アニメ「バナナフィッシュ」が美しかった話
バナナフィッシュ、面白かったなあ。
2年前くらいにアニメを一気観し、興奮して15ツイートにも及ぶ感想を呟いてしまったものの供養場所を探していたのですが、今ここを供養場所とします。
原作・スピンオフ未読です。
バナナフィッシュ
バナナフィッシュとは、小学館「別冊少女コミック」にて1985〜1994年に連載されていた、吉田秋生先生による漫画作品。(from Wiki)
ニューヨークでストリートギャングをまとめ上げていた美貌の少年「アッシュ」と、
カメラマンのアシスタントとしてやってきた日本人の「奥村英二」が出会い、
謎の言葉「バナナフィッシュ」の真相を探る物語。
少年たちの微笑ましい友情と、大人たちの汚い思惑、どうしようもない現実が絡み合い、
言いようのない美しさを表しているのが心に刺さった作品です。
砂煙の中の美しさというか、強さというか。
美化しちゃいけない惨い現実もあるのですが。
感想
このアニメはとても「青」が美しかったな、と思いました。
英治が跳んだ空の青も、アッシュを思う英二の瞳に映った夜の青も、アッシュの瞳の色(はエメラルドですが)も。
アッシュが病室から青い空を見上げ、「お前は飛べていいな」と優しく呟く場面がとても印象的で、アッシュと英二の関係性を象徴していると思っています。
英二にはアッシュが、アッシュには英二が羨ましい。互いに強く、自由に見えている。
アッシュは自分のことを「英二に災いをもたらすものだ(意訳)」と言っていたけれど、
英二は英二でアッシュに災いをもたらすもので。
でもアッシュの心を救ったのは紛れもなく英二。
アッシュが怒り以外で大きく心を動かして、どうしようもなく動いてしまうのは英二に関してなのだなあ、と2人の唯一無二の関係性に心を奪われてしまいました。
*ここから大ネタバレを含みます
*ここから独自の解釈(強い)の話になります
最終話について
アッシュは自ら死を選ぶ人間じゃないと言われていましたし、最終話のあそこで助けを呼べば、アッシュなら助かったのかもしれません。でもそうしなかったのは、どうしようもなく満たされたからなのかなと解釈しました。(悲しすぎた)
最後に英二に会うのを諦めていたけれど(この諦めの良さも彼のいた環境を思わせて悲しい)、英二から手紙で「いつも一緒だよ」と言われて、ずっと孤独だったアッシュは孤独ではなくなり、「もういいや」と思ったのかなと。
だから死を選んだというよりかは、必死で抵抗していた運命に抗うのをやめた、張り詰めていた力が抜けたのかな、と。
「ずっと一緒だよ」と言われて孤独ではなくなったのもそうですし、「日本へのチケット」という英二からの精一杯の「一緒にいる未来」の提示に、当たり前のようにそばにいてくれようとする心に、またどうしようもなく動かされてしまった。心を満たされてしまったのかなと。穏やかな表情でしたよね。本人が幸せだったならいいのだろうか…?
死生観のような話になってしまうので触れませんが、つい考えさせられてしまいました。
キリマンジャロのヒョウは何を表していたのだろうか。
とにかく話のクオリティもアニメのクオリティも本当に高くて、本当に感謝しかなかったです。素晴らしいものを見せてくれてありがとう。
とりあえずシンは本当に可愛かったし、ブランカとも、ユエルンとも、ダウンタウン中の人々、もしよければ商店街のおばちゃんとかとも仲良くなって、みんなに愛されて明るく彼らしく生きてほしい。
あとどうでもいいですけど最終話のアッシュの服装めちゃくちゃ似合ってません…?
誰かも言っていましたが、ショーターを手にかけ、英二や仲間を危ない目にあわせて、数えきれない人の命を奪い、耐えられる重みではないよな、と。
それでもアッシュを長い間見てきた、アッシュの強さも弱さも見てきた視聴者としては、それでも、幸せに生きてほしかったです。
思い出したらスピンオフ読みたくなってきました。
その他ツイート供養(R.I.P.)
・銀魂リアタイ組なので、全てが終わった後ブランカと握手した瞬間に将軍編の最後を思い出しひやっとしましたが無事で良かった…
・ぽっと出のおっさんなんかにアッシュはやらんと思っていたので本当にぽっと出のおっさんにやられなくて良かった
・ゴルツィネのシーンでちょっとガッツポーズをした自分がいて、浅はかさを恥じた
・シンとユエルンは、シンがガミガミ言いながらもいい友人になりそうだなと
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