なぜあなたは攻撃されるのか
本日は、なぜあなたは攻撃されるのか、なぜあなたは上司から攻撃されるのか、というテーマでお話しします。
️◾️上司が上司として振る舞えない
上司からなぜ攻撃されるのという話を考えていくと、まず上司が上司として振る舞えていないからです、なぜかというと。
なぜ攻撃されるのかというと、言い換えみたいですけど、上司が上司として振る舞えていないからなんです。
上司としての振る舞いとは何かというと、指示する、こういう風にと指示する、マネジメントする、部下の健康状態も含めてマネジメントする、把握していく、把握した上で指示する、できていなかったら教育する、いよいよダメだったら処分するということなんです。
処分じゃなくて、処分は攻撃に入らないということなんですけど、それは契約関係の破棄なので、契約関係がうまくいかないね、じゃああなたは辞めてもらいます、というだけなので、攻撃とはまたちょっと違うのかなと思います。
この4つの機能を果たさずに感情的なものだけを攻撃というのかなという気がするので、適切に処分されているときに攻撃されてるともし思うんだったら、教育を受けてるとき、指示されているのに攻撃をされてると思うんだったらこちら側の問題ですけれども、そうじゃなくて、ちょっと不適切な私的な攻撃、人格や専門性を否定するような言動は攻撃だと思うんですけど、基本的にはこういうことかなと思います。
なぜ上司は上司として振る舞えていないのか。
この4つの機能を満たせていないのかというと、無意識の影響を受けている可能性があります。
今回はその無意識の話を詳しく説明します。
◾️投影、転移、投影同一視、逆転移
投影、転移、投影同一視、逆転移というこの4つは精神医学や心理学でも最初の方に習う概念なので、皆さんにも知ってもらいたいなと思います。
この投影、転移、投影同一視、逆転移というのは何かというと、精神分析です。
19世紀から20世紀初頭にフロイトによって作られた心理療法の一派なんですけど、その一派が作り出してきた概念です。
投影というのは何かというと、上司があなたのことを嫌いなんだけれども、嫌いだと思わないように、自分で思わないようにして、逆に嫌われてると思うことを投影と言ったりします。
だから攻撃するということです。
ややこしいね。
嫌いだから攻撃するんじゃないです。
嫌いなんだけど、この部下のことを嫌いだと思うと、私は上司として私情を持ち込んでいることは良くない、だから嫌いだと思わないようにしようと押さえつけるんです。
否認しようとしている、押さえつける、その感じを。
そうすると、嫌いなんだけど、冷静に教育しないとな、処分しないとなと思えばいいんだけど、そうじゃなくて、冷静になれず、今度は嫌われてると思うんです。
こいつ俺のこと嫌いなんじゃないかと。
嫌いなやつだから嫌い返してやれ、と思うというね。
何かややこしいんだけど、そういうのを投影と言います。
そんな複雑なことやってるんですか、と言われそうですけど、やってるんですね、これ。
これは理屈じゃないのよね、精神分析は。
理屈というよりは、どちらかというと診察室で色々な患者さんと話している中で発見してきたものなんです。
この人、本当は嫌われてなくてお前が嫌いなんだろう、と周りの人は思うんだけど、本人は気付いてないみたいな。
嫌われてるから攻撃してるんだと言ったりするんだけど、人間はこういうややこしいやりとりをして自分を守ろうとするんです。
ややこしい理屈を使ってね。
こういうのがあります。
あとは転移ですね。
この人を見ると、昔のあいつと同じだと感じてしまったり、それを感じているんだけど感じてないふりをしようとしたりするんです。
例えばメガネをかけている大柄の男の人を見た時に、昔そういう上司がいていじめられたことがあって、その上司から。
目の前に似ているようなやつがいるから仕返しをしてやろう、何となくお父さんに似ているから仕返ししてやりたいな、何となくお母さんに似ているから頼りなさそうだし仕返ししてやりたいな、守ってあげたいな、そういうのを転移と言ったりします。
過去の自分の記憶にある人物とグチャグチャになってしまうんです、目の前の人が。
その結果、変な行動を起こしてしまうというのが転移です。
あとは投影同一視ですね。
投影するということです。
投影する。
嫌いという象徴になるんです、投影同一視というのは。
嫌いが同一で嫌いなものを同一視する。
何かややこしいんですけど、そういう感じです。
自分の中にある感情の象徴、アイコンみたいになるんです。
