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71日間地球ひとまわり(27)ボスニア・ヘルツェゴビナ おっかなびっくりバニャ・ルカへ
スロベニアの首都リュブリャーナから列車で入国したクロアチア。
翌朝、クロアチアの首都ザグレブからボスニア・ヘルツェゴビナに向かった。
今回はバスに乗っての国境越え。
目的地は、バニャ・ルカ。
ザグレブからの距離は120キロ。
バスでボスニア・ヘルツェゴビナに入国するのは今回が初めて。ドキドキである。
クロアチアの出国手続きはスムースに終えた。
他の乗客が出国手続きが終わるのを待つ間に、無性にトイレに行きたくなった。
バスの運転手の申し出ると、国境警備員に声をかけて話をつけてくれた。
トイレの位置はまさかの検問所のクロアチア側。
今、出国したばかりじゃないか。
「いいのかなあ?」と思いつつも背に腹は代えられない。
急ぎ道路を横切り、クロアチア側に逆戻りしてトイレに向かった。
バスに戻ると、まだ出国手続き中の乗客がいた。ホッとする。
全ての乗客の手続きが終わるまで、バスの前でドアが開くのを待った。
クロアチアの国境検問所を通過すると、小さな橋が見えてきた。
橋の向こうには小さいな町が見えてきた。
橋を超えるとすぐに小さなバスターミナルがあり、そこに停車した。
すぐさまボスニア側の国境警備員がバスに乗りこんできて、乗客のパスポートを預かった。
しばらく待つと警備員がバスに戻ってきてパスポートを各人に返却しはじめた。
これでボスニア側の入国手続きが完了。
半分近い乗客が、このバスターミナルで下車した。
しばらくバスは田舎道を走り、バニャ・ルカのバスターミナルに到着した。
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この日の宿泊先はバスターミナルから比較的近い宿。
といってもバスターミナルの周りには何もない。
さてどうしたものか?と思いながらも、バスターミナルにいた人に声をかけた。
ホテルのある場所への道順を確認したかったからだ。
教えてもらった道を歩くこと15分。
宿に到着。
チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いてからフロントに戻った。
両替をできる場所を尋ねた。
町の中心にあるようだがこの日は日曜日。
休みらしい。
ホテルだと両替のレートがあまりよろしくない。
どうしても水が飲みたかったので、ホテルの前のミニショップに買い物に出掛けた。
支払いにクレジットカードを使おうとしたが、使えないらしい。
仕方がないので少しだけ両替をした。
そして食事できる店を探し、町の中心に向かった。
町の中心に向かう道はほぼ一本。
道なりに少し歩くと店が見えてきた。
更に進むと、大きな建物があった。
建物の前には、ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗とは異なる旗が掲げられていた。
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というのもバニャ・ルカは、スルプスカ共和国の実質の首都。
連邦国家であるボスニア・ヘルツェゴビナを構成する共和国(セルビア人主体の共和国)のひとつである。
休日なのに一部行政機関前に警備員が立っていたのが印象的だった。
更に道を進むとショッピングセンターが見えてきた。
この辺りはに来るとレストラン等の飲食店で開いている店もいくつかある。
時計を見ると昼食には遅く、夕食には早い中途半端な時間。
お腹が空いていたから、しっかり食事がしたい。カフェじゃなく、しっかり食事ができそうな店を探した。
その最中に見つけた1軒のレストラン。
メニューを見ると値段やや設定が高めだが、幸いボスニアはクロアチアよりも物価が安い。
迷った末に注文したのは、
・カラジョルジェヴァ・シュニッツラ(セルビア風カツレツ)と呼ばれる、
チーズを肉で巻いたロールカツともの。
ショプスカ・サラダ(フェタチーズをおろしたものを野菜にトッピングしたサラダ)
・ビール を注文。
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料理の味はまずまずだが、従業員がやる気がない。対応が雑である。
不愉快な気分で支払いを済ませてから町を歩いた。
休日なので観光案内所はお休み。
ホテルで、最寄りの観光スポットを尋ねるも、車がないと厳しい。
歩いて行ける範囲だと川べりに城跡があるようだ。
ホテルから半時間ぐらいと聞いたので、そこを目指して道をあるき続けた。
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城跡はこじんまりとしたものだったので、あっという間に見学を終えた。
来た道を戻り歩いていると、モスクがあった。正直驚いた。
約30年前の内戦で、民族間の争いがあり、バニャ・ルカはセルビア人主体の地域と聞いていたからだ。
「セルビア人主体」と言っても、必ずしも宗教が「セルビア正教」というわけではない。
思い込みだけで判断するのは危険だなと肝に銘じた。
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バニャ・ルカの町歩きに満足したので、往路と異なる道き、ホテルに戻ることにした。
こちらの通りには、新しいセルビア正教会があった。
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扉を開けて中に入る。
中も新しい。
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ひとしきり教会の中を見学してから、教会の外に出た。
歩きっぱなしで疲れたので、公園のベンチに腰掛けた。
ちょうど目の前にコーヒースタンドを発見。ひと息着いて、コーヒーを飲むことにした。
メニュー見ると、いわゆるトルココーヒーがある。
ムスリムの文化だのに、すっかりこの地(およびセルビア、マケドニア等のかつてオスマントルコの植民地だった地域)に根を下ろしているんだな。
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注文を終えてから、ベンチに腰掛けてひと息ついた。
それからホテルに向かった。
歩き始めると劇場があった。
ここはキリル文字で建物の名称が記されていた。
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劇場の前を通り過ぎてからホテルに戻った。
当初、バニャルカの町で2泊する予定だったが、歩いて行ける範囲には観名所はなさそう
翌日、バニャ・ルカの町を出ることにした。
ネットで乗車券が購入できないみたい。
仕方がないからバスターミナルに切符を買いに行った。
帰り道、バスターミナルの近くにある鉄道駅をふと覗きたくなった。
建物内に入ると壁に掲げられた。
駅は大きいが中には何もない。
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時刻表を覗いていると、信じられないぐらいに便がない。
かつては首都サラエボまで伸びていた鉄道も、内戦の影響で復旧がされていない。
(これは後日立ち寄ったサラエボも同じ)
これだと利用客はいないだろうな。
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プラットフォームを眺めてから、駅を後にしてホテルに戻った。
そして翌日、正午前にホテルをチェックアウトして再びバスターミナルに向かった。
バスが出発するまで時間があったで、バスターミナルの近くにある郵便局に立ち寄った。
※郵便局は写真撮影禁止なので、写真無し。
知人が海外の切手を集めているからだ。
そこでお土産に切手を買うつもりだった。
私はセルビア語は話せない。
困っていると、英語がわかる方が助け舟を出してくれた。
「お土産に切手を買いたい」
と英語で話した時、私の「スーベニア」の発音が悪すぎて、
「スロベニア」と聞こえたようだ。
一瞬固まる、郵便局の窓口の職員。
なんだか、郵便局内の空気が凍てついたような気がした。
「インターナショナルか?」と尋ねられたので、
(セルビア語だが、これは分かった)
「プレゼント」ととっさに話した。
それを聞いた、前述の助け舟をを出してくれた女性が、
「友人の土産に切手が買いたいみたい」
と説明をしてくれた。
凍てついた空気がほどけた(気がした)。
そして切手を無事購入できた。
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もしも助け舟を出して説明してくれた彼女がいなかったら、
ちょっとめんどくさいことになっていたかな。
その後バスターミナルに戻り、バスが来るのを待った。