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境界性パーソナリティ症の恋愛

本日は、境界性パーソナリティ症の恋愛、というテーマでお話しします。

境界性パーソナリティ症の動画第3弾です。

教科書的な話、実際に僕がやってる話、今回はもう少し実践的な話をします。

境界性パーソナリティ症の人は、男女比は1対1くらいなんじゃないかと言われてますが、実際の臨床で来る方、困って来る方のほとんどは女性なんです。

1対3の割合で女性が多かったりします。

もちろん男性のパーソナリティー症の人もいます。

境界性パーソナリティ症の人は10代、20代の時が激しくて、30代以降は結構落ち着くんです。

もちろん空虚な感情や対人関係の苦手さというのはあるんですが、激しい自傷、なりふり構わない自殺衝動、そういうそそのかすようなこと、ODなどは減っていくので、何となく境界性パーソナリティ症の人たちというのは、30代、40代からも治療が続いていくんですけど、10代、20代の人で困っていて、緊急で治療していくことが多いのかなと思います。

男性の場合、恋愛下手の人が多かったり、なかなかうまく恋人を見つけられない人が多いんですけど、女性の場合は、これは男女の違いだなと思うんですけど、恋人を作りやすいんです。

それは若いということがやはり男性よりも女性の方が有利に働くことが多いです。


◾️10代~20代

恋愛のパターンはよくあるのが、ひとつのパターンは発達の人と付き合うパターン、自己愛の人と付き合うパターン、あと両方付き合っってしまうパターンがあります。

モテ、自己愛、これがホストだったり不倫だったり。

よくあるのが不倫です。

彼女自身は、私には複数の人が必要なんだみたいなことをよく言います。

人を信じられなかったり、親子問題があったり、両親の喧嘩だったり、両親自身が不倫や浮気をしていたりという、そういう形で誤った学習をしたり、あと周りの子たちも不倫や浮気をしてたりすると、どうしても複数やってしまうということもあるし、周りの人がやってなくて自分だけやってしまう場合は、恋愛感情を抑えきれなくて、他人に依存したくなって、助けてもらいたくて複数にすがってしまう時もあるという感じです。

苦しんできた結果こうなってしまうということはよくあるんです。

仕方ないんだよね。

一人の人に集中しすぎて相手が潰れてしまうこともあるし。

だから一人の人を潰さないように、でも自分は不安だし、でも声をかけてくるし、自分の性衝動や助けて欲しいという不安感が制御できずに、誰かまた別の人に頼ってしまうというのはあるんだよね。

まぁ仕方ないんだよね。

じゃあなぜ発達と自己愛なのか、不倫なのかというと、これもアレで、よく言うのは、私は普通の人は相手にしてくれないんだ、私はメンヘラだから普通の男は相手してくれないんだ、ということをよく言っていて、そんなわけないよというところもあるけど、確かにそうだなということもあるわけです。

ここは苦しいところだなと思います。

この子が生き延びるためには必然だったことでもあるんです。

普通の人と普通に恋愛した方がいいよ、と言うと、それはわかってるけど、それができないからこうなってるんでしょう、ということで。でも僕らは主治医なので、彼女の味方なので、時としてそうやって誰かを傷つけてでも生き延びるというのは人間として必要なことというか、動物とはそういうもんなのでいいのかなと思います。

対人関係の不安定さがある、感情コントロールが困難だったり、衝動的に何かをしてしまうので、複数必要になってしまうということですね。

そういう衝動性や感情の不安定さに対して、それに耐えられるのは発達の人、自分のことにしか関心がない人たちだけだったりするということです。

普通の人が横にいると、そこに引っ張られちゃったり、振り回されて疲弊して、どこかのタイミングで逃げていくというか、別れるようになってしまうということです。

一人がいいよと言うかもしれないけど、そうは言っても、じゃあ先生だけで治療してくれるわけじゃないでしょうということになるわけです。

だって、医師とカウンセラーと福祉の人が同時にやってるから、これだって複数じゃん、とそういう風に言われますけど、そうだと言えばそうだなという気はするけど、そこに性欲や肉体関係が絡むとややこしいので、複数の人が必要、複数の人から色々なことを学ぶというのはもちろん正しいんだけれども、でも、性的なものを提供せずに複数の人とつながるのが大事なんだよということです。

医師だったり、心理士だったり、学校の先生だったり、ちゃんとした人と性欲というか見返りなしにつながれる人をたくさん用意するということになりますけど。

でもこうなってしまうのはよくありますし、仕方ないね。

第1回目でも話しましたけど、リストカットやOD、自殺衝動、そういうものは治療していけば2~3年で結構落ち着きます。

ただ空虚感やうつっぽさ、対人関係の苦手さというのは残り続けるし、少しずつしか改善していかないです。

というのはあります。

だから死なないようにコントロールしながら、どこかでどうするかということを考えていくというのが10代、20代の治療です。

️◾️30代~40代

5 years laterと書いてますけど、30~40代の人たちはどうなっていくのかということです。

自己愛の人と結婚する場合もありますけど、相手が発達の場合だとその後にカサンドラ症候群のようになってしまうことがあります。

自分は落ち着くが、相手の発達の問題はあまり改善しなくて、共に同じように人格的に成長していけばいいんだけど、やはりどこか発達の人は成長がゆっくりだし幼かったりするので、最初は人格的発達に差があったのが、追い越してしまうんです。

