大人の読書感想文:まだ誰もみたこともない「未来」の話をしよう
オードリー・タンさんのお話をまとめた本、基本的にオードリーさんの話したことは全て「CC01.0:いかなる権利も保有しない」という事で、発言部分の転載・二次利用は問題ないそうです。すんげぇ太っ腹!
おそらく、本は読まなくてもネットを漁ればオードリーさんの言わんとすることはわかるし、理解できるでしょう。でも、そのきっかけとして、この書籍はぜひとも読んでほしいな、と思います。
なので、概要はネットに任せるとして、まずは私の「読書感想文」を書いていきたいと思います。
オードリーさん、すでに説明するまでもなく、ものすごい実力とカリスマ性を持った方です。しかも、その影響範囲は台湾だけでなく、世界中をまきこんでいると言っても過言ではないでしょう。
そんなオードリーさんですが、毎回思うのは「個」としての凄さではなく、「組織」を率いるうえでの凄さ、というものを私は感じてしまいます。
この方は、台湾デジタル担当政務委員として前面に出ているように思えるが、それは決して「前に出るのが好き」なのではなく、組織として行動するときに「自分が前に出た方が達成への近道になるから」と動いているような気がするんです。そして、メンバーに対してもちゃんとビジョン・ミッションを掲げ、それについていきたい人をまとめ、自分たちの得意なスキルを持ち寄って、仕事をこなしているように映ります。
今回の本ではあまり行政執行にかかわるお話は出てきませんが、オードリーさんの言葉の行間に感じるのは、一緒に仕事をして課題解決にあたってくれているメンバー、コミュニティーへの感謝の念です。(深読みしすぎなのかもしれませんが、、、)
その皆の努力、やる気を妨げず、そっと後押ししているのがオードリーさんの今の役割なんじゃないのかな?と思います。そして、自らが広告塔になることで、仲間たちが動きやすい環境を作っている。そんな感じがしています。
また、この本を読んで感じたのは、台湾の人々には「行政からはサービスはされて当たり前」という感覚ではなく「行政は自分たちと共にある」という、ある種の「素地」があるんだな、、、という事です。
おそらく、台湾市民の中には、「白色テロ」の時代の記憶があり、為政者に弾圧された過去を繰り返さないためにも、「自分たちの国、台湾」という意識があるんじゃないかと思います。
(調べてみたら1987年まで戒厳令がひかれていたらしいですからね。ほんと、つい最近です。)
ただ、市民側の意識だけでなく、行政に携わる方々の意識もそうなのでしょう。いろんな行政の事項に対してオープンマインドである。ここも大きいような気がします。
現に、市民活動の自由度調査では、台湾は日本や韓国以上に「開かれている」という調査データもあります。
おそらく、この市民側の参加意識、行政側のオープンマインド、これがあって「デジタル立国」としての台湾の素晴らしい結果が伴ったのではないか、と私は思ってます。
こういう事を書くと「どうせ日本は閉鎖的だし、同町圧力も高いし、マインドセットは早々に変わらないし、、、」とネガティブ思考で返している方も多い事でしょう。
そんな感じのコメントがオードリーさん寄せられたことがあり、こんな風に返しているようです。
そう、過去は変えられないけど、未来は変えられるんです。今を嘆いている暇があったら行動してみれば良いんです。
今の時代、ネットを通じて色々な人々とつながることはできます。そして自分の意見を述べることはできます。本気で何かを起こしたかったら、まずは理想を呟くことから始めてみませんか?そして、その次に自分の得意な事でアクションを起こしてみませんか?
何がきっかけで世界の歴史が変わるかなんてわかりません。だったら、トライしてみましょうよ!!
これは、多くの人に「オードリータンの考える課題解決」を知ってほしいな~と思うので、全日本人に読んでほしい本です。
もし、本なんて読む暇ないよ~という方がいたら、動画でもよいのでオードリーさんの考えを理解してほしいな、、、と思います。