舞台付箋 剣劇『三國志演技〜孫呉~』
俳優・荒牧慶彦×梅津瑞樹 W主演!の舞台作品。4/16大千秋楽おめでとうございました。殺陣が沢山ありそうなので当日引換券で観てきました4/6夜公演メモ。
■舞台付箋
三国志、三国志演義は他作品のふわっとした知識しかないものの、殺陣のある芝居を観たくなったのでふらっと行ってきました。
孫堅によりまとまっていた呉の国で、その柱だった孫堅が戦で黄祖により討たれ、元気のいい孫策が後継となる。それを軍師として支えるのが孫策との旧知の仲であり気弱な風もある周瑜。若さによる猪突猛進の勢いを持つ孫策と、悩みながらも策を弄する周瑜により呉を更にまとめあげようとするが、韓当初め古参の臣下達は、孫策に孫堅と並ぶ力はないと反発を受け、混迷の時代を迎える。そんな中でもひたすらに前を向く孫策とそれを支えようと努める周瑜のバディ物語……かと思ったら、孫策は己の人生に孫堅の影を幻視し、亡き父の亡霊にただ認められたいが為に戦を仕掛け、人を殺し、戦争に明け暮れたのだ……! という偉大な父且つ大将軍とその子と、更にその弟の親子関係を描く中盤からの展開がずんと重くて内心ウワァァァってなった。偉大な父の影響を描くとき、超えるか倒すか憧れるか……その全部乗せのような何と言うか。
荒牧氏と梅津氏の殺陣を見る目的で行ったので他の出演者を全く調べずに現地に行ってみたところ、全ての視線を太史慈(早乙女友貴)に奪われました。もう目が戻ってこなかった。美しい。殺陣シーンは孫策も周瑜も強く早く勢いのある素晴らしいものでしたが、板の上に出てきたらもう殊更目が離せなくなってしまうのが太史慈でした。彼の剣も槍も扇の舞も全てが美しい。良いものを見ました。
3時間15分のうち、2時間ほどの一幕が本編、25分の休憩を挟んで二幕は「特別御前試合(スペシャル殺陣ショー)」とのことで、二幕は何も考えずにひたすら殺陣を楽しむ時間に。と思いきや、一幕を踏まえた夢のような時間ということで舞台的にも落ち着けるオチがついていて物語の一部になっていたのが面白かったです。
始終、勢いよく手数も多く、それでいて安心感のある殺陣だなと思っていたら、アクション監督が栗田政明氏でした。刀ステや少年社中の舞台で同じくアクション監督されてる方でしたね。納得。
余談。本作の感想があっさりめなのは最初に観た舞台を親だと思ってしまうので(過言)、自分の好きな別のNSD舞台の殺陣と似ている、だとかそういう感想が過ぎってしまっていたのでした。剣がヒトの腕の指先の先の器官であったなら、という感覚を抱いた殺陣をしていたのが早乙女氏だけだったのもちょっとある。しかし見栄えの為だけに勢いが良いばかりは演者達が危険だし、無理な動きをして欲しい訳でもなく。殺陣って難しいな……
■公演概要
脚本・演出:末原拓馬(おぼんろ)
音楽:山内 薫
企画:荒牧慶彦
公演期間
2024年4月5日(金)〜4月16日(火)
明治座(東京都中央区日本橋)
https://www.meijiza.co.jp/
・チケット
1・2階席…:12,500円(全席指定/税込)
3階席……9,500円(全席指定/税込)
見切れ席……9,500円(全席指定/税込)
■出演
孫策:梅津瑞樹
周瑜:荒牧慶彦
孫権:廣野凌大
黄蓋:高木トモユキ
程普:富田翔
劉表:冨田昌則
韓当:郷本直也
太史慈:早乙女友貴
孫堅:松本利夫(EXILE)
黄祖:玉城裕規
奥平祐介 工藤翔馬 下尾浩章 高田紋吉
千葉雅大 中村宏毅 日南田顕久 藤原儀輝
星 賢太 宮永裕都 横田 遼 横山慶次郎
開戦の語り――津田健次郎
■作品概要
俳優・荒牧慶彦×梅津瑞樹 W主演!脚本・演出家 末原拓馬とタッグを組み
“三國志”の壮大な物語を殺陣とアクションで魅せる!! とのこと。
明治座の花道、回転舞台をふんだんに使ったアクション舞台。
剣劇「三國志演技~孫呉」公演記念 おみそ汁《全3種》、なるハナマルキとの限定ブロマイド付きコラボレーションお味噌汁も販売。