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叱る人の心理 なぜ怒る?
本日は、叱る人の心理、というテーマでお話しします。
叱られているときに、相手はどう思っているのかとよく思いますよね、皆さん。
僕もよくお叱りを受けます。 患者さんから受けることもあれば、スタッフからの「いや、益田さぁ…」「益田先生!」「ドクターさぁ…」というのもあるし、YouTubeで色々あるし、大人になったら叱られることはないと言いますけど、それは上からガーンとすごく感情的ではなくても、やはり注意されることはあります。
そうでしょう、と。
それはトラブルに対して相手が怒ったり、怒らざるを得ない状況だったりで、聞き手がいて、こういう3者関係になるということ、3者状態はよくあります。
それは生きていたらあります。
◾️仕方がない
そういうときに、じゃあどうしたらいいのかというと、いつも言ってるんですけど、仕方がないと思うしかないんです。
起きたことは仕方ないので、不安やトラウマに支配されず、今やれることを、最善のことをやるということです。
それ以上でもそれ以下でもないということです。
そんなこと精神科医に言われなくてもわかってるよ、と言われますけど、でもそうなんだよね。
そういうもんです。
ただ、精神科医ならではの視点から捉え直すと、より仕方がないと思いやすいというか、合理的に考えやすいということもあるので、動画を撮ってるということなんですけどね。
例えば、なぜこのトラブルや失敗が起きたのかというと、一人の行動一個だけでガツンと決まるということはないので、ある程度複雑なシステム的に起こるべくして起こっていることが多いです。
因果関係とは言いたくないんですよ。
因果関係というよりは、相関関係に近いというか、構造の問題だったりもするので、あんまり因果関係とは言いにくいんですけど、全ての重ね合わせの結果だから仕方ないんです。
ちょこちょこ、ちょこちょこ色々なシステムを見直して、システムごと改修していかなければいけないんですけど、なかなか…ということです。
相手に対しても、こういう人だから仕方ないなということなんです。
この人はこう言ってるけど、この人もこういう弱みがあるし、こういう人だから仕方ないなというのがあります。
何で事情をわかってくれないのかな、と思いますけど。 最近僕が思うのは本当によく思いますね。
お爺ちゃんたちだからなと思うことが結構あって、でもそのうち自分も言われるんだろうなと思いつつ、あぁこれか、と思いました。
年を取ることで能力が落ちていく、知識に偏りが出てくる、今のことがわからなくなってくることの、これ自分が悪いんじゃなくて、あぁこれか、というのが最近増えました。
昔はやはり自分の未熟さばかり目につきましたけど、最近は、あなたたちが言ってることもわかるんですけれどもねぇ…みたいなことが増えました。
あとは、自分も言われるだけのところはありますから。
もちろん叱られる方にも叱られるなりの理由があるわけで。
ただどうしようもないことってありますよね。
やってないんだろう、やれるだろう、と言うけれども、will not = cannot なので、できないんです。
少なくとも今はできてない、できないので。 できないから問題が起きているということになります。
仕方ないんだよね。
じゃあどうやってちょこちょこ、ちょこちょこ直していくのかということと、あとは全てを問題解決に充てていたら人生終わってしまうので、それはちょっとあまりにもつまらないというか、もったいないので、生まれてきて良かったと思える瞬間が少しでも増えるように、問題ばかりに目を向けずやれることをやっていくというのが精神科の治療の基本となります。
◾️叱る人はどんな人?
