バイキングの最終回を観て思ったこと
本日、バイキングという番組が終了した。
坂上忍というペルソナを付け続け、人目にさらされながら、叩かれながら求められる役を8年間こなすということはすごいと思う。
そして最終回の彼の対応、私も来るべき時に全く同じことをしようと思った。
それが引き際。
普段の番組は、長寿番組になればなるほど、最後にMCの時間が設けられ、自分の今までの振り返りや思い出など自分軸で話す時間がある。
しかし彼の引き際はあっぱれだった。自分の時間を設けず、番組は淡々といつも通り進行した。
CMが明け、番組時間残り5分。(あれ?何時までやるんだっけと番組表を確認してしまったくらいだ。)5分を切ってもいつも通りの司会進行。その時間のほとんどは、最終回のゲストに話を振って番組が終了へと向かう。
残り1分。
最後に彼はこう言った。
「去る者がいうことは何もありません。もし言うことがあるのであれば、来週からの新しい番組を全力で応援することだけです。」
たった30秒。残り30秒はアンガールズの田中に話を振り、大爆笑で明日もあるかのような番組終了だった。
立つ鳥、後を濁さず
この言葉が私の頭をよぎった。
番組は終わるが、テレビは続いていく。去る者より、残されたもののことを考える。形は違えど、仕事が続いていくのだ。去る者ができること。残されるものへの敬意と感謝。それ以外に必要な言葉などないのだ。
2歳から芸能の世界に入り、50年も生業を続けている。沢山の人生経験を積んでいる彼の引き際。かっこいいと思った。
人間性はわからない。しかし仕事人としては尊敬できる人物だ。プロとしての坂上忍。その全てが最終回の対応に込められているなと感じた。