舞台付箋 DisGOONie Presents Vol.12『玉蜻 新説・八犬伝』
2/10夜初日公演を観ました記録。半年強振りのディスグーニー乗船。
■公演概要
公演期間
東京 2023年2月10日(金曜)〜2月19日(日)
EX THEATER ROPPONGI https://www.ex-theater.com/
大阪 2023年2月25日(土)〜2月26日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール https://cjpo.jp/
・グッズ
劇場販売
公演パンフレット(A4 28p)2,500円、公演ブロマイドL版全12種(5枚1組)各1,000円、公演オールキャストブロマイドL版(12枚1組)2,000円、公演オリジナルアクリルスタンド全11種 1セット1,500円
・チケット
全席指定 ¥11,000(税込)
(特典:DisGOONieオリジナルマルチケース付)
■出演
犬塚信乃:崎山つばさ
夕(はろか):藍染カレン
犬江親兵衛:糸川耀士郎
犬川荘助:砂川脩弥
浜路:柳美稀
月唄/犬村大角:椎名鯛造
玉梓/伏姫:田中良子
犬田小文吾:村田洋二郎
犬山道節:川上将大
犬飼現八:谷口賢志
金碗大輔:萩野崇
犬坂毛野:北村諒
書川勇輝 本間健大 和田啓汰 田上健太 中土井俊允 佐藤佑樹 赤江耕之助
岡本麻海 松野咲紀 佐藤侑愛 木村つかさ 樽谷笑里奈 大澤えりな
■作品概要
でぃすぐーにー12作目。
■舞台付箋
生きること、死ぬこと、生きながら死んでいること。それでも生きていくこと。生きていた者が生きている者に託すこと、今、此処に在る者達が、今、これからを生きていくこと。
『私は信じています。出会うことを、この旅の先を』
『俺たちは旅をします。そうじゃなきゃ、出会えない』
この台詞が、この作品を通して一番自分の中に伝わってきた言葉だと思っている。
なお筆者は原作の八犬伝を読んでいないので、この舞台はこの舞台として楽しもうと決めたものの、今作は原作を知っているともっと楽しめるだろうなというのがひしひしとしている……。八犬士同士の因縁と、八犬士とその外の人物達との因縁が絡まりすぎていてややこしい……! twitterのRTで見かけたnoteのたまかぎ感想など他の方の感想を眺めると記憶を反芻しながらもう一度楽しめる感じがする。ありがたやありがたや。
・OPから美しい
西田舞台ではほぼ必ずと言っていいほどあるオープニングシーン。ことの始まりと、一瞬に込められた重要な情報を込められた演出など、深読みをしてもしなくても見える美しい光と影と人間の光景。込められた意味(があったとして)を二度目に読み取れた時にウッと胸に来るのも楽しい。
最初に玉梓(田中良子)が生み出す光のたま、色のない光は、その場から紡ぎ出される物語のよう、世界のようで美しい。
今作の為に書き下ろされた笹川美和氏の楽曲『透明色』のメロディも優しく、美しい。
・登場人物全ての人間が美しい
犬塚信乃(崎山つばさ)を筆頭にメインキャストが格好良い/可愛いというのは嬉しい限りなんだが、玉梓(田中良子)、大輔(萩野崇)も落ち着いた芝居が美しい。正式な名称がわからないので”時の妖精さん”と呼んでいる時に八犬士の縁者を演じ、時にアヤカシとなりて現れる、白い衣装をまとったダンサー達も美しい。彼ら、彼女らが暗闇の中で、仄かな/眩いばかりのライトを浴びて輝いている姿を目に止めるのが、とても楽しい。
・客降り演出有り
飛沫に配慮して台詞を言うことは無いものの、通路を歩いたり、走ったり。二幕終盤では犬飼現八(谷口賢志)の弓の攻撃だってする。あのタイミング、通路からやるのが一番空間を広く感じて楽しい。
■その他ミリしら自分向け資料など
登場人物調べる用wiki該当ページ
・原作八犬伝ミリしらの人の為の八犬士どこに痣があるのかメモ
犬塚信乃:崎山つばさ
→犬塚 信乃 戍孝(いぬづか しの もりたか)
→孝の珠を持つ。左腕に牡丹の痣。
夕(はろか):藍染カレン
→玉かぎる の枕詞に続く掛詞のひとつ。
犬江親兵衛:糸川耀士郎
→犬江 親兵衛 仁(いぬえ しんべえ まさし)
→仁の珠を持つ。脇腹に牡丹の痣。
犬川荘助:砂川脩弥
→犬川 荘助 義任(いぬかわ そうすけ よしとう)
→義の珠を持つ。背中に牡丹の痣。
月唄/犬村大角:椎名鯛造
→犬村 大角 礼儀(いぬむら だいかく まさのり)
→礼の珠を持つ。左胸に牡丹の痣。
犬田小文吾:村田洋二郎
→犬田 小文吾 悌順(いぬた こぶんご やすより)
→悌の珠を持つ。尻に牡丹の痣。
犬山道節:川上将大
→犬山 道節 忠与(いぬやま どうせつ ただとも)
→忠の珠を持つ。左肩に牡丹の痣。
犬飼現八:谷口賢志
→犬飼 現八 信道(いぬかい げんぱち のぶみち)
→信の珠を持つ。右の頬先に牡丹の痣。
犬坂毛野:北村諒
→犬坂 毛野 胤智(いぬさか けの たねとも)
→智の珠を持つ。右肘から二の腕に牡丹の痣。
・児孫まで、畜生道に導きて、この世からなる煩悩の、犬となさん
玉梓の里見の家の、里見義実に対する呪いの言葉。
・玉の名前が変わる話
原作に準じている模様。「仁義礼智忠信孝悌」→「如是畜生発菩提心」
如是畜生発菩提心(にょぜちくしょうほつぼだいしん)……畜生にも菩提心(道徳心、宗教心)を持てと説くこと
仁→如
義→是
礼→畜
智→生
忠→発
信→菩
孝→堤
悌→心
・新説・八犬伝の名前について
今回のタイトル、馬琴の作品『南総里見八犬伝』と『椿説弓張月』を掛けてたんじゃないかって調べる用
・書き下ろし楽曲 『透明色(トウメイイロ)』/笹川美和 配信あり
・分かりやすいたまかぎ考察・感想ありがたや
・たまかぎ新説八犬伝は二周目の世界何じゃないか妄想
犬塚信乃を起点とする二周目の物語。
刀は人で、人は心で、心は自分。
透明とは「そこに在るってことで」、「あなたに意味はちゃんと在る」「あなたはあなたが創るのよ」
玉蜻または透明 南総里見八犬伝。
これはきっと、南総里見八犬伝という太陽から光をうけた、幻月。
幻月に映る色のない光、透明の物語かもしれない。
太陽ではないからと言って意味のないものではない、透明というこころの物語。