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失ったのではなく、お返ししたのです。
奴隷の哲学者、エピクトテスの言葉に心を打たれました。
「持ってるものを失う時、それは失ったのではなく、お返ししたのです。」
この格言は、物や人との関係において「それらは神や自然から一時的に与えられているものであり、いずれ返さなければならない」という考え方です。
先月、母を失いました。
私は、五十数年前、何も持たずに生まれてきました。
母という存在を与えてもらい、母に多くを与えてもらいました。
そんな母が、年を重ね身体の機能を少しずつ失いながらも、懸命に生きていく姿に共鳴させられました。
根っからの商売人だった母です。
よく言ってた言葉が、「損をして、得をとる。」
店に、来たお客には「しーぶん。」と、言ってはサービスをいっぱいしてあげてたから、母が店にいる時を見計らって来るお客も多くいました。
人情味溢れた人。
よく、従業員の相談にのっては涙を流したり、励ましたり。一緒になって考えてあげてる、そんな人でした。
何処に行っても、誰にでも声をかけるから、すぐに知り合いになってしまう人でした。
そんな母が天に帰っていきました。
なんだか、凄く寂しいです。
だけど、思い出す思い出は、フッと笑えたり,楽しかった事ばかりです。
感謝しかありません。ありがとう,お母さん。