ラブホで死にたくない
こんなえちぃ話をしていいのか分からないが、掲題の通りラブホで死にたくないと思ったことがあるのでただ徒然なるままに書いてみんとす。
私は今22歳のギリギリキラキラ女子大生なのだが、大学時代いろんな恋をしてきた。綺麗な恋も、届かぬ恋も、優しい恋も冷たい恋も沢山経験した。ただその中である一人のボーイとしたこーい(恋)が何故か一番メンタルを削られたのだ。
短い恋だったが何故か一番しんどかった。もう終わりだと分かっていても好きが止まらないあの感じ、めちゃめちゃしんどいよなあと今でも思う。
そんな辛いこーい(恋)のせいか、彼と別れた帰り道、駅のホームで涙がポロポロと止まらなくなってしまったことがある。確か金曜か土曜の23時頃だった。駅でポロポロと泣く女、側から見たら痛すぎ案件なのだが、今の時代スマホとイヤフォンのせいで誰が泣いてようと笑っていようと関係ないらしい。おかげで私の涙とぶちゃいくな泣き顔は人に見られることはなかった。(訂正 可愛い泣き顔)
ただ一人、私の前に並んでいたサラリーマンを除いてである。その人は不幸なことにイヤフォンをしていなかった。がために、自分の後ろからしくしくと泣くいかにもメンヘラ女の声が聞こえてしまったのである。無視するにも出来ないような泣き方で、とても悲しそうなメンヘラ女が一人、電車を待ちながらポロポロと泣いているのである。まあ無視出来ないわけだ。
その人は私にスッとティッシュを差し出して「大丈夫ですか?」と一言。何だかその瞬間もっと涙が止まらなくなって結局ポケットティッシュを丸々1つ貰う羽目になってしまった。
それから電車に乗って数分後、さっきのサラリーマンが「お仕事で嫌なことでもありましたか?泣きたいだけティッシュ使っていいですよ^_^」と話しかけてきた。そこから何をどう説明したか覚えていないが、とりあえず失恋したという事実を伝えたことは覚えている。
それから電車を降りて、何線に乗り換えるのかと聞かれた私は改札を指差しながら素直に最寄り駅を伝えた。おお、ばいばいの流れか?と思いきや、その指の先の案内掲示板には「本日の列車は全て終了しました」の文字しかないのである。
馬鹿女だな、と自分でも思う。と同時に今思えばこの時、このサラリーマンと夜を明かしてもいいやあ!失恋辛すぎ卍どうにかなれ!精神だった気もする。現実逃避という言葉があるがこの時の私はこの言葉そのものだった。男の傷は男で埋めろって言うし。(そうゆう意味ではない)
まあお察しの通り結局そのままホテルに行ってお察しのことをしたわけだ。まあここまではよく聞く大学生のやらかし話なわけだが、このサラリーマンには共に夜を明かすのに一つ大きな難点があった。
性癖がえぐい^ ^
勿論、性癖とかそうゆう好みみたいなものって人間誰しもあるとは思う。それに自分が気づいているかいないかは別として、おそらく多くの人が隠し持っている。というか備わっている。性癖と言うと卑猥な印象かもしれないが、耳が弱いだのキスが大好きだのドMだのそうゆうレベルの好みのことだ。
じゃあそのサラリーマン(自称26歳)はどんな性癖だったのかって?
端的にまとめると至死的なドSだったのである。言葉責め、腕縛り、、まあここまでは無理^ ^無理無理無理無理T_Tと思いつつも自分の頭の中にある知識と想像の範囲内であった。
私が言う至死的なドSとは、気絶するほどに首を絞められた事を指している。最初は首はさすがに無理^ ^くらいの感覚だったのだが、次第に息が上手く吸えずにどんどん苦しくなっていくのだ。なんだか怖くなって気づいたら涙がポロポロと出てきていた。と同時にやめて!離して!と肺にある少ない空気を振り絞って必死に抵抗した。するとそのサラリーマンはこう言ったのだ。「泣くともっとエロいよ」と。(はにゃ?×5万)
そこから抵抗する気力も無くなってだんだん頭がガンガンして目を閉じてしまいたくなる感覚に見舞われた。ああ、もう無理だ。ああ、ここで死ぬのか。このサラリーマンは犯罪者になってしまうのかな。ああ、親は娘がラブホで死んだと知ってどう思うだろうか。ああ、あの友達にありがとうと言いたかったなあ。あの子とあの子にも大好きと言いたいのになあ。ああ、でもなんだかんだとても幸せな日々だったのかもしれない、、、
と私がおそらく3分の2くらい死にかけたところでサラリーマンは私の首から手を離した。私は今まで吸ったことのないくらいの空気を肺に送り込んで、この上ない恐怖と安堵に包まれた。と同時にここから逃げなきゃと、誰かに言わなきゃという逃走本能が芽生え親友という親友に電話をかけまくっていた。朝の4時とかだったから勿論誰も出ないのだが。
するとサラリーマンは「朝まで寝てていいよ、俺歩いて帰れるから。」と言いほんの10分程度で支度をして部屋を出ていった。どうやら彼はただの度を越したドSプレーヤーで、どうやら私を仕留めるつもりはこれっぽっちもなかったようだ。
こんな経験をして、私は死ぬということがとても怖いことだと強く感じるようになった。突然現れる死の恐怖と無力感はあれほど強烈かつ冷静なものなのかと。同時に男の人の力には敵わないことも、死ぬ間際に自分は誰が思い浮かぶのかも知ることになった。
まあこの話にオチなんて無いのだが、あえてオチを作るとしたらこれを読んでくれた人に言いたい。令和3年調べ【死に場所にしたくない場所ランキング 堂々の1位】はおそらく"ラブホテル"であると。
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