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自分の意見がない発達障害(受動型ASD)

本日は、自分の意見がない発達障害(受動型ASD)、というテーマでお話しします。

受動型の人ですね。

ASD、自閉スペクトラム症の受動型の人の特徴ということですけど。

これは2021年8月14日にこのタイトルで動画を撮っているんです。

3年ぶりに同じタイトルで動画を撮るんですけど、随分辛辣なことを言うなと思いました、僕も改めて。

自分で撮った動画なんだけど、辛辣だなと思いました。

自己弁護をするのであれば、その時は発達障害という言葉がまだ世間で知られてなかったし、ちょっときついタイトルだけど共感を呼ぶというか、人の関心を呼んだということなんでしょうけど。

ちょっとキャッチーですよね。黙り込んじゃう。

黙りこまない発達障害が目立ってたんです、当時は。

コミュニケーションが苦手で、積極奇異みたいな人、不注意が多いADHD、独特のこだわりがあって自分の好きなことをしゃべり続ける積極奇異型のASDばかり目立ってたんですけど、女性でいつも困っていて、でも無口で、いわゆる綾波レイみたいなこと、昔でいう綾波レイですね、エヴァンゲリオンの、今だと何なんだろうな、最近のアニメでは例えが出ないですけど、無口キャラみたいなことです。

ある意味フリーレンっぽいと言えばフリーレンっぽいですけど、葬送のフリーレンっぽいですけど。

そういう人たちの話を当時しました。いると思います。

友達の横にくっついていて、いつも困った顔をしている女の子ないし男の子、気が弱くて自分から何も発言しなくて、あなたどうしたいの?と言っても「う~ん」と困って、誰々ちゃんの言うことばかり聞いててはダメよ、自分の意見を言わないと、と言って、誰々ちゃん、そんなに意見を押し付けないであげて、と言うと、だんだん泣き始めて、どうして泣いているの?と言ったら「自分でもわからない」という感じの子たちです。

これはどういう話なのかということをメカニズムからお話しします。


◼︎人間の心のモデル

人間の心を表すのに最近、3年前と違って、3年前と今の違いはAIの有無なんですけど、説明する時にAIを例に出すとわかりやすいので、AIモデルを使わせてもらいますが。

基本的に人間の脳というのは色々なデータ、知識や経験からモデルを作るんです。

世界とはこういうものである、社会とはこういうものである、人間とはこういうものであるというモデルを作ります。

五感から入ってくる情報からモデルを作るんです。

何がしたいの?と聞かれたら、このモデルに該当して出力する、入力に対して出力するんです。

例えばAIだったら猫と犬の写真をたくさん見せて、猫とはこういうものなんだな、犬とはこういうものなんだな、とAIが学習していく。

そして学習されたものを元に、新しい写真を見た時に、あっこれは今まででいうと猫だった、犬だったとわかる、と。

間違うこともあるんです。

ちょっと写真がぼやけてわからないな、でも猫です、と言ったら、いや実は犬でした、という時には、間違えたんだ、ということで知識が加わって、こういう時は猫じゃなくて犬なんだ、間違えやすいけど覚えておこう、という形で世界が修正されるんですけど。

そういう形で人間の脳の中でも学習が起きているという風に考えられてます。

人間を真似てAIを作ってるんですけど、その逆輸入的に、やはり人間もそうなんだってわかってるというのがここ最近の話ですけども。

それで考えると、何かの入力、こうしたいとの問いがあった時に学習済みのモデルを通すんだけど答えが出てこないということなんです。

どこに問題があるかというと、データか、データとモデルの間か、モデルかになるんです。

◼︎データの問題

どんな経験をしてるのか。

彼らは色々な経験、同じように経験してるんだけど、視野が狭かったり自分の興味の偏りがあるので万遍なくデータが入ってないんです。

だから右から左になってしまうんです。

自分の興味のあることはたくさん覚えてるけど、興味が無いことは本当に覚えてないから、世界モデルに偏りがあって、何かを聞かれても出てこない。

あと自閉性というか変化を嫌うんです、文字通り自閉の問題。

変化をする時に耐えがたい痛みが伴う、不快感だったり。

変化を嫌うのでデータを偏らせるというか、情報が入らないようにしてる。

モデルが変わっていくことを避けるので、ここに書くことじゃなかったかもしれないですが、変化を促すようなデータは避けるし、そういうデータが手に入るような経験を避けたりします。

