良いカウンセラー、公認心理師の有無~心の治療者を選ぶ基準とは?
本日は、有資格者の公認心理師や臨床心理士の資格を持っているカウンセラーが良いのか、それとも元当事者で民間資格ないし資格がない人のカウンセリングが良いのか、医師がやるカウンセリングが良いのか、ピアサポーターとの会話が良いのか、良い医師は誰なのか、良いカウンセラーはどんな人なのか、そこら辺の話を動画で撮ろうかなと思います。
どうやって医師を探せばいいですか?
どんな人が良い先生ですか?
どんなカウンセラーさんを探せばいいですか?
とよく聞かれるんです。
僕はいつも、ちょっとわかりませんとしか言えないみたいなこと言うんです。
もちろん自分が知ってる人たちを紹介することはできるんですけど、混んでいたりします。
だいたい混んでいて、すぐに予約が取れなかったりもするし、条件を挙げても、彼らが望む条件じゃないことが多いです。
遠かったり、料金の問題だったり。
料金の問題でということは少ないですが、遠かったり、時間やタイミングが合わなかったりすることも多いということがあります。
色々な人がいたり、僕だって評判悪いですし、益田の口コミを見てもらったらわかる通り評判悪いし、こちらが良いと思う心理士さんたちは厳しく感じたりすることもあるんじゃないかなと思ったりしますけど。
色々差っ引いて正直に考えを述べようと思うんですけど。
️◾️心のしくみ
まずここの真ん中にあるのが、ここにあるのが、これがAIのモデルを持ってきました。
人間の心をAIとして置き換えるとどういう風に考えられるのか、逆にAIというのは人間の心、脳の仕組みを真似て作ったものではあるんですけど、逆輸入的に自分たちの心、脳を考える時に役立つので、AIモデルがわかりやすいので使っているんですけども。
AIとはそもそも何をやってるのかというと、たくさんのデータを読み込んでモデルを作るんです。
その結果、新しい情報が入った時に、そのモデルに基づいて何かの判断するということをしてます。
難しいね。
例えば犬や猫の写真を大量に読み込むんです。
そうすると、犬とはこういうものである、猫とはこういうものである、というモデルを作るんです。
新しく犬か猫かわからない写真を見た時に、そのモデルに基づいて、これは犬である、これは猫であるという風に分類する、判断する、分類するという言い方が本当は正しいんですけど、分類します。これが正しい時と間違ってる時があるわけです。
そうすると評価訂正を加えるんです。
こういうのを教師役と言ったりするんですけど。
それを元にまたフィードバックしてデータとして組み込まれて、モデルがちょっと変わるんです。
こういうタイプの犬もいる、こういうタイプの猫もいるんだみたいな。
そして次の写真が来た時に、そのモデルに基づいて犬か猫かやる。
それで合っていたら、やはり私のモデルは正しかったんだなというデータが入るし、間違ってたらこのデータは間違ってたというデータが組み込まれ、モデルが修正されるということになります。
これは人間もそうですね。
過去の色々な経験から私は嫌われてるんじゃないかというモデルができている場合、誰か人に会った時に嫌な顔されると、私は嫌われるはずの人間だと思えば嫌われてると思うし、逆に何か良い経験があってそんなわけないな、自分はそんな嫌われるべき人間じゃないなと思うと、相手が不快な顔をした時に調子悪いのかな、何かあったのかなという風に思う。
私が嫌われてると思うのとは別のことを考えたりするんです。
これが人間。
治療だと、例えば私は嫌われてんだと思ったら、いやいや違うよ、と第三者だったり、自分でもう一回思い直せばいいんです。
いやいや違って、この人がちょっとムッと顔をしたのは、嫌いなんじゃなくて単純にエアコンが寒かったからじゃないの?
早口で聞き取れなかったんじゃないの?
方言だったんじゃないの?
英語だったんじゃないの?
知らない専門用語だったんじゃないの?
という形で一回訂正をすると、ああそうか、という形で嫌われてるわけじゃなかったんだなと思って、嫌われてるかもしれないというモデルが少し修正されたりするんです。
これをAIのように何百回、何百万回やっていくとモデルが切り替わっていくということを精神科臨床ではやっているし、AIとかも同じようなことをしているんですけれども、そういうことになります。
️◾️評価・訂正していく作業
カウンセリングとは何かというと、基本的には患者さんが投げかけてきている言葉を評価・訂正していくという作業になるんです。
私はこう思うんですというものを、いや、それは認知の歪みなんじゃないの、そうなんじゃないの、転移なんじゃないの、投影なんじゃないの、と色々な言い方でいいと思うんですけど、評価・訂正をしてあげることによって、新しくデータを組み込んでもらい、学習してもらい、自分が持っている世界観、モデルを変化させてもらうというのが、基本的に医師、治療者、支援者が行う言語的介入の在り方、カウンセリングのあり方なんです。
なのでどんな治療者が良いのかというと、評価することや訂正することが適切であればいいわけです。
だから正しく評価できる人、正しく訂正できる者なら誰でもいいわけです。
親でもいいし、教師でもいいし、友達でもいいし。
この正しさには立場や資格に違いはないんじゃないですか、と言われたらそうなんだよね。
正しいということは立場によって変わったら正しくないので、そもそも。
究極的に言ったら正しいとはそういうことじゃないですか。
だけど、なかなかね、それは理念としてはそうなんだけど、常に正しくあり続ける万能な治療者はいるのか、全ての分野において学ぶことは可能なのかというと、なかなかそういうわけにはいかないです。
医学、心理学、産業構造、福祉の構造、色々な世の中の社会とかの問題、時事問題、家庭の問題、様々な分野で色々なことを満遍なく学べる万能な治療者というのが存在できるわけがないので、この情報社会において。
人間の脳の限界を超えてますから。
そういう意味では色々な治療者の形があって、その評価・訂正の形というのは、その分野では限りなく正しいことができるけれども、別の分野だと切れ味が劣るなということが起きても仕方がないということになるのかなと思います。あとはコスパの問題です。
全員が医学から心理学まで全部押さえてる医師がカウンセリングをやれば良いのかというと、そういうわけにはいかない。
そんなの無理ですよね?
