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【三部作 Part.2】最大多数の最大幸福を考えてみる

三つに分けた投稿三部作の二作目です。
1、利益の最大化を言語化する
2、最大多数の最大幸福を考える
3、最大幸福と利益最大化を比較する
このような内容を三つに分けて投稿します。

前回の内容は、こちらから

前回は、利益の最大化を言語化する
このような内容です。このブログと次に掲載される3、最大幸福と利益最大化を比較する を読んでくれると嬉しいです。

売上に左右されない美容師を増やしたい。
美容師の仕事が楽しみになれるように。。。
美容師の Side Fire


【結論から】

最大多数の最大幸福とは
「最良の行動は、最も多くの人々にとって最も多くの幸福をもたらす行動である」という原則を重視している。

しかし、その陰で、少数派や弱者の利益が犠牲になる場合がある。
その犠牲を当たり前とするのではなく、尊厳や権利保護をセットで考えるべきである。

また、日常の中で、多くの人にもたらせる喜びと、少数でも恩恵を受けられない人がいることを同時に考えなければならない。

その場合は、少数の尊厳や権利保護をしながら最大多数に最大の幸福をもたらせるべきである。

別の視点では、少数に尊厳や権利保護をすることで「少数にも最大の幸福をもたらせる」、、
つまり、少数への尊厳と権利保護することで「より多くの人に幸福を感じてもらえる」

最大多数に最大の幸福を提供できるのではないか、、、

【最大多数の最大幸福とは】

最大多数の最大幸福(Greatest Happiness for the Greatest Number)とは、、
「最大多数の最大幸福」は、イギリスの哲学者ジェレミー・ベンサムやジョン・スチュアート・ミルらによって主張された功利主義(Utilitarianism)の基本的なスローガンです。
人間が追求する“幸福”や“快楽”をできるだけ多くの人々に、できるだけ大きくもたらす行為や制度こそが善である、という立場です。
• 一人ひとりの幸福を合計・比較し、総量(または平均)としての「幸福」を最大化する。
• 社会や組織全体の幸せや利益を大きくすることを目標とする。
• 多数決主義とは異なり、「いかに多くの人を幸福にできるか」「不幸になる人を最小限に抑えられるか」を重視する。

今回の三部作は、最大多数の最大幸福からの「社会や組織全体の幸せや利益を大きくすることを目標とする」と「経営の視点の利益の最大化」を比較することになります。アプローチが違う2つの「大きくする」を比較することで、どのような示唆を得ることができるか、、ここを最後のPart. 3 で記してみます。

まずは、最大多数の最大幸福を知らない人のために簡単に説明しておきます。

最大多数の最大幸福は、功利主義という考え方の中に存在する基本的な概念です。
功利主義は「最大多数の最大幸福」をめざす倫理的・哲学的理論です。簡単に理解するための視点をあげてみます。

1. 結果重視の立場 (結果主義)
行動の是非は、その行動によってもたらされる「結果や影響」(幸福や利益、不幸や苦痛)が判断基準となります。
つまり結果から、良い行動だったのか、悪い行動だったのかを判断するという考えです。

2. 快楽(幸福)の最大化
(ベンサムの)功利主義では、快楽(幸福)=快い感覚や満足感とされ、苦痛の回避が善と考えられました。
• (ミルは)快楽の「質」にも注目し、精神的・知的な満足の価値を高く見積もりました。

3. 社会全体の視点
個人の幸福ではなく、社会全体(あるいは集団全体)にとって総合的な幸福が増大することを重視します。
最大多数の最大幸福を語る上で、多く語られるのは社会のあるべき姿や、社会の制度設計の時に考えられることが多いです。
今回の三部作も、ここの部分を取り上げていきます。

4. 批判点:少数意見・弱者への配慮がどう担保されるか
「多数の幸福」が重視される結果、「少数の苦痛」が放置されないかという問題提起もあります。そのため、近代以降の功利主義では、人権や公正さとどう両立させるかが大きなテーマになっています。
ここは非常に重要な視点で、多数の幸福を求める結果、少数の悩みや痛みは後回しにされてしまいます。
大多数の幸せを優先するがあまり、少数が置いてけぼりになってしまいます。大多数の幸福を重視するあまり、少数派が不利益を被るケースがあり得ます。例えば、労働条件を改善するために大規模なコスト削減が行われると、少数の労働者がその影響を受ける場合があります。

大多数の幸せを進める中で、少数の人への配慮やサポートを並行するために、制度設計や取り組みが必要になります。

特に大きな問題点としては、幸福をどのように定量化するかという問題があります。幸福には個人差があります。すべての人にとって同じものが最適ではないため、その「最大化」を実現する方法には難しさが伴うと感じています。
このことから、これらの課題から意思決定者は、単に「数」を重視するのではなく、「質」や「公平さ」をどう扱うかを慎重に考える必要があるのではないでしょうか。

【具体的な取り組み】

言葉で説明してもわかりにくいと思うので、具体的な取り組みを見ていきます。
1、公共政策や社会保障制度
2、環境政策
3、日常的な意思決定の応用

1、公共政策や社会保障制度
多くの社会福祉政策や公共サービスは、最大多数の最大幸福を追求する理念に基づいていると評価しています。

①健康保険や社会保障
多くの国で取り入れられている保険制度は、医療サービスを社会全体で共有する形で、最大多数の人々が平等に医療を受けられるようになっています。
②最低賃金
最低賃金の設定は、経済的に困難な立場にある労働者の幸福を守るために導入された政策です。これにより、働く人々が最低限の生活を維持できるようになり、労働者の不安を減らし、社会全体の安定と幸福が促進されると感じています。
③教育
まだまだ教育の完全無償化になっていませんが、実現しているところも増えています。ここも最大多数の最大幸福が言えるのではないでしょうか。無償教育や低額の教育費を提供する政策は、すべての子どもに平等に教育を受ける機会を与え、社会全体の教養を底上げして、将来的に経済的な幸福を増進させると感じています。

