【監督インタビュー 高橋知子】 #01 人に感動を与えたい
1/27(土)に早稲田大学で上映する映画「きみは海」。監督の高橋知子さんへのインタビューをお届けします。
第1回は学生時代編。映画監督になるバックボーンが明かされます。
人に感動を与えたい
人の心に残るもの、人に感動を与えるものを作ったら、生きる価値が生まれるかなあ。そう思って、中学生の頃から「人に感動を与えられるもの」をずっと探していました。
その人の輝きに憧れて、自分も変わろうとする
高校生のときに、好きな先輩がいました。その先輩は、運動部に誘われるくらいサッカーが上手。でも絵を描くのが大好きで、運動部には入らずにずっと美術室で絵を描いている。そんな姿に憧れていました。そんな時に、映画「耳をすませば」(近藤喜文監督、95年スタジオジブリ)を見ました。「耳をすませば」は、ヒロインの中学生・雫(しずく)が、バイオリン職人になりたいという夢を追いかける聖司くんに憧れて、自分も小説を書こうとする物語です。恋をして、その人の輝きに憧れて、自分も変わろうとする。その前向きな気持ちが自分と重なってすごく感動して……。「耳をすませば」のように人に感動を与えられるものを私も作りたい、と思うようになりました。
大分から早稲田へ
生まれ育った大分県臼杵(うすき)市では東京の大学を目指す人は珍しい存在でしたが、私は早稲田大学が第一志望でした。早稲田には文化や芸術の風土があって、芸術の世界で著名な卒業生も多いですよね。芸術、その中でも映画や演劇が好きでした。私も将来芸術の世界に関わりたいと考えていたので、早稲田を受験しました。
感動を与えらえるもの探し。そして映画の世界へ
早稲田に入学してからも、「人に感動を与えらえるもの」をずっと探していました。早稲田リンクスというサークルに所属し、大隈講堂で結婚式をするというイベントを早稲田祭でやりました。ご本人たちはもちろん、見ている人たちも、運営の私たちもみんな感動する、幸せなイベントでした。他にも、アルバイトを色々経験したり、学部の枠を超えたゼミに参加したりと、芸術を軸にいろんな活動をしました。ターニングポイントは経済産業省主催のインターンシップで、映画プロデューサーの付き人をさせてもらったこと。面白いものを作ろう!という映画を作る人たちの情熱を目の当たりにして、とても刺激を受けました。この人たちと一緒に働きたい。そう思って、映画に関わることができる会社に就職しました。
(聞き手・構成:池田千晴、聞き手:鎌田寿美、撮影:島田直樹)
高橋知子
1985年生まれ。大分県出身。早稲田大学政治経済学部、早稲田リンクス、福田耕治ゼミなどに所属。副専攻の映画映像コースで映画を学ぶ。映画宣伝、WEB制作の仕事を経て、2011年からフリーの助監督として多数の作品に参加。成島出監督に師事し、撮影スタッフやシナリオ助手を務める。 2017 年、初監督作品「きみは海」がレインボーリール東京、新人監督映画祭などで上映される。
「きみは海」
安藤快人は、恋愛コンプレックスのある大学生。バイト先のカフェで知り合った高瀬透子と交際するようになり、初めて本物の愛を実感する。しかしある日、快人は透子の様子がおかしいことに気付き、浮気を疑う。深夜にひとり泣いている透子を慰めると、年上の女性—弘華と関係を持っていることを告白される。透子と別れたくない快人は、交際を続けようと、あらゆる努力を始めて……。
早稲田ゼロハチ映画祭にて上映!
2018年1月27日(土) 13:30〜16:30
早稲田大学10号館109教室
どなたでも入場無料でご参加いただけます。
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