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課題解決力の育み方
課題を解決する力。
「課題解決力」
学校の成績評価項目の中にもあるとっても大切な力だ。
物事の問題点を見つけ、それを改善するための策を考え、実行し、結果を受けて修正を加え、また実行し、徐々に課題を解決していく。
社会を生きていく上で不可欠な力。
この力はどうやって育んだらいいのだろうか。
考える力
僕は、日々仕事をする中でたくさんの子供達と接する。
アクロバットが上手な子/そうでない子
ダンスが上手な子/そうでない子
体が柔らかい子/そうでない子
僕からしたら、うまかろうが下手だろうがどっちだっていい。
そんなことには全く興味がない。
僕がよく見るのは、その子に「考える力が備わっているかどうか」だ。
なぜうまくできたのか?できなかったのか?
なぜ綺麗に踊れたのか?踊れなかったのか?
なぜ体が柔らかいのか?硬いのか?
そういったことを自分の頭で考えて自分で修正する力があるかどうかを僕は見る。
その力があるかどうかを判断する方法はとっても簡単。
聞けばいいのだ。
「今の技はどうだった?」
「今の踊りはどうだった?」
ただ、この質問をするだけだ。
自分の頭で考えられる子供であれば、どんな形であれ質問に対しての答えが返ってくる。
考えられなければ…
子供は「うーん」と言いながら固まる。
質問にはクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの2種類がある。
「バナナは好きですか?」
→はい/いいえ
がクローズドクエスチョン。
「好きなフルーツは何ですか?」
→バナナです
がオープンクエスチョン。
クローズドクエスチョンに答えられる子供は多くても、オープンクエスチョンに答えられる子供はそう多くない。
なぜか。
難しいからだ。
正解がない質問だから答えを自分が決めないといけない。
自分の中にある答えを自力で引っ張り出して言葉に変換しなければいけない。
これが難しいからだ。
上手≠考える力がある
スポーツが上手な子=考える力がある子
と考える人もいるかもしれないが、僕はそうは思わない。
なぜなら、どれだけアクロバットが上手な子でもオープンクエスチョンに答えられないことがよくあるからだ。
理由は何だろう?
「教えられ慣れている」のだ。
常に自分のことを見てくれる人がいて、
常に教えてくれる人がいて、
常に支えてもらっている。
つまり、いつも自分の課題解決を他人がやってくれるから自力で課題を解決したことがないのだ。
自分で解決をしたことがないということは、自分に問いかけたこともないのだ。
「今、どう感じた?」と。
自分にしかわからない
「今、どう感じた?」と問いかけることはとっても大切だ。
なぜなら、自分が感じたことは自分にしかわからないからだ。
自分が今どう感じたのか?
何を思ったのか?
なぜうまくいったのか/いかなかったのか
この答えは自分にしかわからない。
だからこそ、自分の言葉でこれを表現できるようにならなければならないのだ。
感情などの話になると僕はよく色相環を使って例えるのだが…
![](https://assets.st-note.com/img/1690646439162-CBOQZ6hRzM.jpg)
「これは青っぽいけどどちらかというと赤の方が多く感じるから22の紫」
「これは緑の中でもだいぶ暗く感じるから14の緑」
こんなふうに自分の感覚を細かく捉えて言葉ではっきりと言えるようにならなければならないのだ。
例え先生やコーチが「今のは8の黄色だったね」といったとしても、
君が「いや、今のは7のオレンジだった」と思うならそれを言葉で発すればいいのだ。
一番よくないのは「わからない」と言うこと。
自分への問いから逃げてはダメだ。
自分の中にあるふんわりとした形のないものの正体を突き止めなくてはならない。
もう一度いう。
自分が感じたことは自分にしかわからない。
だから全て自分の言葉で発するのだ。
人の言葉を飲み込んで自分の感覚を書き換えてはならない。
言語化する力
自分が感じたこと
自分が思ったこと
これらを言葉にできなければ課題解決はできない。
なぜなら、自分が感じたことがわからなければ解決する課題も見つけられないからだ。
「PDCAサイクル」という言葉は誰もが聞いたことがあると思うが、
僕はP(計画)の前にCを入れて「CPDCA」が正しい流れだと思っている。
Dの後にくるCは実行したものの結果を把握して評価するものだが、
Pの前にあるCは現状の把握。
今目の前にあるものに対して感じている課題を言語化し、問題点を洗い出す段階だ。
それがあって初めて計画ができて、課題解決方法の実行ができる。
そのため、指導者は子供達に課題を投げて
「お前らこれを解決しろーー!」
ではダメだと僕は思うのだ。
なぜなら、そうして育てられた子供たちは課題解決力はあっても課題発見力はないからだ。
自ら課題を発見することができないのであれば、素晴らしい課題解決力を持っていても宝の持ち腐れだ。
とにかく問いかけ。
とにかく言語化。
指導者にできるのは「どう?何?なぜ?」と質問を重ねて言語化を助けること。
そして、そこで出た課題に対して子供達が考えた「PDCAサイクル」をたまーに行き先修正しながら管理することだけだと僕は思う。
井藤 亘(いとう わたる)
名古屋アクロバットスクール
![](https://assets.st-note.com/img/1690648247772-EYHVw0kisW.jpg?width=1200)
名古屋市立原中学校ー埼玉栄高校ー青森大学ーシルクドソレイユ
3歳から男子新体操を始め、中学校3年生時の全日本ジュニア出場をきっかけに、埼玉栄高校へ進学する。
骨折などの大きな怪我を克服しながら3年時にインターハイで団体優勝し、名門・青森大学へ進学。
大学では、全日本選手権・全日本学生選手権ともに4連覇を果たし、4年時には主将も務めた。
卒業後は、幼児・小学生を対象にスポーツ指導をしていたが、パフォーマーとしてイベント出演したことをきっかけにシルクドソレイユのオーディションを受け合格し、渡米。
在米3年半、計650回以上のパフォーマンスをした後、帰国。
現在は自身のアクロバット教室を運営している。
【実績】
・インターハイ団体優勝
・全日本学生新体操選手権大会団体4連覇
・全日本新体操選手権大会団体4連覇
【出演】
・Cirque du Soleil「Drawn to Life」
・Avex主催「STAR ISLAND」サウジアラビア公演
・日本サッカー協会主催「夢先生」講師
・大阪ガス主催「10歳若がえりセミナー」講師
・Athlete Business United 「人に伝わる文章術講座」講師
・東京テレビ「年忘れにっぽんの歌」鳥羽一郎コラボ
・TBS「音楽の日」三浦大知コラボ
・BS11 ドキュメンタリー「ザ・チーム 勝利への方程式」
【資格】
・中学、高等学校第一種教員免許状
・ビジネスアスリート2級
・日本スポーツ協会公認スポーツリーダー
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