じゃあ叱る人ってどんな人なんだろうというと、色々ありますけど、例えば精神科的にはうつ状態、心身の疲労がたまっていて怒りっぽくなっているのかな、不安を感じやすい人、いわゆる世間でいうところのHSPということですけど、そういう人たちはやはりストレスを溜めやすかったり、敏感で落ち着かないんです。
落ち着かなくて、自分の不安を相手に投影している、転移させてるということから怒ってしまう、怒らざるを得ないこともあるだろうし。
発達的な問題があるので勘違いをしている。
発達や知的な問題があるせいで勘違いをしていて、相手が悪いと思っている。
この人が悪いんだと思っているということもあるだろうし。
あとはB群のパーソナリティ症です。
自己愛性パーソナリティ症、境界性パーソナリティ症、そういう人たちというのは、人間とはこういうものであるという人間像に歪みがあったりして、相手をストレートに理解できてないこともあるので、そういう場合は怒ってしまうということです。
感情的になり過ぎてしまうので、叱るんじゃなくて、怒っているというか、パワハラのようになっているということがあったりします。
こういう診断基準を満たすのか、診断基準を満たさないけれどもこういう傾向があるのかということを精神科医だと考えます。
つまり人間というものがどういうものかと考えていくときに、とても複雑だし多様なので、そのままを見始めるとちょっとこんがらがるです、人間の脳の認知機能が追いつかないので。
ある程度知って、僕らの場合は疾患カテゴリーや体系化されているものがあるので、それを応用して相手を理解するということになるんですけど。
精神科医目線だとこう見えます。
もうちょっとそのメカニズムを解説すると、例えば人は絶えず脳みそで予想してるんです。
予想を超えたときに頭がフル回転するんですけど、予想外のことが起きて、だんだんキャパを超えて、自分のキャパを超えちゃう。
それが体力的に超えている。 体力がないときに超えてしまうから、怒ってしまう。
つまりうつ状態のときですよね。
あと能力的なものですよね。
心理的耐性能力、知的な耐性能力、心理的であれば不安症だし、感情が高まったり、感情がいきますよね、嫌なこと、怖いところへ行くと感情がグワッとくるんだけど、そこに支配されない、そういうされやすい人とされにくい、されやすい人というか、不安が高まりやすい人、高まりにくい人がいて、高まりやすい人は不安症とかになるし、高まりにくい人は鈍感ということになるだろうし。
あと、知的能力の問題で、キャパの予想外のことが起きすぎるということもあるんです。 だからあらかじめシミュレーションをしておく。
こういう失敗が起きるんじゃないか、とシミュレーションをしておく。
相手はこういう反応をするんじゃないかというシミュレーションをしておくということが大事なんですけど、それは意識的か無意識的かはアレですけど、それができないとキャパを超えてしまうことがあります。
あとは嫉妬や無意識の作用です。
相手を嫉妬しているから怒っている。
ここぞとばかりに怒る。
自分の中のトラウマがあって、相手がそのトラウマの相手に似ているから怒ってしまう。
あと、そもそも人間というものをちゃんと理解してない、というか。
社会とはこういうものである、人間というのはこういうものだよ、と理解してないから怒ってしまう。
10代の子どもみたいな形です。
それが大人になっても起きてしまうことがあります。
◾️甘えの文化
結局リーダーシップやマネジメントの問題と言えば問題なんだけれど、なかなかリーダーシップ教育、マネジメント研修というのは日本は普及していないですよね。
日本はやはり甘えの文化なんです。
甘えてるとよく言われますし。
あとお殿様、お子様文化なんです。
だから上の人ほど何もしなくていい、子どもほど自分たちは何もしなくていい、助けてもらえるものだという形になって、庶民というか中間層は必死に働け、上の人はお殿様なんだから助けろみたいな、そういう儒教の悪いところが出てしまっているのが今の日本というか、形です。
これまでの価値観や政治体制、社会体制、家族の体制が変わっていく中、欧米の価値観の人たちが変えていってる、どうしても世界の中心がそこなので。
連動性が悪いんだよね、元々そこでできているものだから、日本だと二手三手遅れてしまうというか。
自分たちが持ってた良いものが逆に足を引っ張ってしまうみたいなところがあって。
そこが日本の精神医療の、ヨーロッパやアメリカとの違いというか。
ヨーロッパはヨーロッパで、アメリカはアメリカで、その独自の国の文化と精神疾患の兼ね合いで、また別の問題を抱えてるんですけど、日本の場合はそういうとこあるなと思います。
あとは老害、世代交代、色々ありますね。
どうしたらいいのかということですけど、悪いことは悪いので淡々とやっていく。
謝ることは謝るし、出来ないことは出来ないと言う。
コスパが悪かったら裏切り者と言われても仕方ないんだろうなとは思います。
やはり失敗や別れというのはどこか必要なことがあるので、それは痛みを伴いますけど、こちら側も相手側も、どこか成長や学びのためには必要なのかなという気もしてしまいます。
トータルで見るとそういうことなのかなという風に最近は思います。
ということで、今回は、叱る人の心理、というテーマでお話ししました。
◾️本日の宿題
今回の宿題は、こういう人だからなんだろうな、ということを、あなたが体験した、あぁこの人はこういう人だから怒ってるんだな、というのを皆さんちょっと考えて、コメント欄で書いていただけたらいいなと思います。
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