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自信と謙虚の両立。ライターに不可欠な心がまえ
「自分のライティング技術に自信がない…」と悩む駆け出しライターさんは多いかもしれません。私の駆け出し時代を振り返っても、やはり「こんな原稿で大丈夫かな…」と不安でいっぱいでした。むしろ自らをライターと名乗ることすら恐れ多いと思っていたくらいです。
10年間走ってきた今、ライターとしてある程度の自信は持てるようになりました。クライアントの役に立てるという自負もあります。でもね、間違えても自分のスキルに過信してはいけないと思うのです。常に良い記事を書けるようになるための向上心をもって、かつ人間力を磨く必要があります。
自信をもちながらも謙虚であれ――一見矛盾するようですが、フリーランスとして生き抜くためには大事な要素だなと。という訳で、駆け出し時代から現在まで、私がどのように「自信」と向き合ってきたのかを記していきます。
初心者ライターが自信をもつための考え方は?
取材ライターを始めて間もない方が、自信をもつというのは難しい話ですよね。私は出版・広告業界出身ではないし、一流のディレクターさんに恵まれてはいましたが、ライターを始めて2~3年間は常に自信がない状態でした。
勉強のためにと、書籍や雑誌、ネット記事などを読み漁っていると、自分では到底書けないようなハッとするような記事に多々出会います。その度に落ち込み、凹むだけではいかんと立ち上がり、自分の糧にすべく学んだことをメモする――そんな繰り返し。自分の書く原稿に自信をもてるライターになりたいと奮起していました。
そんな自信のない駆け出し時代でしたが、クライアントさんには「できます!」「書けます!」「頑張ります!」の姿勢を見せていました。
もし私が会社員だったら、スキル皆無状態でも上司は気長に育ててくれたでしょう。でも、フリーランスは違います。「このライターさんは信頼できる」という判断を担保に、仕事を依頼してくれているのです。
という訳で、駆け出し時代に自信がないのは仕方がないこと。実際、至らない部分はたくさんありました。でも、真摯に仕事に励み成長し、信頼を勝ち得たからこそ、お仕事継続につながったのだと振り返って思います。とにかくつべこべ言わず、ハッタリでも継続するしかないんだ!
小さな成功体験の積み重ね
もちろん「私はできる!」とセルフマインドを高める効果はあるけど、いまできていないことを「できる!」と思い込むのは結構難しいですよね。私もそうでした。
そんな方が自信を持つために必要なのは、「小さな成功体験を積み重ねること」です。内容は何でもいいんですけど、例えば、
・インタビューを時間内に終了できた
・話し手がイキイキと語ってくれた
・納得のいくリード文が書けた
・リズム感良く書けた
こんな感じで、とにかく良かったところを見つけて自分を褒めます。記事は書けば書くほどうまくなるので、過去の私より少しでも成長していたのなら素直に喜ぶが吉。継続のポイントは、自分を上手くコントロールすることです。
赤字は当たりまえ。常に謙虚に成長する
駆け出し時代の私は、ディレクターさんからの赤字フィードバックがひどいものでした。「こんなことも分からないなんてプロのライターとして失格です」と厳しい言葉を受けたこともあります(泣きました…)。
でもね、今から振り返ると、その赤字があったからこそ成長できた。ディレクターさんは厳しい方だけど愛があって、私の至らない文章と根気強く向き合ってくれました。その仕事は長く継続していて、7年目となる現在は大きな修正はほぼない状態になっています。我ながら成長したなぁ。
とはいえ、いまだに赤字はあります。それは私が未熟だからというより、「こうすればもっと良くなる」という編集部の解釈が加わったからということ。私は完璧な原稿を出せればベストですが、編集部との意見の相違はどうしても出てきますし、共通するゴールは「良い記事をつくること」なので赤字はむしろありがたい限りです。
いまだに成長の機会をいただけるので、ありがたく感じながらお仕事しています。なかには赤字に納得がいかなくて、お仕事を辞めてしまうライターさんもいるようですが、そういう方は作家気質なのかなぁと。
クライアントに貢献できる記事を書ける、こんな自信を持ちながらもどこまでも謙虚に。ゴールは常に「良い記事をつくること」。ライターとして常に心に留めておきたい私の信条です。
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