#4【体験談】残念な企業研修講師デビュー戦_当日までの準備編
みなさん、こんにちは。
中小企業診断士の岩瀬敦智(いわせあつとも)です。
以前の投稿で、このコラムのテーマは「経験がない診断士が、企業研修講師としてキャリアアップして、安定して稼ぐためのヒント集」であると、やや回りくどく(?)説明しました。
本記事では、何かヒントにしていただけるのではないかと思い、私の企業研修講師デビュー戦の様子を書いてみることにしました。ご興味があれば、ご一読いただけますと幸いです。
今回は、デビュー戦当日を迎えるまでの準備編です。
時は、岩瀬が法政大学経営大学院(MBAスクール)(以下、大学院)の診断士の養成課程コースに通っていた2008年夏にさかのぼります。
突如として訪れた研修講師のデビュー戦のチャンス
大学院の自分の研究デスクで課題レポートを作成していた初夏のある日、急に指導教授が学生研究室に入ってきて私のデスクまで来ました。教授が学生研究室に来るのはとても珍しいことで、驚きました。
「岩瀬さんって前職でファッションの仕事していたよね。今度、9月初旬にファッション系の小売業のスーパーバイザー向けの研修に登壇するのだけど、途中で1時間くらい担当してみない?」
それまで、特に人前で話した経験がない私にとって、まさかのオファーでした。テーマは、「VMD(Visual Merchandising)の基本」。
その時の心情を振り返ってみると、こんな感じです。
最終的には逡巡や葛藤を乗り越えて、「ぜひ、よろしくお願いします」と答えました。
孤独な中で教材コンテンツの作成に向き合う日々
診断士の養成課程は、出席しなければならない授業数が多く、各授業での課題も山のようにあり、とにかく毎日が時間との闘いでした。ただ、幸いなことに会社を辞めていた私にとって、大学院の夏休み期間は自由な時間がたくさんあったのです。
そこで、夏休みに入ってからというもの、プロジェクト報告書(アカデミック系大学院では修士論文に該当するもの)作成に向けたリサーチもそっちのけで、自宅にこもりました。とにかくVMDに関する手持ちの資料を確認したり、書籍や雑誌を読み漁ったり、インターネットで情報を検索したりしながら、当時は不慣れだったパワーポイントで書いては修正する日々を過ごしました。ふりかえると、1時間のVMD教材コンテンツを作成するのに3週間まるまる費やしていました。
夏休み中ということで声を掛けていただいた教授に相談することは憚られ、孤独ではありましたが、時はちょうど北京オリンピック真っ最中。テレビから流れてきた、選手たちの躍動する姿からとても勇気をもらったことを覚えています。本当に今となってはとても懐かしい想い出です。
どこまで修正しても、これで合っているのかな?という不安は拭えませんでしたが、コンテンツの提出期限も迫ってきたため、リハーサルを何度かして1時間で収まることを確認(幸い当時は1人暮らしのため声出しでリハーサルをし放題でした)。最初のリハーサルでは分量が多すぎたため、吟味して削除をした上で教授に資料をメール送信しました。
その日は、ひとまず提出したという安心感と、もしかしたら全くダメだとフィードバックがあるかもしれないという不安感が混ざり合ったような気持ちで過ごしていました。そして、数時間後に教授から「これでいきましょう」との返信がありました。そこでようやく一息ついた心地で解放感に包まれたのでした。今、振り返ってみると企業側への提出期限ギリギリで資料を見せられて修正のしようがなかっただけかもしれませんが…(笑)。
内容をある程度覚えるほどのリハーサル
ただ、一息ついたのも束の間、今度は提出した資料に基づくリハーサルです。以前に前職の朝礼でうまくいった際も、大学院の10分プレゼン演習で褒められた時も、一言一句暗記をして臨んだ結果でした。それまでも「プレゼンテーションにとって最も大切なことは事前準備である」という意見を何度も耳にしていたこともあり、リハーサルに注力する必要性を実感していました。
今回は、1時間なので一言一句覚えるのは私のポテンシャル的には難しく、スライドの順番や書いてある内容をある程度覚えるくらいまで、リハーサルを繰り返しました。
こぼれ話ですが、日中は、VMD教材コンテンツ作成で遅れ気味だった大学院のプロジェクト報告書の準備に充てたため、夜中に自宅でリハーサルを繰り返していたことから、後日、隣の家の方から「夜中に電話で話してますか?ちょっと、トーンを抑えていただけると…」と諫められ、平謝りしたのでした。今でもその節は本当に申し訳ないことをしたと思います。当時は戸建てに住んでいて隣の家とある程度距離が離れていたので、よっぽど大きな声で話してしまっていたんだと思います。必死過ぎて、配慮が不足していました…
ここまでのまとめ
ここまでは企業研修講師デビュー戦の当日までの出来事をお話しました。内容を整理しておきます。
さて、この後、デビュー戦当日を迎えた私ですが、この記事のタイトルにもあるように実に残念な結果に終わってしまいます。当日の顛末は次回、詳しくお話ししますが、折角ですので、時間がある時に以下の問いをちょっとだけ考えてみていただければと思います。
現在の私が考える、この時の自分のしくじりについては、今後のコラムで紹介する予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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