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【和食ランゲージ通信Vol.10】出汁のうまみ

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西洋や他のアジア諸国のように獣肉の脂やタンパク質、また刺激的なスパイス類を歴史的にあまり使用しなかった日本では、鰹節、昆布、煮干し、椎茸などの食材から引く、洗練された独自の味わいが発達しました。中でも和食の出汁の基本となる昆布と鰹節を合わせる出汁は本膳料理や懐石料理とともに発達し、室町時代以降に文化として広まったとされます。

日本の出汁には、他の食材の風味の邪魔をせずに味わいを引き立てる力があります。出汁のうまみが加わることで、野菜や海産物を中心とした淡白な食材でも、美味しく味わうことができます。

出汁の引き方にも日本人の粋と繊細さが表れています。野菜や獣骨を長時間かけて煮出す西洋料理とは対照的に、日本の出汁は短時間で引き終えます。鰹節はほんの一瞬しか煮立たせませんが、その時点でうまみの九割ほどが抽出されます。逆にそれ以上煮込んでしまうと、えぐ味が出てしまうため、この時点で火を止めます。うまみを最大限引き出しつつ、余分な雑味はなるべく避ける、繊細で粋な日本人の技術と感覚が垣間見れます。

出汁の活用方法は幅広く、具材と味噌や酒を加えて味噌汁やすまし汁として楽しむことはもちろん、一つの調味料としても使用します。味付けが濃くなってしまった際や、味に物足りなさがある際、塩味のない出汁を加えることで味のバランスを調整したり、味に深みを加えたりすることができます。また出汁に醤油や味醂などで味付けをした「割り下」は鍋物や丼物など多くの料理の下味として使われます。

出汁のうまみ

和食ランゲージNo.7

08_だしのうま味

「出汁」のうまみは、和食の味わいを支える基礎です。

おすずの一言

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次回もお楽しみに!

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