報告と説明
なるべくシンプルであれ。
なるべく手短に理解しやすいものであれ。
相手に伝わらなくては意味を成さない。つまり何か、どうしろというのか。
意図を正しく伝えるのには時間がかかる。
一度に理解できる情報量には限界がある。
どんなに面白い小説であっても1日で読み切ることができない人も多い。
まとめ読みよりも毎週1篇ずつ読んだ方が世界観をよく理解できることもある。待たされている間に情報が整理されるのだ。これらの多くは無意識下で行われる。無意識の存在を理解している人などそう居ないのだから、多くの場合早く結論を知りたいだろう、より多くインプットする必要があるだろうと誤解する。
正しく意図を伝えたければ時間をかける。
情報を小出しにして、時間を稼ぐ。焦らしてはいけない。早く答えを教えろと言われてしまう。まだ答えは出ていない、しかし途中経過としてこうなっている、このあたりが課題になりそうだ、こうだったとしたらこのように対処したい。
そうやって少しずつ時間をかけて刷り込んでいく。
焦ってはいけない。九九の答えは昔から不変のものであるけれど、九九を1日で暗記できる子供など本当に一握りでしかない。しかし、覚えられない子供もまた一握りしかいない。
思考のスピードが速い者よ、注意されたし。
あなたはとっても優秀で、誰もがうらやむ能力の持ち主だ。
だからあなたのその高速思考を、ゆっくり時間をかけて周囲に伝えよう。
誰もあなたに追い付けなくてじれったく感じると思うけれど、一人で走っていてもただ遠くに行けるだけだよ。