例えばコロナ禍の時には、子どもたちの間で「コロナ」と同級生をあだ名をつけていじめるということが、子どもたちは同級生の一人にコロナというあだ名をつけて、その子を集団でいじめるということが世界中で見られたそうなんです。
これは何かというと投影同一視なんです。
自分の中にコロナという不安な気持ちがあって、それを自分の中で解消できないから外に出したいんです。
目の前にいるこのコロナというあだ名の同級生をいじめたりすることによって解消される、憂さが晴れていくというか、問題解決した気になるというのが投影同一視というやつなんですけど、こうなります。
今仕事がうまくいかないのは、自分の私生活がうまくいかないのは、給料が上がらないのはこいつのせいなんだと投影同一視、この部下がこんなやついるからなんだと言って、教育し直してやらなければ攻撃しなければいけないという風に思ってしまうのが投影同一視です。
こういうのが結構あります。
例えば景気が良くならないのは政治家が悪いんだと。
政治家が悪いというか、こいつが悪いんだみたいな、この人がいなければみたいな感じなんだけど、そんなにこの人単独犯ではなかったりするので、そういうのはあります。
もちろん全体が悪いこともあったりします。
だけどそのメタファーというか、その象徴になってしまうということがあるんです。
これはでも思います、僕もYouTubeやっていて、なんだかんだ言って色々な人に見てもらってるし、初めて精神科医を知るきっかけかもしれないし僕のYouTubeが、僕の話を聞きながら初めて精神医学やそれに関係するような哲学的な話、世間の嘘、常識を否定するような言動を聞くので、びっくりして苦しくなってしまう人たちがいると思うんです。
そういう中で病気を受容したり、障害を受容していく、受け入れていく、納得していかなければいけないんだけれども、やはり最初は否定したいんです。
嫌だ、そんなこと思いたくない、もっと楽に助かる方法を教えてくれ、みたいな感じになるんだけど、僕はそんなことを言わないから嫌な気持ちになってしまう。
嫌な気持ちになってしまうんだけれども、それの象徴が益田裕介になってしまうというか。
誰が言ってもいいんだけど、別に僕が言ってる話じゃないんだけど、もう益田がその象徴になってしまうみたいな、アイコンになってしまってて、投影同一視の対象になってしまう。
益田を否定することによって精神医学は健全化し万能なものになり、そして僕らは自分の努力を必要とせずに治っていく、優しく理解されると思ってしまう人達が一定数います。
投影同一視の対象になっているな、ここまで露骨でわかりやすいものは少ないと思いますけど、その片鱗を見ることは時々ありますけど、こういうのも投影同一視の作用なんだろうなと思います。
あとは逆転移ですね。
相手が嫌いだと思っていることに対して、何となく人間には共感性があるから、部下が上司のことをお父さんみたいで怖いなと思っていると、何となく上司の側も共感しているがゆえに、お父さんっぽく振る舞ってしまうんです。
その人のお父さんのことを知らなくても、知らないうちにそうなってしまうんだよね。
共感性やそういう同調性、同期性があるがゆえに、何となくこの人の前に行くと嫌なやつになってしまう、そういうのがあったりします。
これを逆転移と言ったりします。
こういうことがあります。
この患者さんの前に行くと、なぜか知らないけど、こういう言い方をしちゃうと。
それはもっと細かいことを言えば、その人の喋り方や口調、おどおどした様子、色々あったりするんだろうけれども、でも何となく何かよくわからなくて、普段の自分でいられなくて、言ってやりたくなったような感じというのがあって、それが逆転移だったりします。
これは無意識の作用が動いていたりすることがあったりします。
ということです。
上司が上司として振る舞えない理由として、こういう無意識の作用があるんだけど、これを引き起こす人と引き起こさない人がいます。
引き起こすのはなぜかというと、何かしらの上司側にもそういう問題があるんです。
IQ的な問題なのか、ストレスが溜まっているのか、パーソナリティ・ファンクション、人格機能が成熟してないのか、ライフステージの問題として初めてだからできてないのか、何かしらの体調、何かしらのその上司の方にもストレスだったり機能が落ちているんです。
上司としての機能が落ちている。
振る舞うだけの体力や心力が足りてない時に、やはりこういう無意識の影響がモロに出てくるので、そういうことなんだろうなと思います。
️◾️部下はどうすればいい?
