【詩】1月3日
知ってる?
今日は1月3日
イの1とミの3だから意味のあることをする日ですと
妄想で稼ぐことをほくそ笑むマナー講師だったら言ってそうな
そんな街にはカップルがたくさんいて
微妙に離れてたり
手を触れあってたり
体温を感じあいながら
いろんな衝撃波を出しながら歩いていて
それは愛しあうものたちの間の空間が圧縮されていて
少し歩くだけで光速を超えるからだと
飛行士だった婆ちゃんがよく喋ってて
婆ちゃんの彼女も月へ行ったことあるらしくて
彼女はどうしたのと聞いたらいつもは黙りこんでいたのに
街に船が落ちるのを防いで死んだとこの前初めて聞いて
彼女の形見にもらった月形のペンダントを
これオレが死んだらゆうにやると言ってた
それが今手元にある
1月3日の今日
透明な月色の結晶体は
太陽に透かして眺めていると
まるで虹が踊るような
踊る彼女から踊れない婆ちゃんへ
機械のできる婆ちゃんから何もできない私へと
長い時間をかけて遠くまで伝わって
複屈折の非連続面に
ふと気づいて最近はやりの猫形の爪をそこに押し付けたのでした
ねえ
月は満ち欠けするでしょう
光から闇へ
闇から光へと
光だけの月は存在しない
そんな
マザーの公転に合わせて公転するような星は
生きていけない
墜落して
重力限界を超えて
粉々に砕けるだけ
あなたならわかるでしょう
だから
抱えてしまった闇を恐れないで
光続けられないことを悲しまないで
壁に反響したメッセージは
静かに降り積もっていく
ひとつの波紋も残すことなく