武田友紀さん「これって本当に繊細さん?と思ったら読む本」・前に受けたハラスメントにあてはめて読んでみた
「トラウマは「心の傷」と言われることがありますが、身体の反応でもあり、神経系に変化が起こることがわかっています。客観的に見て命の危険があったかどうかではなく、強すぎる刺激によって神経系が圧倒されてうごけなくなった、つらい状況を孤独に過ごすしかなかった、そういう主観的な物事なのです。」
職場でハラスメントを受けた時、しばらく休職をした。
そこの多くの職員の価値観や行動様式が「軍隊」、「中世」過ぎて、「人権」って教科書に書いてあるから「単語」として知っている程度で、体感したことないんだろうなと感じていた。
年配で人権を踏みにじられるのが日常だった人たちが、自分の中の傷ついた気持ちに向き合うかというと、よっぽどの必要性がなければ、恐くて向き合わないだろう。
だから、彼らはもうどうにもならないと思っている。
でも、全力でそこの文化に染まろうと、年配方々の人権意識に欠けるノウハウをコピーする若手たちが一定数いるのはなぜなのか…
儒教的な年功序列の価値観を内面化していて、根が真面目で、傷ついた経験を手当する習慣なく抑圧してきた、
多様な価値観に触れる機会が少ない地域で育ち、家族・共同体・学校の価値観に過剰に適応した子
進学校の伝達型の授業を浴びすぎて自分の軸で学びを進めるという経験が極端に少ない、進学校で常に競争にさらされてきたことによって能力は高いのに自信がない、
人と比べられることに過敏、自愛の習慣が弱い、
自分の本音とのつながりが弱く、他者を優先することで他者からの愛情を得ようとする、
そういう属性の人たちに多い気がするけど、どうだろう…
私がイベントの要項について意見を述べたことで若手が激怒し、「意見を言い合う」ではなく、「一方的な暴力で黙らせる」手段を選ぶとは思ってもみなかった。
職場で意見が対立することなんてざらにあるが、
私がこれまで働いてきた人たちは、理性優位が当たり前「根拠を示して説得 」ができれば交渉できる人達だったので油断した。
一方的な暴力を自分が振るわれた後、涙が止まらない、身体が動かない、頭に霧がかかったような感じで働かない、事務処理能力が激落ちする、男性のシルエットに恐怖を感じるようになる、息苦しくなる、動悸がする、よく知らない男性は急に攻撃してくるのではと思うようになる…
こんな症状が出てきて混乱した。人生初である。
>客観的に見て命の危険があったかどうかではなく、強すぎる刺激によって神経系が圧倒されて動けなくなった
今回は「理性を手放してキレた男性二人が、近距離で我を失ったまま数分怒鳴り続ける」という暴力だつた。
暴力を受けている最中は「あ、これすごく危険な状況だ。キレちゃってる。いつ手出されるかわからない状況だ。危険!危険!」と考えていて、
私の主観的には、境界線に無理やり侵入され、いつ身体的な暴力を振るわれてもおかしくない危険な状態に晒され、身を守るために全神経を集中させ、圧倒的な無力感を感じた。
私は身の危険を感じたけど、結果的に手はでず外傷なし、突然のことだったので録音もなしで証明できないため、警察で暴行として処理してもらうこともむずかしい。
身体的暴力もプラスで受けたら回復にさらに時間がかかるとも思いつつ、社会的に抹殺できる決定的な証拠でもあるので、「なんなら殴ってくれても」と後になって思ったこともある。
「我を失って興奮したでかい男性2人が近距離で数分怒鳴り続ける」
これが強すぎる刺激で、これによって私の神経系が圧倒されて、翌日から動けなくなったということか。
>つらい状況を孤独に過ごすしかなかった
彼らがあまりに自然に暴力を選択し、それがまずいという認識もないようだったので、この職場では暴力が日常なんだなと思った。
そこの部署に入って1年未満、誰が安全で誰が危険かの判断もできず
上司は「一方的な暴力」ではなく「同僚同士の意見の食い違い」として処理しようとし、
心療内科は人々が殺到していて思うように予約がとれず、出来事を満足に話すこともできなかつた
当時、人生初の一人暮らし中。
「つらい状況を孤独に過ごすしかなかった」にめちゃくちゃ当てはまっているな…
「一回限りの出来事によるトラウマを単回生トラウマ、虐待的な家庭環境で育ったり、学校でいじめが続くなど、逃れられない環境のなかで繰り返し辛い出来事に遭うことによるトラウマを複雑性トラウマといいます。特に複雑性トラウマは、心に負った傷が癒えないまま次の傷を受けていくような、大小様々なトラウマが重なっている状態です。」
私は「複雑性トラウマ」か。
幼少期からのものに加えて、職場での暴力⇒管理職からの度重なる「オオカミ少年」扱いへの対処⇒管理職からの度重なる隠ぺい工作への対抗
最初の暴力の傷が癒えていないまま、次の傷を受けていき、大小さまざまなトラウマが重なっている状態。