じゃあ部下側はどうしたらいいのかということです。
どうしたらいいのかというと、まあいつも言ってる話なんですけど、仕方ないなと思う、仕方ないなと思うことなんです。
確かに嫌なんだけど、仕方ないなと思って、やれることを淡々とやると。
切り替えていくということなんです。
相手をしっかり見て、こんな奴なんだなと理解して淡々と振る舞うしかないんだろうなと思います。
部下や若い人たちだと、上司の人をすごく理想化していたりというか、大きく見えるんです。
でも、同級生の誰々に似てるなと考えると見えてくると思うんです。
自分のクラスや友達、友達というよりはクラスの一員と考えた方がいいです、どちらかというと小中高、大学、どれでもいいんですけど、そのメンバー全員の中の誰に似てるかということを考えると、こいつが大人になった感じなのかとイメージするとめちゃくちゃわかりやすいと思います。
こんなことしそうだな、あいつがあれぐらいの年齢になった時にあんなことしそうだなと考えると、腹が立つけど仕方がないのか、こんなことしてきそうだな、とわかると思うんです。
だいたい自分がこの人いいな、すごいなと同級生でも尊敬できる人たちがいたと思うんです。
そういう人たちはだいたい出世してます。
近くにいても、そういう上司ではなかったりします。
同僚だったり、いい上司だったりすると思うんです。
自分が同級生、昔の同級生と思ったりすると、あると思うんです。
だいたいちゃんとしている人は出世していくので、出世していけばトラブルは減っていくんです、またこれが。
人生の一番最初は一番キツいというか、下っ端の時が一番きつくて、だんだんステージが上がっていくと理解のある人、協力できる人、パーソナリティ・ファンクションが高い人が増えてくるので楽になっていくんですけど、下っ端でいるときはキツいし、下っ端のまま出世できずにずっと下っ端だときつかったりするというのはよくわかります。
じゃあどうするんだよ、助からないのかよ、と言われたらそういうわけでなくて、それに対して僕らは、YouTubeを使ったりして情報提供したり、全体が社会全体が良くなるような活動も同時にしたりするんですけど、こういうことはあります。
でもほんとよく思いますね。
自分も精神科医をやっていて思うんですけど、時々何かな~と思うこともいっぱいあるんです、上司というか、色々な人と喋っていて。
でもはっきり言って精神科医を選ぶやつなんてな、とどこか思ってるところがあって。
精神科医も好きなんだけれども、精神科医もすごい好きなんだけど、やっぱりイケてるやつらは精神科医になってないんだよね。
同級生とか、いや、そういうことを言うと僕の同期に対して失礼だったりするし、先輩に対しても失礼だったりするからアレだけど、やはりなんかね、そういうのはよく思います。自分もそうだなと思うんです。
学年の中でもイケてる奴らはメジャーなとこへ行ったりしますから。
今はどうかわからないですけど、精神科は元々、そんないい科じゃない、外れメンバー、学年の中でも外れメンツが行くようなとこなので。
そういう人たちが大人になって10年、20年、30年臨床をやってるというだけだな、と思ってしまうと、まあこんなもんなんだろうなといつも…時々なんか思いますけどね、そういうこと。
みなさんイメージしやすいと思いますけど、精神科医YouTuberの中で芳賀先生は最初呼吸器ですからね、芳賀先生と僕を比べてください。
どっちと友達になりたいですか?
どっちが信頼できますか?
そういうことですよ。
芳賀先生は特殊で一回内科から行ってるんで、もう呼吸器内科ってキラキラって感じなんで、僕からすると。
でもそういう風に思うと、なるほどなって思うこと多いんじゃないですかね。
ということですかね。
あまり上司に対してもビビりすぎないというか、クラスのこういうやつの10年後の姿かな、20年後の姿かなと思うと想像しやすいと。
そんなに期待せずにうまく振る舞えるようになると思うので、そういう目線で冷静にやると攻撃もかわしやすいかなと思います。
ということで、なぜあなたは攻撃されるのか、というテーマでお話ししました。
️◾️本日の宿題
今回の宿題は、投影、転移、投影同一視、逆転移の話がメインなので、こちらの概念について、こういうことがわかりました、こういうことはわかりませんでした、あと身近な例、自分はこういう体験をしたんだけど、これは投影だと思います、これが転移だったと思います、みたいなことを書いてもらうといいかなと思います。
この無意識の4つの機制、機構の感想もしくはその具体例を書いてみるといい学びになるかなと思います。
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