2、環境政策

①パリ協定(気候変動対策)
トランプ大統領の就任とともに、離脱となったパリ協定も最大多数の最大幸福が言えるのでは、、と感じています。
結果が出ていないことや、形骸化している指摘もあるので、強くは言えませんが、、
世界各国が参加するパリ協定は、地球規模での温暖化対策を行い、長期的に人類全体の幸福を守ることを目的としています。

②再生可能エネルギー

再生可能エネルギーの導入をすすめる政策は、将来のエネルギー資源を守り、環境保護を進めることで、次世代の人々の幸福を最大化させるためにも寄与しています。

3、日常的な意思決定の応用
マクロの視点では1、2、のような政策などになります。
自分たち単位のミクロの視点では、どうでしょうか。
普段、日常の自分たちの意思決定に置き換えてみます。

①短期的、長期的な視点
今の瞬間に得られる幸福だけでなく、将来の幸福を考えるのも重要です。例えば、短期的な目先の利益を追うだけでなく、長期的に見た社会貢献や人間関係の質を重視する選択をすると、結果的に全体の幸福を最大化できると考えれますね。

②個人と社会の幸福のバランス
ここはビジネスや商売に直結するところです。
個人の利益を追求するがあまり、社会に求められていなかったり、誰かが不幸になるようなビジネスは共感できません。
自分自身のサービス提供が、その人を幸福にすることや、その連続で多くの人が幸福になれる選択することが最大多数の最大幸福の日常ではないでしょうか。。。

③不幸の最小化

幸福の最大化を考えると、不幸の最小化も並行して考えることができます。幸福を増大させるだけでなく、不幸を最小化する視点も大切です。自分自身が得ようとする利益のために人が不幸になる、、
美容室の経営者が多くの利益を搾取することで、美容師達が長時間労働を強いられる、、
雇用されている美容師が、長時間労働をしなくて済むように、経営者が待遇や経営改善をすることで、不幸の最小化になると感じます。

【トロッコ問題】

あなたはトロッコ問題というものをご存知ですか?

暴走するトロッコがあり、そのまま進むと5人が轢かれてしまう。線路の分岐器を操作すればトロッコは別の線路に進むが、そこには1人がいる。分岐器を切り替えると1人は犠牲になるものの5人は助かる。
問い: あなたはレバーを引く(=1人を犠牲にして5人を助ける)か、それとも何もしない(=5人を見殺しにする)か。。。

トロッコ問題は功利主義と対立する他の倫理学的視点(特にカント的な義務論など)を浮かび上がらせる代表的な思考実験としてよく引用されています。

より多くの人が幸せになる行動が善!とされている功利主義に対しての問題定義になっています。
この問いのセンターピンは、多くの人が「5人を救うために1人を殺す」という結論に素直に同意できない。。。
なぜならば、道徳的に1人でも人を殺していいのか、、、
ここから、功利主義的判断と私たちの道徳的な感情の間にずれが生じることが分かります。

【トロッコ問題からの示唆】

功利主義は結果を重視するあまり、「手段の選択」や「行為の本質的な善悪」を軽視してしまうことを感じてしまいます。
トロッコ問題は、功利主義のもとでは少数派が切り捨てられる可能性をはらむことを端的に示しています。
また、実際の意思決定では、「結果が最も良い」ことだけでなく、「人道的に容認できる手段か」「個人の権利や尊厳を尊重しているか」なども同時に検討すべきであると示唆されます。

いかに最大多数の最大幸福(功利主義)とはいえ、少数の権利をまもる仕組みやプロセスが重要であることが感じられたと思います。

トロッコ問題からの示唆を以下にまとめます。

1. 多数派にとってベストな選択肢と、その選択肢に伴う負荷が誰にかかるか(犠牲者の存在)を洗い出す。
2. できる限り犠牲者を最小化する策やフォロー策(安全策)を併せて検討する。少数の尊厳や権利保護のデザインを採用する。
3. 結果だけではなく、行為の過程(どのようにその策を実行するのか)にも目を向ける。


【まとめると】

最大多数の最大幸福
「最良の行動は、最も多くの人々にとって最も多くの幸福をもたらす行動である」という原則を重視している。

しかし、その陰で、少数派や弱者の利益が犠牲になる場合がある。
その犠牲を当たり前とするのではなく、尊厳や権利保護をセットで考えるべきである。

また、日常の中で、多くの人にもたらせる喜びと、少数でも恩恵を受けられない人がいることを同時に考えなければならない。

その場合は、少数の尊厳や権利保護をしながら最大多数に最大の幸福をもたらせるべきである。

別の視点では、少数に尊厳や権利保護をすることで「少数にも最大の幸福をもたらせる」、、
つまり、少数への尊厳と権利保護することで「より多くの人に幸福を感じてもらえる」

最大多数に最大の幸福を提供できるのではないか、、、


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みんなの日常のヒントになれば。

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