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尺八といけばなのワークショップ、これまでしてきたこと

こんにちは。
ワークショップ二人展「わする」の2回目の投稿です。
今回は各々のワークショップがこれまでにしてきたことをお話ししていきます。

前回の記事はこちら↓


◯尺八ワークショップ

尺八のワークショップでは、楽器の体験をしていただいています。

尺八という楽器、現代では実際の楽器にみたこと触れたことがないという方がほとんどで、生の音を聞いたことがある方もあまり多くないようです。
しかし、この楽器の魅力は実際に手に取って息を入れてみて、音が鳴ったり鳴らなかったりする、その嬉しさや悔しさにあるし、コツが掴めた時にふっと力みが取れて自然に色々なことができるようになる、そんなところだと感じています。
つまり、実際にやってみていただかないことには始まらない。

そんな実感を頼りに、尺八ワークショップでは楽器を手にとって、色々なことを(できれば嫌にならずに!)試していただけるような工夫を心がけてきました。
具体的にはストレッチや呼吸のエクササイズを取り入れたり、自己紹介の時間を入れたり、名札を付けていただいたりといったことを取り入れています。
また、最後には生演奏で邦楽の曲をご紹介してプログラムの締めとしています。

ご参加いただいた方からは、「音が出て嬉しい」「出なくて悔しい」という感想をいただくことが一番多いと思います。あとはワークショップの形で、他の方と一緒に進められるということを評価して下さる方も結構いらっしゃいます。
会場の三光院さんの雰囲気が素敵だからとか、演奏を聴きたくて来ましたと仰る方もあり、色々な楽しみ方をしていただいているようです。

最後にワークショップをやってきて一番驚いていることを書くと、毎回参加しても月に一回という、楽器を上達するにはかなり低頻度な会にもかかわらず、参加者の皆さんが着実に上達してきたということです。
前回できたところからスタートして、できることを増やして帰って行かれる。
色々なことを試してみるということの力と、それをしやすくする集団の力というものを如実に感じています。

まだまだ工夫を重ねていけると思いますし、これからも邦楽が親しまれていくために大切なキーもこういったところにあるのではないかと感じています。

(津上)

 
◯いけばなワークショップ

いけばなのワークショップでは、実際にお花をいけていただいています。
「わする」で共有する「やってみなきゃわからない」という標語のもと、いけばなのワークショップにおいても実際にお花にふれてみることを大切にしています。

花材はすべて境内のお花を使わせていただきます。そのお花は私があらかじめ準備しておきます。実際のワークショップでは、参加者の皆さんは全員でお花を一本ずついけていき、一つの作品を完成させる「連花」を2回行います。1回目は参加者一人一人がどのような意図でいけるかを説明しながらいけ、2回目は言葉を発しないで、前後の人の動きからその意図を汲み取りつついけます。

いけばなはそれ自体で成立する側面もありますが、実は多くの文脈の中に位置づけられる側面が強いです。それは例えば季節や、それに伴う花材、いける場所や花器などです。こうした様々な文脈がある中で、このワークショップでは人との結びつきという文脈を重視します。参加者同士で話し合ったり、或は言葉を介さずお互いの動きから何をしようとしているのかを汲み取ったりすることで、いけばなの持つ文脈の中に自らをどう当てはめていくのかを体験していただいています。

ご参加いただいた方々のご感想のうち、大きくいけばな未経験者と経験者とに分けてお話ししたいと思います。前者のいけばな未経験者において、たとえばUさんは、「季節ごとに違うお花に触れることができるのが楽しい」と仰ったり、またMさんは、「一人でやるときよりも一緒にやることでよくいけられた」と仰っています。

一方、後者のいけばな経験者において、たとえばSさんは、「通常のいけばな教室より気軽に参加できる」と仰ったり、またKさんは「自分の作品に他人が入ってくる経験をしたことがなかったので驚きだった」と仰っています。

こうしたコンセプトのもと工夫を重ねていき、いけばなのもつ面白さ・奥深さを体験していただけるようにしていきます。

(柳川)


今回はここまでとさせていただき、次回はなぜこのワークショップなのかについてお話ししていきます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

(柳川)

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