ブルガリア発モスクワ行きの国際列車、シャワールームで見た人生初の光景
2008年の夏の終わり、セルビア語のサマースクールに参加目的でセルビアに行く機会があった。
サマースクール終了後、ドイツを経由して日本に帰国する予定だった。
終了直前、急にルーマニア北部にあるスチャバの町に行きたくなった。
夏場だと、ブルガリアの首都ブカレストから乗り換えなしでスチャバに行くことができるようだ。
ブルガリア→ルーマニア→ウクライナ→ロシアを3泊4日で走る国際列車が運行しているからだ。
※冒頭の地図参照。地図はGoogleMapsより引用。
セルビアの首都ベオグラードからブルガリアの首都ソフィアまでは夜行列車で一晩。
両駅とも何度か使ったことがあり、土地勘のある駅。
これ幸いとスチャバに行くことをした。
まずはセルビアからブルガリア行きの夜行列車に乗りソフィアに移動。
ソフィア駅に到着後、急いでスチャバ行きのチケット売り場を探して、
国際列車のチケットを購入できた。
出発は当日、夜19時過ぎ。
出発時間になってからホームに向かい列車に乗る。
私の予約したのは寝台の個室。
2人部屋なのだが、この時点で誰もいない。
定刻に列車は出発し、まずはルーマニアに向かう。
ブルガリアを出国する国境の手前の駅から、同室に予約している女性が乗ってきた。
比較的遅い時間だったので、挨拶を済ませてから眠りについた。
翌朝、明るくなので目覚めた。
改めて、同室の女性とあいさつをして話をする。
彼女はブルがニアに住むウクライナ人。
目的地はウクライナらしい。
残念ながら、ブルガリア語もロシア語もわからないし、先方も英語がわからないので会話はここでおしまい。
座席に腰掛け、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
しばらくするとトイレに行きたくなった。
トイレにたどり着くも使用中。
一度部屋に戻り、しばらくして出直す。
まだ使用中のようだ。
どうしたのだろう、ノックをしても気配はない。
恐る恐るドアに手をかけると、ドアが開いた。
トイレの中には男性がいた。
しかも、背中をこちらに向けて。
ちらりと見えた背中から見慣れぬ光景が。
背中にびっしりと、銀色の毛が生えているのである。
胸毛が生えている人を見かけることはあるが、背中にたてがみのように毛が生えている人を見たのは初めて。
しかも銀髪(白髪じゃなくて)。
思わず声をあげそうになって、頑張って押さえた。
後から知ったのだが、トイレの奥にはシャワースペースが設けられている。
背中の主はシャワーを使っていたようである。
それならそれで、鍵をかければいいのに。
見なかったことにして、ドアを閉めてトイレから去ろうとした。
するとシャワーを浴びえていた男性が着替えてトイレから出てくるところだった。
列車の車掌であった。
びっくりしたな。
しばらくして車掌が検札にやって来た時に目をあわせられなかったな。