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大人の読書感想文:どこでも成果を出す技術

前作「なぜ、日本の職場は世界一ギスギスしていると言われるのか?」に引き続き、新刊ラッシュの沢渡あまねさんの書籍です。
4月にはまた親書が出るらしいので、楽しみでなりませんが、今回はコチラの本の感想文を書きたいと思います。

まだ、この書籍の概要はアップされてないようですが、そのうち出てくるので、書評や要約はそちらに任せて、私はいつもの通り、自分の感想をつらつらと書き綴っていきます。


さて、いきなりですが、この「どこでも成果を出す技術」ですが、どこでも良ければオフィスで成果をだせ!とか、転勤でも海外赴任でも成果を出すための技術ノウハウ、なんてモノではありません。

まったく真反対の事で、「如何に自分自身が最大のパフォーマンスを発揮できる場所で働くようにできるか?」という本です。

この辺の「自分の最大パフォーマンスが発揮できる場所」という文脈では山口周さんが葉山に住んでいますが、そのあたりの思想と一緒です。
つまり昭和的な「決められたオフィスに一堂に会して働くのがすべて」ではなく、「個々人が最大パフォーマンスで動ける環境をつなぐ」という仕事の仕組みについて書いてあります。


この「どこでも成果を出す技術」について沢渡さんらしく、非常にロジカルに整理してくれています。

 ・ロジカルコミュニケーション
 ・セルフマネジメント
 ・ヘルプシーキング
 ・クリティカルシンキング
 ・チームビルディング
 ・プロジェクトマネジメント
 ・ファシリテーション
 ・ITスキル/リテラシー

だいたいの言葉はビジネスパーソンなら見たことあるとは思いますが、これらをマスターした先に「どこでも成果を出す技術」が得られるという文脈です。これには非常に納得しました。

個人的にも、若干きつい言い方になりますが、「コロナ禍で在宅勤務をしたけど、結局うまくいかなかったんだよね~」というチームの管理職は、上記の「基礎的ビジネス力」が足りなかったのだと感じます。

つまり、いわゆる上記の基礎的ビジネス力が足りない中でのリモートワークとは、素人がトライアスロンにイキナリ挑戦するようなものだったのでしょう。


また、書籍の中では触れられていませんが、私がこの本を読んだ感想としては「この時期にリモートワークに慣れておかないと、将来大変な事になる」というものです。

どういう事かというと、どんな企業も猫も杓子も「我が社もDX!」と標榜しているが、その前提となる「基礎的ビジネス力」がないと、そんな目標も絵にかいた餅になるだろう、という感覚です。
(個人的には、日本企業のすべてがDXに向かう必要は無いんじゃないか?という思いはありますが、、、)

なぜならば、DXとは改革であり、デジタル化、データ活用のその先にあるものだと思います。
とはいえ、日本企業ではその「デジタル化」ですら進んでいないと感じています。

これらは働く個々人の「スキル・マインド」がなければ「やっぱり紙がいい」とか「チャットじゃ心がこもらない、やっぱり封書で送らなきゃ!」なんて昭和を通り過ぎて、雅な平安時代まで遡ってしまうでしょう。

上記に書いた8つのスキル、これこそがDXを進めるための基礎の基礎になると思っています。


あと、もう一つ。書籍とは全く関係ないですが、DXに対しての持論を述べさせてください。

巷では、「DX推進コンサル」とか「DX請負人」みたいな事を標榜して、ツールを売りつけるベンダーさんがいるようですが、そんなに変革は生易しいものではないと思います。

上記にも書いたように、本気でDXを進めるためには、全社員が8つのスキルをマスターすると共に、「ビジネス」の方も変革が必要だと思っています。

つまり、デジタルとビジネス、この両輪があって、そのうえでステークホルダー全員の「変わりたい!」という強い欲望がなければ成しえないものだと感じてします。

そう、DXは他人事でも、スペシャリストに任せるものでもなく、個々人が変わる覚悟があって、初めて進むことが出来る道だと思います。


あ、ちょっと持論が長引いちゃいました。すいません。

何はともあれ、個人としても組織としても、この「在宅勤務しなければならない環境」は、次の時代にステップアップするために必要なイベントだったのかも知れません。

その「一見マイナスな外部環境」を逆手にとって、「未来に向けてのトレーニング期間」だと考えて、大きくジャンプアップしようではないですか!

少なくても、これから先の未来で「満員電車に乗って同じオフィスで仕事をする」なんて状況にはならないでしょう。
どうせ変わる未来なら、一足お先にスキルをマスターしておきませんか?

これは所謂ホワイトワーカーと言われる全員に、手に取ってみて欲しい本です。


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