コストパフォーマンス合わないので、やはりうまくいかないでしょう。
じゃあ心理士をちゃんと育成してやった方がいいんでしょうけど、これは医師じゃ難しいだろう。
全部医師がやることが無理だから心理士さんにも色々な人もいた方がいいんじゃないかと。
じゃあ心理士だけでもコスパが高いといえばコスパが高いので、もうちょっと民間の人も取り入れていいんじゃないか。
️◾️自由競争の弊害
うちのクリニック(カウンセリング会社)で働いている人たちは昔会社員だった人が多いんです。
最初から、学生の時から心理学部など社会福祉系の方に入って行って、そこを卒業してストレートで治療者に回った人ではなくて、どちらかというとうちで働いてる人たちは一回会社員を経て、通信だったり、色々なところで大学をもう一回やり直したりして資格を取りなおした人が多いんですけど、みんながもう一回資格を取りなおすことってできないし、年を取ったり、色々な経験を積まないと心理やメンタルに関心が持てないこともあるので。
大学にもう一回入り直すのも難しかったりするので、いいんじゃないかという意見もあると思うんです。
有資格じゃなくてもいいんじゃないかということもあるし。
ストレートで大学から行ける人ばかりでやる必要ないんじゃないかという意見もよくわかるんだけども。
今度は自由競争の弊害というのもあるんです。
悪貨良貨を駆逐するじゃないですけど、正しくやってる人、正しく資格をとって正規ルートでやってる人たちが正しく稼げなくなったりもするんです。
参入が多すぎると、自由競争していいんじゃないかとやってしまうと、そのカルチャー全体が崩れるというか、うまく回らなくなったりもするわけです。
悪貨良貨を駆逐するみたいなこともあるので、ある程度の規制はしないといけないんです。医学もそうじゃないですか。
医療の世界も途中から誰彼かまわず診断して薬を出して良いのかというと、そんなことないわけで。
いくら医者の給料が高くて、医者じゃなくても、認知症の人にいつもと同じ薬出すだけだから医者である必要ないじゃないか、看護師でもいいじゃないか、別に職員でもいいじゃないですか、介護施設で10年以上働いている人だったら、みんな診断して処方できるじゃないか、となるかもしれないけど、それだとグチャグチャになってしまうのは明らかで。
こういうこともあります。
資格というものを作ることで守る、産業を守るということもあったりしますから。
あと、クオリティを保つということもあるということです。
民間資格をどうしたら良いのかというのは、ここら辺の兼ね合いです。
学習の問題と、どこまで犯罪にならないように保護するのか。
でも保護すれば価格は上がっていってサービスは行き届かなくなるし、かといって保護しなかったら悪貨は良貨を駆逐するみたいな形でグチャグチャになってしまうので、このバランスはわからないし、誰も規制ができてないというのが現状です。
幸い自由競争をするにしてはうまみがなさすぎるんです、メンタルヘルスの問題というのは。
お金にならないので、変な人が参入しにくい、魅力がないから参入しにくいということが起きてますけど。
でも悪い人もいますから、弱者からお金を取ることに対して、弱者を利用することに躊躇ない人たちもいたりするのも事実なので、できるだけそういうのがないような資格制度だったり法律だったりをしっかり作るべきなんでしょうけどね。
◾️失敗や別れも必要
あと治療者の話ですが、やはりある程度失敗や別れというのもどこか必要なのかなと僕は最近思っています。
昔は、この治療者だ、完璧な治療者だ、日本一の治療者だ、そこにいればいいんだ、色々そういうファンタジーみたいなもの、患者さんが持つファンタジーに自分も飲み込まれたことがあったんですけど、今も飲み込まれてる人もいると思うんですけど、そんなことないなという風に思います。
様々な支援者がやっていく。
師弟関係のような中で学んでいくものではなくて、チーム制でやっていく、多職種連携でチーム担当制でやってた方がいいんだろうなと思います。
スポーツの世界もそうじゃないですか。
今は、何でもいいんですけど、ボクシングでも何でもいいんだけど、一人のコーチともう二人三脚で走っていって金メダルを取るというよりは、栄養担当だったり、プログラム担当だったり、メンタルヘルス担当だったり、様々なトレーナーがつくことによって、チーム制でやっていった方が良い成績が出るわけで。
やはり現代は進化していってるので、治療論も進化してるわけですじゃないですか、バージョン上がってるので。
単純な師弟関係のような治療論からチーム担当制に変わっているし、今後ますます複雑な治療を行っていくためにはチーム担当制になっていくのがいいんだろうなと思います。
じゃあコーチ、一対一のものでも、やはり変えていった方がいいことってあるんです。
