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All your base are belong to us

最近、イソヒヨドリの綺麗な声が毎日のようにすぐ近くで聞こえる。どうやら、今住んでいる部屋を含めた広い範囲が、あるメスのイソヒヨドリの縄張りにすっぽりと入っているらしい。この子が縄張りを巡回しながら、要所要所で歌っているようだ。

だいぶん前からオスの声(メスよりもメロディが複雑で長い)はよく聞こえていたが、メスは見かけるだけだった。イソヒヨドリのペアはヒナたちがある程度大きくなると、オスとメスで場所を分ける(ヒナも分ける)らしいので、今はこのメスが一帯を支配しているようだ。多分、一度うちのベランダに幼鳥と一緒にやって来て、たまたまそこにいた昆虫を与えていたメスだと思う。

虫をもらっていとき幼鳥は、翼をばさっ、ばさっという感じで拡げたり閉じたりしていて、多分、あれは「ごはんちょーだい」と甘えていたのだと思う。うちの鳥は、遊びたいときによく似たことをやる。後日、虫をもらったことを覚えていたのか、この子だけでベランダに様子を見に来てたけど、残念ながらそのときはごはんは見つからなかったみたいだ。

ちなみにイソヒヨドリのオスはとても綺麗なブルーである。かなり昔のことだが、今住んでるところを契約するときに建物の前で不動産屋さんと彼女と三人で話していたら、すぐ横にオスがやってきて道路の上にいた虫を拾ってパクっと食べていたのを目撃した。あまりにも綺麗な色だったので、「あ!すごく綺麗な青い鳥!ほら!ほら!」と騒いだのだが、真面目に話をしていたらしい二人からはスルーされてしまい、青い鳥の唯一の目撃者となってしまった。二人とも見ればよかったのに。

イソヒヨドリのオス

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先日、雨がおさまったとき池を囲む遊歩道を通ったら、しばらくエサに苦労していたのかあっというまに鳥に囲まれてしまった。どう見てもなんかちょーだいの雰囲気である。ところが、じりじりと輪をつめてくる中に、ハト、スズメ、カモという定番の子たちに加えて、普段見慣れない子が混じっていた。くちばしの先が黄色で根本は赤く、足が黄緑色である。

こんな感じ
カカトから先が黄緑色
写真はpixabayから


あー、バンだあ。
ふふふ。この鳥がバンという名前であることは、普段愛読している翆野さんの記事で知っていたのだよ。

へー、初めて見たと思っていると、この子はニコニコしながら(そういう風に見えた)こっちに近づいてきて正面に立つと、翼を左右交互にゆらゆらと拡げたり閉じたりすることを始めた。

どうやら「ごはんちょーだい」と言っているらしい。

「ごはんちょーだい」と言われると、あげてしまいたくなる性格である。でも、そのとき自分は何も持っていなかった。それに、ハトやスズメはともかく、野鳥に餌をやるのは正直なところとてもよくない。上高地でカモに餌をやろとしてレンジャーの人に「あげないでくださいね。この子たちが生きていけなくなるので」と優しく言われたことを思い出した。

「ごめーん。なにもない」と手の平を向けてぶんぶんと振り、明後日の方を眺めていたら、彼(彼女)は名残惜しそうに去って行った。


我々が地面をのろのろと這いまわっている間、鳥たちは、空からなにごとかを俯瞰している。俯瞰している間に知ったことも多いだろう。第一、三次元の移動ができる分、彼らは天性に知性的なはずである。人間語で「おまのらの巣はみぬなうちぬらに支配すとってぬど」(鳥語で「貴方たちの場所はすべて我々が支配しているのだ」)とぐらい思ってるのかもしれない。カラスとか人間の言葉わかってるでしょあれ。

きっと、こいつはちょろそうとか、見てすぐわかったんだろうな。

甘えてくれてとても嬉しかったけどね。