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大人の読書感想文:運用★ちゃんと学ぶシステム運用の基本

毎度の通り、読書感想文です。これも読んだけど、感想文を書いてなかった本。万人に見てほしい、というほどではないけど、もし、少しでもITとかDXとかいう文脈に触れる人には読んでほしい本ですね。

特にDXという文脈に触れる人には、よく巷では「DXはDじゃない、Xが重要なんだ!」という文脈で語られますが、確かに目的としてはXであるトランスフォーメーションはむっちゃ大事。でも、その実現に非常に重要なツールであるDであるデジタルも大事です。

自分の中でX≒目的が練り上げられた人から、ぜひともD≒武器の練度を上げるために重要な「システム運用」について知ってほしいと思います。

あ、別にここで「システム運用とは」を語りださないので、そちらが気になった方はぜひ自習をお勧めします。(ついでに、こちらの本も御購入いただけると、作者の沢渡さんとか湊川さんが喜ぶと思います。しらんけど)


この本、最初読んだときは「うーん、オンプレ時代の話だと、今の当社の状況とは異なるかな?」と思って本書を開きました。(ごめんなさい、沢渡さん!汗)

でも、読み解くうちに、オンプレとか、スクラッチ開発とか関係なく、「システムを運用するとは?」という大きな命題があって、それを分解していくとこんな仕事がありますよ。という概念が非常に学べました。

特に、SaaSが気軽に使えるようになった現在、自社サーバなんてなくても、業務は回せます。ただ、実際にサーバというものはなくなったのでしょうか?いいえ、どこかで動いているから私たちの業務が回っているんです。

つまり、私のように情シス素人だと、「本当の後ろ側ではどうやって守られているか?」がわからないまま、体よくシステムを使っているんですよね。そう、例えるなら浄水場の仕組みをわからないまま水道の水を飲んでいるようなもの。

じつは、この「知らないで使っている」というのが曲者で、何か事故やトラブルが起きた時に「知らないから誰かの指示に従う」しかできなくなっちゃうんですよね。

そんな時に、水道であれば浄水の仕組みを知っていたら、代替で水を確保できたり、何日くらい断水しそうか?などの目途が付くことでしょう。

同じようにシステムでも、もし何かトラブルが起きてしまっても、「これだったら、〇〇で代替しよう」とか「このトラブルは〇時間で回復しそうだな」などの目星がつきます。(まぁMicrosftやAWSだと読めないけど、、、どうせ過去経験から数時間かな?という推測はできるかな?)

こんな風に、「裏側を知る」というのは非常に重要だと実感しています。


あと、SaaS時代だからこそ、最も重要だと思うのは、このシステム運用の知識です。素人ながら情シス部門長をやっている身としては、これは非常に強く感じていて、情シスだと花形人材だった「システム開発」の人よりも「システム運用」の人のほうが非常に重宝してます。

なぜなら、現代社会においてITを使わない業務はない、と言っても過言ではありません。そのITを使う、という観点で言うと、今までの「システム開発」の知識よりも、「システム運用」の経験のほうが重要だからです。

今まで、システム開発、システム運用、業務の位置関係って、誤解を恐れずにいうと、こんな感じだと思うんです。

(偉い)業務 > システム開発 > システム運用(偉くない)

なぜならば、システムって、業務を効率化するために使うもので、業務に合わせてシステムを作りこまなきゃいけなかったし、そのシステムが作れる人ってのが希少価値が高かったから、運用よりも重宝されてたんですよね。

でも、時代が変わって、ITがないと業務が回らなくなると、「業務を実現するためのIT」ではなく、「ITを使いこなす業務」と主従が逆転しているような気がします。

いや、そこまでいうと語弊があるかも知れませんが、ただ、業務を継続することだけが命題ではなく、業務を発展させる必要が企業にはあります。その「発展」をさせるうえで大きな武器となるのが「データ」であり、その「データ」を効率的にまとめられるのが「IT」なんですよね。

なので、「ITの使いこなしがうまい人」というのが、この「システム運用の経験者」だと、私は感じています。なので、今の現代社会だと、こんな構図に書き換わっている気がするんです。

(偉い)業務 = システム開発 = システム運用(偉い)

そう、みんな偉いんです。一つの事業を行うにあたって、上下は関係なく、全社一丸となって取り組むべき状態なんだと思ってます。


あ、そうそう、そういう意味では、今までは直接部門・間接部門などと区分けしてましたが、今の世の中は全員直接部門といっても過言ではないと思います。

なので、業務の人がITのことを知るのはもちろんのこと、ITの人も業務のことを知る必要があります。

つまり、みんな、もっとお互いを知ろうぜ!って事ですね♪
そんな、お互いを気遣え、知って、協同できる組織って、たぶん無敵の力を出すことができるし、完全縦型の欧米企業にはできない、日本企業の良さを発揮できるのではないか?と私は本気で思ってます。

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