【詩】日のあたらない場所
不安
理由のない
漠然とした
不安
お腹がざわざわする
うなじから胸
右の脇腹に沿って
内側を撫でられている感じがする
世界は
小さくも
大きくもなって
暗い場所にいる私をじっと見ている
私は
服を脱ぎ
冷たい床に横たわり
壁を見つめる
窓のない暗い脱衣所で
トイレの冷たいタイルの上で
汚い行為にふける
それを見ている私
そして産み落とすのだ
血にまみれた卵たちを
ごめんなさいを泣いて繰り返しながら
ねえ知ってる?
その間だけ世界は私のものだったこと
不安はどこにもなかったことを