心療内科の先生たち、自分に知識を集中させる人多いけど、相手に伝わりやすい本選んで紹介するとかしてほしいのにな。
本がそもそも読めない状態だっていうのは確かにそうなんだけど、自分で自分の状況を把握するのも、回復と自走に必要なんだよ。
「トラウマは日常生活に様々な影響を及ぼします。当時の出来事を思い出させる物事を避けるようになったり(回避)、身体の外側から自分を見ている感じがしたり(解離)、トラウマ体験が今まさに起こっている感覚になって恐怖を感じたり(フラッシュバック)します。」
暴力を受けている最中はまともに聞いていると頭がおかしくなると思ってほとんど覚えていない。これは解離(かいり)をしたということ。
暴力後は、男性との接触、特にモラっぽい男性との接触を避けて生活した。これは回避。
でも、心療内科の男性の先生が多分忙しさで不機嫌そうに見えた時、モラ男と遭遇した時、知人男性とのメールて、文面で相手が怒っているのではと思ったとき、電車で座っている私の1メートル先に男性が立っているとき、
身体がぎゅうっと固くなって逃げたくなつた。これはフラッシュバック。
>ある程度トラウマ療法に対してのキャリアがあるよいカウンセラーに出会える可能性は、僕の感覚では1%くらいの確立だと思っています。
ここは、私は本当に運がよくて、子どもが不登校になったとき子どもがカウンセリングに通い出し、私もついでに通うことにした。
その時からお世話になっている心理士Aさんはその1%の人だった。1時間5千円程度でEMDRやインナーチャイルドワークなどをしていただいた。当時は「高いな」と思っていたが、ものすごく良心的な価格設定だということが後になってわかった。
ただ、私の職場はちょっと特殊で、Aさんがわかるように状況を説明するのが私には難しく、またハラスメントとなると「諦めるしかない」と歯切れが悪くなるところが気になった。
職場の同僚(養護教諭)に教えてもらった、学校の内情に詳しい心理士Bさんのところにも通うことにした。心理士Bさんは、1時間3千円くらい。めちゃくちゃ良心的。
ハラスメントについては歯切れが悪かった。おそらく、法律や金銭も関係してくる可能性があるからだろう。心の回復は任せられないけど、職場との間での交渉という点で助けてもらえた。
また、心理士Bさんは、暴力での有名どころ、信田さよ子さんの原宿カウンセリングセンターを紹介してくれた。大学生の時に信田さんと上野千鶴子さんの対談や、信田さんの著書を読んでいた私は、ちょっとうきうきしながら通うことにした。
原宿カウンセリングセンターの心理士Cさんは1時間13000円、さすが暴力への感度が高い。トラウマもハラスメントも扱えるところだと思った。誰も認めてくれなかった元夫からの性暴力を「それは暴力」と、さらっと言ってくれた。私が20年近く認めてもらいたかったことを認めてくれた。このおかげで私の回復が加速した。
原宿カウンセリングセンターは、ハラスメントの知識も深く安心できるが、家族間の暴力に特化したところで、職場での私の権利を回復するというところはどうなんだろうとひっかかった。そしてとにかく高い…
「ハラスメント被害と職場での人権の回復」について、ハラスメントを受けた直後にネットで武蔵野大学の小西聖子さんの記事を見つけ印刷していたが、夏頃まで具合が悪すぎて探すことも読み返すこともできないでいた。
ハラスメント発生後の被害者の人権の回復については「あ、これこれ。私の言いたいことこれ」と思つていたので、上部機関にハラスメントの訴えをする準備をしていた夏頃、思い切って武蔵野大学臨床心理センターに電話をしてみた。
「たくさんの心理士さんが関わっているから彼らのOKがでたらまた連絡してもらって、その後ケース検討会議にあげて通ったらになります。小西教授の報告書を今の担当の心理士さんに読んでもらってみてください。いまここで話したことをそのまま伝えてみてください。」
という返事だつた。あー、失敗した。「こいつは大丈夫」と思われたな。当時の私にはハードルが高く、断念。
ハラスメント発生後すぐにここに駆け込んでいればよかったのか。
職場でのハラスメントの場合、トラウマとハラスメント、この二つを扱えるカウンセラーさんを探す必要があることがわかった。
私は不安で週1の勢いでカウンセリングを受けてきたので、半年たって計算してみたら、30万弱かかっていた。衝撃。
ハラスメントを受けて、様々な能力が落ちた人が、たくさんある心療内科の中から、通える範囲、相性が合って、トラウマとハラスメントの知識と経験があって、金額が高くなくて…というカウンセラーさんにつながることができるかというと、めちゃくちゃ難しいよね。
関東に住んでいてよかったなって思うのは、いろんな分野のトップランナーのサービスを受けられること。
北海道から出てきてくれた親に感謝。
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