったら、そんな重装備でマラソンを走れるわけないですよね?マラソンにはマラソンにあった軽装にする必要があります。

それこそが「DXは始めたければ組織から」という私の理解になります。

一応、筆者の市谷さんのブログを見る限りは、同じような事を考えてらっしゃるのでないかな?と思います。(想像ですがwww)


この本が斬新だな~と、私が感じたのは「アジャイル」という考え方というか、思想を組織文化の醸成に応用しているところ。

私はコードを書くわけでもないし、IT企業を経営しているわけでもない、なので、実際にアジャイルを体感しているか?と問われると、Noとしか回答できないが、それでもアジャイルについては机上の理解はしているつもりである。

その理解で行くと、アジャイルの思想は、プロジェクト運営であって、「何かのアウトプットに向けての活動」だと感じていたが、それを組織文化まで概念を広げて応用しているのが、いやー、中々すごいな、、、と感じてます。

考えてみれば、組織だって一つのプロダクト。何かを成しえるための道具でしかない。それだったら、アジャイルの思想が応用できないはずがない。まさに組織をアジャイルに変えて、成長させていく過程、これこそがトランスフォーメーション・ジャーニーだな~と深く感心させられました。

私自身も、現在勤めている企業のDXを進めている身としては、非常にうなずくことも多く、「そうそう、そうなんだよ!」と唸るところが多い本でした。

特に、「最初はコミュニケーションから」という言葉とか、「アジャイルに動くためにはツールも重要」なんて、ここ数年の自分達が苦労して見出してきた答えがソコに書いてあり、ちょっとだけジェラシーを感じちゃいました。(笑)

このnoteを書いているときはイベント前ですが、きっと、このあたりのDXとアジャイルについて色んなイベントで語ってくれることと期待します。


本当は、この本については、あれもこれも心に刺さる内容ばかりなので、いろいろと書きたくなるのですが、敢えて内容について書くのは避けております。

なぜなら、ここ数年間、自分たちが苦労して体得してきたつもりなのに、それと同じ帰着点が整理されて書いてあり、非常に悔しいから!(なんて大人げないんだ、自分!)

いや、ほんと、それくらいDXの本質に迫っていると思います。最近よく言われるようになったのですが、DXのDは手段で、目的はX。そのため、手段であるDばかりに注目されるが、本当に必要な考えはX。ここだと思いますが、それについて書いてある本は少ないな、と感じるんです。

いや、もしかしたら、この本はXをなんでするの?その先に何が待っているの?本当にそこに行きたいの?という、Xのその先の地図の書き方について書いてあるのかもしれない。

ま、細かいことはおいておいて、もし貴方が会社を変えるようなミッションを持っているなら、ぜひご一読をお勧めします。

で、できれば本を読んだ後に自問自答してほしいので。「あなたは、あなたの組織は、本当に変革したいのですか?」と。。。
その答えがyesであれば、一緒にDXの旅路をスタートさせようではありませんか!


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