【詩】陽の光
はじめて感じた陽の光は
とてもあたたかだった
はじめて感じたものが陽の光だったのに
どこにいたのか
どこから来たのか
何もわからなかったのに
降り注いでいた光はなぜか優しくて
あたたかだった
とても
そのとき彼は
私の横で
公園にある大きなクスノキのざらざらと乾いた肌に触れて
その呼吸を感じていた
首筋に柔らかな光を受けながら
触れている無数の割れ目からはクスノキの吐息が吹き出ていて
彼を通って私を包み込んでいた
私は
光とあたたかさを吐息で包み
小さな結晶にして
その時間に閉じ込めた
透明な結晶は
永久にその時間に留まって
いつか彼を救うだろう
私は決めたのだあのときに
今感じているあたたかな陽の光を
私たちがずっと失わないように
誰にも知られることのない見えない場所で
ひっそりとあたたかく燃え続けることができるように
沈黙に守られながら