繊細な人たちへ
「まわりに機嫌悪い人がいるだけで緊張する」
「相手が気を悪くすると思うと断れない」
「疲れやすく、ストレスが体調に出やすい」
「細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる」
繊細さんとは?
どうやら上記4点が当てはまる人は「HSP(Hightly Sensitive Person)」と呼ばれる気質を生まれつき持っているようだ。
気を付けてほしいのは、HSPは病気ではないということ。
生まれつき両親や周囲の人たちの顔色をうかがい、自分のことより他人を優先してしまう…そんな癖のある優しい人たちのことだ。
どうやら私も繊細さん
読んでみて驚いた。
「これは私をもとに書かれたものですか⁈」
それほど「少しの音に驚く」「匂いで気分が悪くなる」など、他人から「気にしすぎww」と笑われるほどだった事柄が、すべて気質のためと断言してある。
そしてそれを「治そう」という文章でもない。
「鈍感になろう!」と言うのでもない。
己がどういうものに敏感であるかを、まず理解する。
そしてそれをいかに遮断するか、を考える。
そうするだけで、ごちゃごちゃな世界を少し生きやすくなった。
私のケア方法
音や匂いだけではない。視界に入るものはすべて気になるし、チクチクするセーターは着ることができない。スパイスが効きすぎたカレーも食べることが辛い。五感すべてが敏感だと思ってほしい。それを十倍したくらいの感覚だろう。
音はイヤフォンをすることで遮ることができる。
匂いは好みの香りのハンドクリーム。
ふわふわ、すべすべなど好みの感触を探し、服を着る。
カレーは中辛以下にしてもらう。
眼鏡の中の世界しか気にしない。
他人の視線が気になるなら、相手との間にアクリル板のようなものがあるとイメージする。
「鈍感になろう!」ということはとうてい無理なのである。
ならばいかに刺激を遮断するか。その具体策が本書にはあり、より生きやすくなった。
マルチタスクが大の苦手
仕事をしている時、自分は人より劣っていると思うことがほとんどだった。理由は、職務がマルチタスクだったからだ。
聞くことと手を動かすことを同時にすることが、どうしてもできなかった。
繊細さんは五人に一人の割合で存在する。
それだけの数の人はマルチタスクが苦手だと知った時、不覚にも涙がこぼれた。
それほど自分を責めてしまうのも、繊細さんの特徴であるという。
なんとも生きにくい、というのが正直な感想だ。
苦手なら、無理にはやらない。「ひとつひとつをやっていく」と覚悟を決める。
この「覚悟」を決めた時、改めて繊細な自分と向き合おうと思った。
改めて、繊細さんとは
繊細さんとは、他人や外の世界との境界線があいまいなのだと思う。
だから些細なことに気が付きすぎて疲れてしまう。
疲れてしまうのはなぜか、自分の苦手な感覚を理解し、それを遮断することでぐっと生きやすくなる。
あなたが繊細さんでも、そうでなくてもいい。
そんな人々もいることを知ってほしいのである。