だから自分の好きなもの、変わらないもので身の回りを固めていく。

だから結果的にデータの種類が足りなくて、モデルが貧困になりがちなんです。

あとは能力的、心理的、環境的抵抗と書いていますけど、色々なものを手に入れることができなかったりする。

視野が狭いので色々なものを一度に吸収しにくい、そういう問題があったり、吸収することを心理的に避けてしまう、不安だから避けてしまう、怖いからやめてしまう、人に怒られたことがあるから行きたくない、とか。

あと環境的抵抗、つまり孤立してるんです。

孤立してるから人から新しい刺激をもらえない、仲間から疎外されてるから、仲間からの情報、仲間から何か人づてに何か聞く、そういうことが少なかったりする。

だからデータに偏りがあるとか、そういうことが起きたりしてます。

️◼︎モデルの問題

そしてモデルの問題。

何かちゃんと分類できてないですね、これ。

よくないですね。

パッと書いたので申し訳ないですけど。

当時も3年前も急いで撮ってた感じだと思いますけど、今も変わらないですね、3年前と。

モデルの問題としては、そもそも色々なデータをもらっても、それを抽象化していくことが困難なんです。

だからデータはデータのまま生々しく残ってたりするんです。

生々しい記憶、教科書を見たまま覚えるのは得意なんだけど、それを抽象化してデータとして残すことは苦手なので、応用力がなかったりするんです。

だからモデルに歪みがある。

言語化していくという力がない。

だから何か聞かれても絵では表現できる、音楽では返答できるんだけれども、言葉にして返すのはすごい苦手というのもあったりします。

こういうのをビジュアルシンカーとか、他の○○シンカーと言って、そういう発想があるんです。

人間というのはみんなが言語的に考えてるわけじゃなくて、どちらかというとビジュアルシンカー型の人も結構いる、と。

僕もどちらかというとビジュアルシンカー型だと思うんです、図解した方がわかりやすいとか。だけど普通に言語的な人は、言葉のままで理解した方がわかりやすいんです。

一緒に働いている池口さんは、図がない方がわかりやすいと言うんです。

でも僕やさわきさんは図があった方がわかりやすいという感じなので、そういう頭の中、作りというか、認知のあり方も結構違うんだなという気はします。あと柔軟性が弱い。

柔軟になっていく、何か作っていく、クリエイティブになっていく、そういうのが弱かったりするので、このモデルの修正というのがすごく苦手なんです。

アップデートしていくということが苦手なので、いつまでもやっぱり出ない。

出ないから、そのストレスに対してこの世界はこういうものだというモデルを変化工夫して広げていったり、形を変えていかなければいけないんだけど、そういう柔軟性や想像力が弱かったりする。

あとは視点移動が苦手なんです。

相手の立場で考えたり、こういう場合だったらどうなの?とかifの話をする、そういうのが苦手だったりする。

別の角度から何かを考えるというのが苦手だったりするので、結果的にデータに偏りがあったり、モデルの修正が困難だったり。

モデルがあったとしても平面的だったりして、立体的に別の角度から見るということが難しい。

そういうある種の貧困なモデルにとどまってしまうところが結構あります。

だから何か聞かれても答えられないんだよね。

答えないんじゃなくて、答えられないというか。

意見を出さないんじゃなくて、出せないというか。

そういうのがあります。

️◼︎ADHD、SLD由来

発達障害はASDとADHDを合併していることが多いので、診断基準を満たさなくてもその傾向があったりするんです。

ADHD由来の集中困難、片付けが苦手だったりすることから、集中困難みたいなものから一つのこと考え続けられないのでモデルがアップデートできないとか。

限局性学習障害的なもののせいでモデルがアップデートできないとか。

ワーキングメモリが狭いから考えていくことが苦手だったり、知覚推理が苦手だからパズル的に応用が利かない、パズル能力が低い、処理速度が遅いからモデルの変化にも時間がかかる、データ処理に時間がかかる、色々な風に考えられますけど。