孫悟空でもお師匠さんは変わってるんですよ。
亀仙人からカリン様に変わって、カリン様から神様に変わって、神様から海王様が師匠になって、海王様からウィスという天使ですね、天使が悟空の師匠になって武道を教えてるということになっていて。
強くなるごとに師匠が変わってきてるんです。
でもどの師匠が優れてるか、どの師匠が劣ってるか、ではなくて、色々なところで色々なことを教えてもらった方がいいし、師匠が変わることによって、前の師匠の教えが改めて別角度から見えるようになって、その教えが活きることもあったりするので。
僕も医者になりたての時に、6年同じ場所で働いていてたらダメになるよと教わったことがあって、上の先生から。
ずっと同じ場所で働いてたら医者として腕が鈍っていくよ、と言われたこともあって。
僕は長く同じ場所一ヶ所で外来をし続けたいということを精神科医だから思ってたんですけど。
なかなかいないんです、同じ場所でずっと働けるという。
しかも僕ぐらいのキャリアで、2018年からやってますから5、6年同じ場所でやっていて、今は一番長い患者さんで6年、もう10年近く診てる患者さんもいるんです、所沢の時から見てる患者さんも何人かいますから。
医者3、4年目の時から診てる患者さんもいるのでアレですけど。
そういうのが結構珍しくて。
普通、もうちょっと転勤など色々あるんですけど。
僕の場合はアレですけど。でも本当にこれで良いのかと時々思うこともあります。
色々なところで色々やってた方がいいこともあるので。
それは治療者サイドもそうだし、患者サイドも色々な人の中で学んでいくということも大事なのかなという風によく思います。
◾️ピアサポーター
あとは考えるべきこととして、当事者、僕もピアサポーターの育成、ピアサポーターの人に頑張ってもらうことをいつも考えてるし、やってもらってるんですけど、当事者ならではの強みとしては、心を使う治療だったり、共感性だったり、親密感を持てたり、相手側がプロとか治療者側の問題ではなくて、受ける側がプロよりも当事者の人達がやってくれた方が親密感とか共感を持ちやすかったり、最初のハードルが低かったりすることもあるので、そういう長所はあるんだろうなと思います。
一方、プロの方が知識やサイエンスのこと、倫理観は、大学などで学んできてる分、やはり優れてることが多いのかなという気がします。
でもどっちが良いのかというのはケースバイケースだし、どっちがいいとは簡単には言いにくいです。
ただピアサポーターの場合は、一対一のカウンセリング以外にも体験談、座談会、体験の共有、色々な形の治療法があったりするので、それは単純なカウンセリングとはまたちょっと違うと思いますし、色々な角度から色々な形で刺激を与え、もらう。
色々なものが出てきた時に、診察室というか、カウンセリングルームの一対一の中だけで評価訂正するものではなくて、こういう日常の中で起きていく、自分の行動や心の変化は色々なもので評価訂正を受けた方が良いんです。
色々な人が色々な形で色々な角度から受けることがいいと思うので。
結論はそこなんですけどね。
このやり方だけで評価訂正を受けろというものではなくて、やはりこの評価訂正というのは様々な形で刺激、色々な角度から刺激してあげた方が良いのかなと思います。
あとは何となく、社会というのは弱肉強食なので、社会とはそもそも弱肉強食なんですけれども、やはり患者さんたちは社会に傷つけられてきているから、特に権威的なものから傷つけられてきている、ルール、会社、大きい組織、政府、学校から傷つけられてるから、どうしても学校の中でやってきているような医師、心理士等に対しては、最初からハードルが高いというか嫌いだったりすることが多いんですけど、でも社会というのも弱肉強食なので、権威側じゃないところから近づいてくる人たちは、弱肉強食のルールから来てるところがあるから、やられやすかったりもするので、保護的にならなかったりするので難しいですよね。
保護的であるがゆえに抑圧的、保護的だから押し付けられたような感じはするかもしれないけれども、押し付けられなくて対等だからこそ奪われるということもあったりするので、このバランスは結構難しいなと思います。
ということで今回は、良い治療者、良い人、支援者、カウンセラー、当事者が良いのか、民間資格でも良いのか、公認心理師など有資格が良いのかについて益田の考えなどを述べました。
◾️本日の宿題
本日の宿題は、実際こうだったよ、カウンセリングはこうだったよ、私はこう思います、みたいな意見を色々言ってもらえると皆さんにいい学びだと思いますので、概要欄、下の概要欄の方に書いてもらうと助かります。
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