そういうことが多くて、今度は、昔苦労させたしなという形で関係が逆転してしまいカサンドラみたいになってうつになってしまうということがあります。

あとは、外では大丈夫なんだけど、家の中では残り続けるみたいな形で、女性からの精神的DVというか、家の中で暴れてしまう人たちみたいになることもあります。

もちろん逆もありますよ。

自己愛の人と結婚してDVを受けてしまう奥さんみたいになることもあるし、振り回される奥さんになることもあるし、自分は外面は良くなったけど、家の中では暴れてしまう人になって、男性に対するDVみたいにしてしまう、精神的DVみたいにしてしまう人もいる、と。

でもこれは多くの場合、自分で気が付いてなくて、夫の方が「あんた発達なんでしょう」と言って発達障害グレーゾーンの人が臨床に来るのもよくあります。

じゃあ誰も傷つけたくないなとなり、行き場のないものがアルコールやギャンブル、買い物依存、万引き依存になってしまうということもあります。

感情コントロール、衝動性を抑えようがするがあまり、超自我というか抑圧が強くなってしまって、そのはけ口が物質依存に来てしまうということもあります。

もちろんそうじゃなくて、普通にうつになったり、引きこもり状態になったり、職場でいじめにあって悩み続ける、リストカットはないかもしれないけど、やはり人間関係が苦手で、普通のうつ病というか、パニック、そういう形になってしまうというのがあったりします。

そういう人たちというか、そういう治療です。

じゃあどうしたらいいのかというと、前回、前々回の動画にもつながっていくんですけど、臨床したりカウンセリングをしつつ、YouTubeやオンラインコミュニティを運営しながら、そういうのを僕は解決策だと思ってやっているという感じです。

結論は単純で、仕方がないなと思って割り切って、今の状況の中で最適な行動を取る。

感情やトラウマに支配されず、今の状態をゼロベースで考えて、今取り得る一番いい行動をすればいい。

ただそれだけなんです。

仕方がないと思って、今、最適な行動を取る。

ジレンマはあるんですよ。

何かあった時に離婚した方がいいのか、しない方がいいのか。

離婚したらお金の問題がある。

離婚しなかったら精神的なストレスが溜まってうつっぽくなってしまう。

じゃあ自分の成長、相手とのコミュニケーションで関係性の回復を目指した方がいいのか、それともすっぱり別れた方がいいのか。

これはわからないですよ、ケースバイケースなので。

だけど、どこかのタイミングで決断して、どっちかに振らなければいけないんです。

結果的にその決断が間違ってる時もあるかもしれないけれども、双方にメリット/デメリットがあるから。

でもまあ後は仕方ない、というか塞翁が馬というか、決める時は決めたらそれを頑張る感じです。

常に、どっちかと言うとこっちかな、みたいな形で正解を選べるわけじゃないので、選んだらそれを頑張るということになります。

それを決断する、仕方がないと思えるようになるために、臨床だったり外来だったり、YouTubeだったり、色々オンラインコミュニティだったりがあるという感じです。

ということです。

境界性パーソナリティ症は多いんです。

初回でも話しましたけど、人口の1.6%ぐらいいて、生涯の中では5~6%いるという人たちですし、それに準ずるような、境界性パーソナリティ症の診断基準を満たさなくても、それに準ずるような人たちというのはたくさんいるわけで、人間が生きる生きづらさといえば生きづらさなんですけど、人間の脳が持ってる不可思議さというか、アレですけど。

青い鳥探しをせずに、仕方がないと思ってうまくやっていくのがいいんじゃないかなと思います。

ということで、境界性パーソナリティ方の恋愛というテーマでお話ししました。

️◾️本日の宿題

こういうケースは、ああ私もそうだ、そうなんだ、と思う人も結構いると思いますので、今回の宿題は、自分もこうだったな、こういうのを聞いたことがあるなという体験談を言ってください。

この動画だけだと一個一個の治療はどうしたらいいんだという風に気になる方もいっぱいいると思うんですけど、それはまた個別の他の動画があるので、検索してみてもらったり、AIを使ってもらったり、場合によってはオンラインコミュニティに参加してもらったり、臨床の主治医に聞いてもらったり、カウンセリングの中で理解してもらったりしてください。

でも、仕方がないという風に思って、生まれてきてよかったと思える瞬間を増やすというのが結論なので、その結論から逆算して考えるといいかなという感じでした。

そうですね、じゃあなんでそれがいいの?と言われたら、文化的な背景が色々あるから、日本人のカルチャーだから、と色々あるんですけど、自分の大事だと思う、自分が感動したなと思う映画、漫画、音楽などは、おそらくそういうものがいくつかあると思うんですけど、その後ろ側に流れてるものは日本の歴史だったり文化があります。

日本の歴史や文化とか美徳とか美意識というのが後ろに流れてて、そこは仏教観みたいなものがやはりつながっていて、それは制作者が意識してる、意識していないに限らず、僕らというのは日本人が日本語を使ってる限りはそこに縛られているわけで、その中で臨床的に良いゴールのひとつかなというのが、仕方がない、生まれてきてよかったというもので、ちょっと難しい話を最後にしましたけど、心の隅に置いておいてもらうと、またどこかのタイミングでハッとひらめくんじゃないかなと思います。

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