そういう結果、自分の意見が出しにくいし、出しても何かちょっと貧困な感じ、つまらない感じになってしまう。

つまらないから言いたくない、書けないから書きたくない、となっていく。

だから全てがつながってるんです。

書けない、書かないから言えない、言えないからチャンスが減る、チャンスが減るから成長する機会がなくなる、成長しにくい、だから下手なままになる。

そういうことがあったりするなということです。

◼︎仕方がない

そうと言えばそうなんですけど、実際どうしていけばいいのかということですけど、やはり能力的にも難しかったり、心理的にもすごくハードルが高くてできなかったり、そもそもそういう環境にないというか、そういう自分の意見を出していく環境が整ってなかったり、色々なものが複雑に絡み合って、どんどんどんどん悪循環を生んでるんです。

精神科の治療というのは何かというと、仕方がないと思って、今の現状を受け入れて、ちょっとずつ治していく、色々な問題があるんだけど、その一個一個の問題を泥臭く、全部を解決できないので数%ずつ改善していくということなんです。

そうすると複利的に良くなっていくので。

つまり1%の改善が100個あったら、1.01の100乗なので2倍くらいになるわけです、多分ね。

計算してないので分からないですが。

ちょっと計算してみようかな。

1.01^100=2.704813829421526そういうことなので、ちょっとずつ治していくということが大事です。

じゃあどれくらい頑張ればいいの?という話ですけど、急がなければいけないの?と言うんですけど、そんなこともなくて、結局ラーニングゾーンに居られればいいんです。

楽すぎず苦しくない。

楽すぎると成長がないし、ちょっとストレスがある。

だけど苦しくはない。

苦しいとパニック発作やうつになってしまうので。

追い詰めない。

自分ができる範囲内で頑張る。

それは他人から見たらこんな努力してないじゃないかと思われるかもしれないけど、それでいいんです。

やれる範囲でいる、ここに居続けるということが人生にとって大事なことなので、仕方がないなと思って周りの人も優しい目でこのラーニングゾーンに留まることを応援してあげるというのが大事かなと思います。

️◼︎生まれてきてよかった

あとは生まれてきてよかったという瞬間を増やすということも大事で。

ラーニングゾーンにずっと居ればいいのかというと、その結果、寿命が来る前に社会復帰できない人もいるんです。

ラーニングゾーンに留まったんだけれどもこの人の成長速度では社会復帰までいきませんでした、ということもあると思います。

それはあると思います。

結局IQ的なものというのはほとんど成長しないんです。

カスタマイズ性はあるんだけど、IQ自体は伸びないんです。

ただ、EQは伸びるので。

すごく柔軟に色々なパズル能力が上がっていくということも特にないんです。

処理速度が上がる、マルチタスク得意になるとかもなくて。

でもEQは伸びていくので、世界とはこういうものであるという、このモデル自体はアップデートできるので、ゆっくりやっていくということです。

EQが上がっていくとだんだん世界モデルというものが変わって、落ち込むことも減ります。

柔軟に温かい世界モデルが出来上がるといいんです。

あるがままを愛する、愛される経験が増えていけば、仕方ないなと思って、自分の意見、なんかあるような、ないような、わからないけど仕方ないな、と。

意見がたくさんあって面白いこと言える人もいるし、そういうクリエイティブさがなくて何となくいつも同じようなこと言ってしまう、凡庸であっても、別にそれはそれで愛されるべきものですし、いいなという風に思えるというか、周りの人も、周りの人が思えたら一番いいんですけど、周りの人が思えて、それが自分に伝播していく形、自然と染み渡る形で変化していくという変化が一番理想的なんですけど、そんなに世の中甘くないので、周りの人は自分のことをそこまで認めてくれなくても仕方ないなと思って、あるがままの自分を愛してあげるってのも大事だったりします。

ということです。

そういう変化をしていくということです。

ASDとLDについては薬物療法はあまりなくて、過敏でチクチクする、過敏で不安になるから、新しい情報入ってこないのであれば、過敏さに対してはリスペリドンやアリピプラゾールが効くし、うつっぽくなっていて情報も入ってこられなくなってきているのなら抗うつ薬が効くし、ADHD由来の問題があるのだったら、コンサータ、ストラテラ、インチュニブとADHDの薬もあるので、薬物療法を使いながら成長しやすい脳に変えてあげて、少しでも成長しやすいゾーンに留まるれればいいんじゃないかなと思います。

️◼︎本日の宿題

今回の宿題は、今回の動画の感想および過去動画と見比べてもらって、みなさんどんなことを考えたかを言ってください。

益田も3年で、3年前と今とはちょっと違いますので。

なかなかYouTubeって怖いですね、色々なものが残ってるから。

興味深いかなと思います。

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