【アニメ感想】名探偵コナン 第1094話「宮野明美のタイムカプセル(後編)」
原作回、後編。前編と後編でそれぞれ原作の1.5話ぶんを消費しているので、ちょうどいいバランス!
■今週のゲスト声優について
登場キャラは江戸川コナン、吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦、灰原哀、宮野明美、小林澄子、若狭留美、脇田兼則。
ゲスト声優は、村田匠:杉山紀彰さん、市橋聖子:かかずゆみさん、柳町岳:かぬか光明さん、男性:左座翔丸さん、男性:黒田浩一さん、女性:小若和郁那さん。
■今週の感想
【登場人物】
村田匠(むらた しょう)……25歳。元クラス委員長。フリーター。
柳町岳(やなぎまち がく)……25歳。元副委員長。消防士。
市橋聖子(いちはし せいこ)……25歳。元書記。医者。
再び学校を周って手がかりを探す一同。「よ」「う」「ぐ」「し」のキーワードを発見し、タイムカプセルは用具室にあると確信する。
しかし、小林先生が図書室のパソコンで調べたところ、用具室は老朽化によりトイレに改装されてしまっていた。小林先生が元図書委員なの、なんかわかるな~。
パソコンのキーボードを見て何かに気づいたコナンは、敢えてヒントを出し、とある人物を飼育小屋の前まであぶり出した。あぶり出されたのは消防士の柳町岳。コナン曰く、柳町はタイムカプセル探しを妨害していたというのだ。
柳町は、最初にみんなで学校を周った時に偽の手がかりを残し、タイムカプセルの在処を用具室だと誤った方に導いた。タイムカプセル探しを妨害した理由は、小学生の頃に隠れて花火をし、音楽室で火事を起こしてしまったことをバラされたくなかったから。市橋と村田も、明美がタイムカプセルに後ろめたい過去を封印しているのではないかと怯えていた。しかしコナンは、「優しくて思いやりがあってクラスの人気者」の明美が、そんなネガティブなメッセージを残す訳がないと一喝。
暗号を解くには、図書室のキーボードがカギだった。暗号の文字をキーボード上でなぞるとひらがなの形になるという仕組み。暗号が指している場所は飼育小屋だった。
探偵団が飼育小屋から見つけたタイムカプセルには、「みんなの夢が叶うといいな♪」のメッセージが。
タイムカプセルを見つけたお礼に同窓会に参加した探偵団。
コナンは、タイムカプセルの中にあった灰原宛のメッセージ付き写真を渡す。
明美からのメッセージには、「会えなくても、父も母も私も、あなたが大好き」「銀色の弾は正義の弾。あなたも正しいと思った事を貫いて」と書かれていた。
それを読んだ直後、組織の気配を察知して怯える灰原。コナンが廊下に飛び出すが、怪しい人物はいなかった。そんな彼らをよそに、密かに帝丹小を去る脇田、そしてそれを見つめる若狭……。
■コナンの怒りと宮野明美
今回、特に印象的だったのは、ネガティブなメッセージを残したのではと推測する大人たちに対して、コナンが「んなワケねぇっつーの!!」と一喝するシーン。
原作よりも明らかにアニメのほうが怒気を含んでいたというか、「怒り」の要素が強調されていたような気がしました。
コナンにとって宮野明美は、浅井成実と並ぶ「目の前で救えなかった犯人」。そのショックはコナンの中でとてつもなく大きかっただろう。しかも、遺された灰原に「どうしてお姉ちゃんを助けてくれなかったの?」と涙を流されたこともあります。
「明美の死」という責任を背負っているコナンにとって、灰原の目の前で姉がネガティブな存在に貶められるのが許せなかったのでしょう。だから、アニメで強調された「怒り」の部分も、納得できます。
■【今週のおすすめ】『アンゴウ』坂口安吾
今回ご紹介するミステリーは、「感動できる暗号事件」ということで、坂口安吾が1948年に発表した短編『アンゴウ』。新潮文庫の『不連続殺人事件』に併録されています。
主人公・矢島は神田の古書店で、戦死した親友・神尾の蔵書を見つけ、購入する。その本には暗号が書かれた紙が挟まっており、解いてみると、神尾が女性と密会していた疑惑が浮かび上がる。矢島は、相手が自分の妻・タカ子ではないかと疑う……。
というお話。暗号は登場するだけで謎解き要素は特になし。でも、結末にはビックリしました。読み始めた段階では予想できない、意外な感情に浸ることが出来ます。